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「J:COM MOBILE」の売れ筋スマホは? 経営方針説明会で語られたこととは

 JCOMは25日、「J:COM 2022年度 経営方針説明会」を開催した。説明会には、同社代表取締役会長の芳賀敏氏と、代表取締役社長の岩木陽一氏が登壇した。

 説明会では、「2021年度の振り返り」や「持続的成長に向けた今後の戦略」といったテーマについて語られた。本稿では、MVNOサービス「J:COM MOBILE」に関する部分を中心にお届けする。

岩木氏
芳賀氏

KDDIの通信障害の影響は

 説明の冒頭で岩木氏は、7月上旬に発生したKDDIの通信障害に伴う、MVNOサービス「J:COM MOBILE」における通信障害について謝罪。「長期にわたって多大なご迷惑をおかけした」とコメントした。

 「J:COM MOBILE」のほとんどのユーザーがKDDIのネットワークを使っており、「通信が利用できない」という声があった、と岩木氏。JCOMでは、KDDIからのタイムリーな情報共有などを受け、ユーザーへの対応にあたっていた。

 今後の対応については検討中であり、MVNO向けの卸契約に基づき、JCOMとKDDIの間でも協議が行われている。

 また、同社広報によれば、今回の通信障害による加入者数への影響はほとんどなかったという。

2021年度の連結業績について

 JCOMの2021年度の連結業績として、営業収益は7981億円で前期比1.6%増となった。一方、営業利益は1095億円で前期比2.4%減という結果になっている。

 これについて岩木氏は、「昨年度と今年度で設備投資がピークを迎えつつあり、減価償却費がかなり大きくなっている。この結果として営業利益が減益という結果になったが、“稼ぐ力”の指標である『EBITDA』は伸びているため、営業利益アップを目指していきたい」とコメントした。

「データ盛」が好評の「J:COM MOBILE」

 モバイル事業の「J:COM MOBILE」では、シニア層もカバーするようなサービスとして、月額500円で遠隔サポートなどが受けられる「おまかせサポート」(モバイル以外のJCOMサービスも対象)を提供している。

 また、アプリ「MY J:COM」について、岩木氏は「昨年度のかなり早い段階で100万ダウンロードを突破した。今年度中に200万ダウンロードを目指していく」と意気込みを語った。

 「J:COM MOBILE」とあわせてJCOMのサービスにも加入することで、データ容量が増える「データ盛」は、ユーザーからの評判も上々のようだ。「サービスの開始以降、『J:COM MOBILE』の獲得件数が飛躍的に伸びた」(岩木氏)。

 なお、「楽天モバイルの新料金プラン発表に伴う、加入者数の影響は」という質問に対して岩木氏は、「『J:COM MOBILE』の販売はオンラインもあるが、基本的には対面販売が多い。オンラインでの販売には多少影響があったかなと思うが、全体における(オンラインの)比率は高くないので、それほど大きな影響ではない」と回答した。

 「J:COM MOBILE」では7月に、シャープ製のAndroidスマートフォン「AQUOS wish」を発売。これに関連する質問として、「『J:COM MOBILE』におけるスマートフォン端末ラインアップに関する考え方は」というものがあった。

 これに対して岩木氏が回答し、「キャリアさんほどではないが、我々のなかでもラインアップをそろえていくという考えはある。昨年度からiPhoneのマイナス1のモデル(最新モデルの一世代前のモデルのこと)を提供できるようになり、iPhone 12と、入荷はないがiPhone SEを取り扱っている」とコメントした。

 同氏は続けて、「それとあわせて、低価格帯のAndroidスマートフォンも、ユーザーからの引きが強い。『Galaxy A21』を数カ月間取り扱ってきたが、在庫がなくなってきたということで、『AQUOS wish』を取り扱うことになった」と語った。

年平均成長率4%以上を目指す

 JCOMは、カーボンニュートラルへの取り組みなどを含む「サステナビリティ経営」のもと、DX(デジタル・トランスフォーメーション)なども推進し、CAGR(年平均成長率)4%以上の成長を目指していくとしている。