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グーグルのAIで何ができる? 1000言語への対応や洪水予測など

 グーグル(Google)は、同社の公式ブログにおいて、AI(人工知能)を活用した取り組みを紹介している。「3つの活用法」として、対応言語の拡充や気候変動などへの対応が紹介されている。

1000言語への対応

 グーグルは、世界中で使われている1000の言語をサポートするAIモデルの構築を目指す。

 同社は、世界中で7000を超える⾔語が話されている一方、現在オンラインで⼗分な情報を提供できている⾔語はごくわずかであると紹介。より多くの言語をAIモデルでサポートすることにより、さまざまな人が情報へアクセスできる世界の実現を目指していく。

 この取り組みの⼀環として、400以上の⾔語をサポートするユニバーサルスピーチモデル(USM)も開発された。

 なお、最近では、アフリカの研究者や組織との協⼒により、アフリカで使われている9⾔語の⾳声⼊⼒をGboardで実現するプロジェクトも発表されていた。

気候変動や健康問題への対応

山火事の追跡

 グーグルでは、気候変動への対応でもAIを活用。たとえば山火事に対して、⼈⼯衛星画像を活⽤してAIモデルを学習し、リアルタイムで⼭⽕事を特定して追跡する取り組みを、米国やカナダなどで開始している。

 2022年7⽉以降、米国とカナダで発生した30以上の⼤規模な⼭⽕事をカバー。ユーザーと消防チーム向けの情報が、「Google 検索」「Google マップ」で700万回以上のインプレッションを達成したという。

洪水の予測

 また、洪水の予測にもAIが活用されている。グーグルはインドとバングラデシュ向けに、洪⽔の発生時刻や水深などを予測する取り組みをサポート。2021年には、「Google 検索」「Google マップ」から、1億1500万件の洪⽔警報通知を2300万⼈に送信した。

 今回、ブラジルとコロンビア、サハラ砂漠以南のアフリカ地域、南アジア(スリランカ)にもこの取り組みが拡大される。「転移学習」と呼ばれるAI技術を活⽤し、利⽤可能なデータが少ない地域でも機能するようになった。また、洪⽔が発⽣する可能性を表⽰する新しいモデル「Google Flood Hub」がグローバルで立ち上げられた。

ユーザーの健康を守る

 健康問題への対応としては、⾃動網膜疾患評価ツール(ARDA)を通じて、糖尿病性網膜症スクリーニングへのアクセスを拡⼤する取り組みも進められている。

 ARDAによって、インドやタイ、ドイツや英国などで15万⼈を超える患者のスクリーニングに成功しているという。

AIで創作の支援を目指す

 グーグルの研究者は、テキストから画像を生成するAI「Imagen」「Parti」の開発に取り組んできた。また、テキストから動画を生成するAI「Imagen Video」「Phenaki」を使用し、動画を制作した。

 「Google Play」におけるアプリ「AI Test Kitchen」には、テキストから画像への⽣成テクノロジーが導入される予定。グーグルは、新たなテクノロジーに対するユーザーのフィードバックも受け付けるとしている。