世界初「O-RAN準拠の5G SA仮想化基地局によるデータ通信」に成功、KDDI・富士通・サムスンの3社

　KDDIとサムスン電子、富士通は2月18日、世界で初めてとなる「商用ネットワークに接続するオープン化した5Gスタンドアローン（Stand Alone、SA）の仮想化基地局」によるデータ通信に成功した。

　今回の仮想化基地局は、O-RAN標準に準拠しオープン化されたサムスン電子の無線制御装置「Distributed Unit（DU）」「Centralized Unit（CU）」と、富士通の無線装置「Massive MIMO Unit（MMU）」で構成されている。

基地局イメージ

　従来の専用ハードウェアを用いた基地局に対し、今回の基地局では汎用的なハードウェアを使用し、ネットワーク機能はサムスン電子の完全仮想化されたソフトウェアで実現している。また機器間のインターフェイスをオープン化することで、サムスン電子と富士通の装置同士、異なるベンダーによる構成が組まれている。

　また、仮想化された基地局に対してネットワークスライシング機能やマルチアクセスエッジコンピューティング（Multi-access Edge Computing、MEC）など、ユーザーの利用用途に合わせた高度な通信サービスを柔軟かつ迅速に提供できるほか、オープン化することで安全性と信頼性を確保できるという。

　基地局の展開に関しても、全国で共通化した汎用のハードウェアを利用できるため基地局建設の効率化や、基地局の設定作業短縮が図れる。

　KDDIは、今回の仮想化基地局を2022年度に一部地域から展開する。また、三社は今後もオープン化と仮想化に対応した基地局の開発を推進していくとしている。