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年間行方不明者「8万人」への対策目指し、プラススタイルから新製品
2023年2月10日 00:00
BBソフトサービスは9日、プラススタイルの新製品「+Style まもサーチ3」と「+Style まもサーチTag」を発表・発売した。価格はそれぞれ5280円と3480円。
発表会では、同社取締役執行役員 プラススタイル事業本部長の近藤 正充氏が、2つの“場所がわかる”今回のラインアップについて説明した。
「+Style まもサーチ3」年間8万人を少しでも減らしたい想い
まず近藤氏が挙げたのは「年間約8万人」という数字。
これについて近藤氏は「2021年における行方不明者の状況」と説明。内訳を見ると、10代~20代、70代~80代が多数を占めている。さまざまな原因や動機があるなかで、疾病関係とりわけ「認知症」を患っている方が22%を占めているという。
今回の、「+Style まもサーチ3」では、小学生(~14歳)や高齢者の行方不明を防ぐことにフォーカスした商品として「スマートプロダクトの力で行方不明を無くしたい」との想いで新製品開発を進めてきたと近藤氏はいう。
「+Style まもサーチ3」では、端末をもつ子供や高齢者などの現在地がわかるさまざまな機能を備えている。
たとえば、専用アプリからは、端末を持つユーザーの現在地や行動履歴を地図上で確認できたり、学校や塾など指定したエリアへの出入りでプッシュ通知がされたりする。また、ユーザーが端末のボタンを押下すると、アプリに現在地を通知する機能を備えており、子供が迎えに来てほしい場面などですぐに親がピックアップすることができるという。
先代モデルから、バッテリー持ちを強化
先代の「まもサーチ2」から、デザインが変更されたほか、電池持ちが改善されている。「バッテリー持ち優先モード」で利用した場合、先代モデルは最大1カ月だったが、今回の「まもサーチ3」では、最大2カ月利用できる。
バッテリー持ち改善について近藤氏は、通信用のモジュールを省電力の物にし、密度が高いバッテリー容量を使用することで、容積を大きくせずにバッテリー持ちの改善ができるようになったと説明する。
他社製品との比較について「通信料は変わらず、端末価格も安く、ノウハウがあるといったところで差別化していく」と近藤氏。「アプリの使用感ではまだブラッシュアップしていく必要がある」としながらも、サイズ感も小さく軽い製品に仕上がっていると、今回の「まもサーチ」をアピールした。
さまざまなシーンで利用できるアクセサリー
専用ケースとして、ラバー素材のケースを10種類ラインアップ。近年発売されているカラフルなランドセルのカラーラインアップに合わせられるよう、ケースを多色展開したと近藤氏は明かす。
また、ソフトケース以外にも、4月以降に順次さまざまな専用ケースを発売する。たとえば、カバンなどにつけてもなじむ革のケースや、自動車向けに磁石で装着できるハードケース、ペット向けには首輪につけられるアタッチメント状のものがラインアップされる。
なお、今回の製品は、プラススタイルのECサイト以外に、ランドセルメーカーのセイバンの「SEIBANスマイルメンバーズ」会員向けの優待販売や、コミュニケーションツールを展開するClassiのサービス「tetoru」ユーザー向けの優待販売を実施する。
まもサーチTag
「より身近な物につけていただける」(近藤氏)という「+Style まもサーチTag」は、Apple(アップル)のAirTagと同様の使い方ができる忘れ物防止タグ。
「まもサーチ3」のように端末自身がモバイル回線を使って位置情報を送信する物ではなく、ユーザーのスマートフォンと通信を行って、置き去りにされそうなタイミング(スマートフォンとの通信が途絶えた場合など)で通知を出したり、そのまま置いてきてしまった場合に「通信が途切れた場所」を確認することができる。
また、AirTagと同じく「Apple Find My」ネットワークを利用できるので、iPhoneやiPadの「探す」アプリを利用して、デバイスの現在位置を探したり、タグから音を鳴らして捜索に役立てることができる。
なお、ウルトラワイドバンド(UWB、超広帯域無線システム)は対応していない。
発売記念キャンペーン
初回在庫分について、3月31日まで発売記念キャンペーンとして特別価格で購入できる。
「まもサーチ3」は通常5280円が1600円割引の3680円、「まもサーチTag」は通常3480円が700円割引の2780円で購入できる。
自治体や学校向けに無償提供
近藤氏は、より多くの方に使ってもらいたいという思いから、数量がまとまった団体向けに1万台を無償提供する。通信料は別途必要。申し込みはメールで受け付ける。1万台に達した段階で提供を終了する。
なぜ「まもサーチ3」は安くなった? 今後の見通しなどを説明
近藤氏は、先代の「まもサーチ2」よりも今回の「まもサーチ3」の方が安価になった(5980円→5280円)理由について「企業努力」とコメント。削れるところを削り、利益を多少圧縮する形で実現したことを明らかにした。
現在のところ「まもサーチ3」とプラススタイルのIoT家電同士で目立った連携機能はないが、今後「ユーザーの行動」をトリガーに家電を動かすといった機能も検討していきたいという。
一方、プラススタイルでは「どこかなGPS」(ソフトバンク)も販売している。それとの棲み分けについて近藤氏は「基本的には同じで特に区別して販売はしていない」とコメント。「メーカーの立場としては(今回の)『まもサーチ3』を推していきたい」としながらも、電池持ちや位置情報の方法などユーザーがスペックを確認して比べてもらいたいとした。
「まもサーチ3」のアピールポイントを近藤氏は「小さいのに電池持ちがいい」ことを挙げた。「子供があまり大きな物を持っていてもしょうがない」とし、サイズ感を売りにしていきたいと語った。