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ドコモ出身の小林史明議員ら、“スタートアップ育成計画”に関する提言を岸田総理に申し入れへ

 自由民主党 新しい資本主義実行本部 スタートアップ政策に関する小委員会は、「スタートアップ育成5か年計画に向けた提言」を取りまとめた。同提言は、岸田文雄内閣総理大臣に申し入れられる。22日に開催された報道陣向けの説明会には、NTTドコモでの勤務経験を持つ小林史明衆議院議員らが登壇した。

小林氏(提供:衆議院議員小林史明事務所)

 「スタートアップ育成5か年計画に向けた提言」は、4月の「スタートアップ・エコシステムの抜本強化に向けた提言」および5月の「新しい資本主義実行本部提言」を踏まえ、有識者へのヒアリングを実施し、政府が策定する「スタートアップ育成5か年計画」に盛り込むべき施策を取りまとめたもの。

 「スタートアップ育成5か年計画に向けた提言」では、社会課題の解決と成長を同時に実現していく「新しい資本主義」において、「スタートアップ」がその鍵を握るとしている。

 説明会で「世界最先端のスタートアップ・エコシステム」を持つと紹介された米国の場合、「SBIR」と呼ばれるスタートアップ向けの補助金や、将来有望なスタートアップの株を持てる「ストックオプション」など、スタートアップを生むための制度が整えられている。

 一方、日本ではたとえば「ストックオプション」が諸外国に比べて活用しづらいなど、スタートアップ関連の人材や資金を動かすためのしくみについて、整備の余地があるという。

 そこで、大きなリスクを取って起業する人や、スタートアップへの投資である「エンジェル投資」を行う人を支援する税制として、“日本版”QSBS(Qualified Small Business Stock)制度などの導入が提案されている。

 また、複雑な関連制度の簡略化などを提案し、スタートアップが生まれやすい環境を整えることで、日本の競争力の向上などにつなげるねらいがある。

 5年後の2027年に向けた目標として、国内スタートアップへの投資額を現状(2021年の0.8兆円)の10倍を超える10兆円にすべく、さまざまな施策を実行するよう働きかけていくとしている。