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京大や東北大、IIJなど、大学生がほかの大学を訪れてもすぐネットワークに繋がる技術を研究へ

 「A大学の学生が、B大学を訪れた際、A大学から発行されたSIMの情報を用いてB大学の学生向け通信ネットワークにつなげるようにする」――そんな利用スタイルを実現するための、新たな研究開発が始まった。

 研究に携わるのは、京都大学 学術情報メディアセンター、Local24、東北大学 サイバーサイエンスセンター、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)の4者。実装に向けてIIJやアイ・オー・データ機器も協力する。

 情報通信研究機構(NICT)のプログラムに採択されたことで研究が進められることになった。

 SIMカードを使い、公衆Wi-Fi(公衆無線LAN)にログインする仕組みはすでに実現しているが、研究では、SIMを使った認証と一元化された認証を、Wi-Fiへのローミングで実現する技術「PassPoint」と、国際的な公衆Wi-Fiローミングの枠組み「OpenRoaming」を組み合わせる。これによりSSIDに関わりなく、ローミングの提携相手(パートナー)かどうか、そして認証タイプをチェックして自動的に繋がるようにする。

 このほか、岡山大学と連携して、通信状況におうじて、Wi-Fiとモバイル通信を使い分けるため、トランスポートプロトコル「QUIC」のmultipath拡張を用いて、そのときどきに応じて通信経路を選ぶ仕組みも研究する。