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J:COM、「5Gサービス開始」「STBでオンライン診療」など新規事業で成長を図る
2021年6月9日 16:06
コロナ禍で、非対面によるサポートを強化
同社代表取締役会長の井村 公彦氏は、2020年度の振り返りとして「コロナ禍における対応」についてコメント。営業面やカスタマーサポートでは、オンラインを中心とした非対面による体制を整えたという。
同社の営業面では、オンライン営業ツールを導入、カスタマーセンターでは、在宅で問い合わせを受けられるように対応した。
また、機器の設定や設置について、工事を希望しないユーザーに向けては、ユーザー自身による機器の設置設定を行えるよう、解説動画の拡充や、作業が完了できなかったユーザーのサポート体制を構築し、実際に多くのユーザーが自身での設置設定を選択しているという。
コロナ禍においては、ほかにも家庭でのオンライン学習に向けた「ギガスクールプラン」の提供、地域ごとに編成する独自チャンネル「J:COMチャンネル」でワクチン接種の接種券の発送状況や予約方法、受付状況など、地域ごとにきめ細やかな関連情報を放送している。
今後も、自治体などとの連携を強化しながら地域メディアとして情報発信に努めていくとしている。
J:COM TVではこのほか、地域に密着した番組や、地上波放送では実現が難しい長時間編成のスポーツ番組など、テレビの視聴時間が伸びる傾向にあるコロナ禍に対応していく。
また、テレビだけでなくタブレットやスマートフォンなどでも番組を視聴できるオンデマンドサービスや、ネット動画を大画面で見れるセットボックス「J:COM LINK」やセットプランなど、ユーザーニーズに合わせたサービスを展開していくとしている。
ネットワークを増強
年々増加してきたネットトラフィックの状況が、2020年以降に大幅な増加傾向となっており、在宅勤務や遠隔授業などのニーズでより安定したインターネット環境が求められていると井村氏は指摘する。
同社では、トラフィック増量に対応するため、トレンド予測による事前の設備増強を行うほか、ユーザー宅のWi-Fi環境の改善のため「J:COM メッシュWi-Fi」を提供し、双方でのネット環境改善を図っていく。
2020年度決算と社名変更
2020年度の連結業績は、営業利益が7857億円(前年度比+0.4%)、営業利益が1122億円(同+1.1%)、純利益が672億円(同+5.2%)となった。
また、7月1日にこれまでの「ジュピターテレコム」から「JCOM」に社名を変更する。社名変更の経緯として井村氏は「フレッシュな気持ちで臨もうとの思いがある。JCOMとジュピターテレコムという2つの名前が並列するのは、ユーザーへのメッセージが2通りいってしまうという懸念があり、(社名変更で)解消したい」とコメント。
なお、新社名に「:(コロン)」がつかない理由は、「コロンが登記に使用できないため」(井村氏)とのこと。
中期計画ではセットボックスのコアデバイス化やネットワーク増強など
同社代表取締役社長の石川 雄三氏からは、2024年度までの中期経営計画が披露された。
コロナで加速する事業環境の変化を捉え、ケーブルテレビやインターネットなどの既存事業は深化させ、ローカル5Gやオンライン診療など新規事業の深索を図っていく。
たとえば、先述の「J:COM LINK」ではこれまでの「映像視聴」という枠を超え多様なアプリに対応し「オンライン診療デバイス」などセットボックスの枠を超えたコアデバイスに進化させるという。
また、ネットワークについて、幹線を2024年度までにほぼすべてを1ギガ化するという。
MVNO事業では5Gサービスと新端末を発表
MVNO事業「J:COM MOBILE」では、8月25日から5Gサービスの提供を開始し、あわせて5G対応スマートフォン「AQUOS sense5G」を同日に発売すると発表した。
石川氏は、「まずは、高速の通信を実現して提供したい。MVNOで高速な通信自体は5Gで実現をしていくが、使い放題サービスは現時点ではなかなか難しい。まずは高速通信を実現すること」と5Gサービス開始の目的をコメントし、料金プランは変更せず、SIM交換も不要で利用できる。