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富士通やIIJなど「5Gの中核技術」国産化と低コスト化に成功

 東京大学大学院工学系研究科、インターネットイニシアティブ(IIJ)、APRESIA Systems、富士通は、Gコアネットワーク(5GC)の国産および低コスト化に成功したと発表した。

 経済安全保障の観点や市場競争から日本企業・研究者が主体的に使える製品が課題だった、として、今回、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)開発事業の委託により、「Local5G/6Gモバイルシステムのオープンソースソフトウェア開発」として2年にわたり、開発された。

 5GCは、携帯電話ネットワークの制御などを担う。その特許技術の多くは中国を中心とした海外メーカーが保有する。

 NEDOの事業では、より小規模なローカル5Gでも活用できる5GCソフトウェアを目指しており、今回成功した5GC技術は、オープンソースソフトウェア(OSS)の「free5GC」をベースにしている。

 一般的に、OSSは、透明性が高い一方で、商用に向けた機能が足りない、あるいはスペックや安定性の検証が十分にできていないといった課題があるという。そこでIIJが「free5GC」に機能を追加。富士通やAPRESIAが性能アップや、安定性を検証し、商用製品として使えるレベルに引き上げた。

 また、開発成果を社会に還元する「オープンさ」による協調領域と市場で優位さを保つための「クローズド」な部分を設定する競争領域による、「オープン・クローズド戦略」が定義されている。協調領域については、free5GC開発チームにも改善箇所がフィードバックされているとのこと。

 今後、富士通やAPRESIAがローカル5Gシステムとして、今回の成果を活用していく。IIJも、複数のローカル5GネットワークとMVNOとして提供する5Gサービスをローミングで利用できるサービスの開発を目指す。

富士通、APRESIAが提供するサービス像
IIJが目指すサービス像