ニュース
ソフトバンク、「NFT市場」や「メタバース」での新サービスを提供開始――「なにわ男子」とのキャンペーンでメタバース市場拡大を狙う
2023年3月7日 04:00
ソフトバンクは、NFT(非代替性トークン)に関する取り組みとして、XRコンテンツと絡めたNFTマーケット「NFT LAB」の提供を開始した。あわせて、メタバース空間を活用する取り組みや、「NFT LABO」と関連させたサービスについても発表された。
これまでのメタバース取り組みと課題
ソフトバンクのサービス企画本部 本部長の原田 賢悟氏は、これまでのメタバースの取り組みで「イベント開催日以外の集客」や「スペースの拡張」など新たな課題の発見と、「ユーザー属性」や「企業/自治体からの多数の問い合わせ」など、ユーザーニーズにあわせたサービス提供へのヒントを得られたという。
そこで、メタバースの取り組みの方向性として「リアル空間の連携」と「NFTの導入」で、ユーザーニーズにあわせてサービスを提供すべく、韓国で人気のサービス「ZEP」やZ世代向けのコミュニケーションサービス「ZEPETO」という2つのメタバースプラットフォームでサービスを提供していく。
「ZEP」は、サービス開始8カ月で300万ユーザーを超えた都市型メタバース空間で、2D空間で同時に5万人同時接続できる。ユーザー同士はアクションや絵文字、チャットでコミュニケーションをとれるほか、ビデオ通話や動画再生、NFTもサポートしている。また、イベントを実施したいとクライアントから問い合わせを受けた際に、1カ月程度で空間を整えられる柔軟な拡張性も特徴の一つだと原田氏は指摘する。
「ZEP」では、リアル店舗の集客や観光、バーチャル店舗での接客などでの利用を提案していく。ソフトバンクでも「ZEP」を利用したイベントモデルを展開していくとし、「ソフトバンクショップなどリアル店舗で特典(パスポート)を配布し、それをもつユーザーだけ楽しめるコンテンツ」などを用意する。
あわせて、GPSチェックインを活用したスタンプラリー(観光)や、バーチャル接客モデルによる接客機会創出などを提供していく。
「ZEP」と「ZEPETO」2つのサービスで展開する理由について原田氏は、「『ZEPTO』はZ世代が中心で、『ZEP』はそれ以外の世代も多い」とし、幅広い世代をターゲットにしていくためとしている。
ほかのプラットフォームへの展開については「その都度検討していく」とした。
ソフトバンクでの取り組み
実際にソフトバンクで実施する取り組みについて、同社サービス企画本部 メタバース・NFT部 部長の加藤 欽一氏が説明した。
まずは、ZEPETOで展開されていたバーチャルショップ「ソフトバンクショップ in ZEPETO」をリニューアルし、イベントやコラボレージョンができる7つのゾーンを拡張する。多くの企業からイベント開催に関する問い合わせが多くあり、いちからスペースを用意することなくあらかじめコラボスペースを用意しておくことで、より容易にイベントを開催できるようにするという。
ZEPでは、先述ようにメタバース上での取り組みのモデルケースとして「イベントモデル」「観光モデル」「バーチャル接客モデル」の3つを展開。
NFT関連では、LINE Xenesisのプラットフォーム連携により3DやXRコンテンツをメインとした体験型NFTマーケット「NFT LAB」を開設。LINEのブロックチェーンを基盤に活用し、LINEアカウントでログインできる市場で、コンテンツは「5G LAB」などでのノウハウを生かすべく3DやXRのコンテンツを充実させる。
コンテンツ面では、写真や動画が多い中、5GLABのノウハウやこれまでの経験を生かし、3DやXRのコンテンツを充実させるという。リアルなイベントとの連携(参加資格や特典付与など)を検討しているという。
なお、バーチャル店舗での接客は、ユーザーからチャットによる相談で、関連サイトや店舗への誘導などにとどまり、バーチャル店舗だけで手続きが完結するようなサービスではないとしている。