楽天モバイル、イーグルスの試合を想定し5G SAを活用した実証実験

　12月15日、楽天モバイルと楽天野球団は「楽天生命パーク宮城（現：楽天モバイルパーク宮城）」にて、Stand Alone方式の5Gモバイルネットワーク（以下「5G SA」）を活用した実証実験を実施した。

　楽天イーグルスの試合日を想定し、試合情報や選手情報のAR表示やARを活用した新しい応援方法、混雑状況のリアルタイム配信などが検証された。

　今回の実験では、VPS（Visual Positioning System）技術が使用された。VPS技術を用いることで、デバイスの位置情報を高い精度で特定し、任意の位置に正確にARコンテンツを表示することが可能となる。

　このVPS技術と楽天モバイルの5G SAの通信とを組み合わせることにより、精度の高いARコンテンツの表示を実現したという。

　本実証実験用に開発した試合観戦用アプリケーションは、楽天モバイルパートナープログラム加入企業であるDesignium社がサポートした。

楽天イーグルスの試合情報・選手情報をARで確認

　試合観戦用アプリケーションを起動した状態のスマートフォンをスタジアムにかざすと、試合情報や投球実績などの選手情報をARで表示できる。選手のポジションやヒットの打球方向など、遠目にはわかりにくい情報も確認できる。

選手情報（投手）

選手情報（野手）

選手位置

打球方向

　また、AR表示された選手情報のコンテンツは「楽天市場」とも連携しており、気になる選手のユニフォームなどを、「楽天市場」の楽天イーグルスオンラインショップで購入できる。

AR花火を活用した「インタラクティブ応援」でスタジアムの観戦を盛り上げ

　スマートフォン上でスタジアムにいる他のファンと一緒に応援できる「インタラクティブ応援」コンテンツも検証された。試合観戦用アプリケーションでは、自分の好きなタイミングでAR花火をスマートフォンの画面上で打ち上げられる。また、他の人が打ち上げたAR花火も自分の画面上にリアルタイムに表示される。

混雑緩和をめざし混雑状況の映像を配信

　スタジアム内の混雑緩和に向けた検証も実施された。5G SAを活用し、売店エリア付近に設置されたカメラ映像をアプリケーションに配信することで、観客席にいる来場者は、リアルタイムで売店の混雑状況を確認できる。

　またスタジアムスタッフ向けには、AIを活用し行列に並んでいる人数、待ち時間をリアルタイムに推定した解析結果が提供された。

　楽天モバイルは、将来的にはネットワークスライシングの活用によって、より大勢のユーザーのストリーミング配信・解析結果の配信といった複数のユースケースを同時に実施できるようにすることで、来場者が快適に楽しめるスタジアム環境を目指すとしている。