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IIJ、エッジコンピューティング環境の実証実験を開始

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、白井データセンターキャンパスの敷地内にマイクロデータセンター(以下、MDC)を屋外設置して、エッジコンピューティング基盤として実用化するための技術検証を行う実証実験を開始した。

 本実証実験では、屋外環境に設置したMDCの設備的な性能、自律運転シナリオの検証と白井DCC内のデータセンターインフラ管理システム(DCIM)から遠隔での監視・運用の検証を行う。

 現在、DX推進に向け、企業や官公庁のIT基盤がクラウドへシフトする流れが加速する中で、ネットワークやクラウドでのデータ処理コストやエッジコンピューティングの需要も広がっている。

 なお、エッジコンピューティングとは、IoT機器などのエッジデバイスそのものや、その近くに設置したサーバーでデータ処理・分析を行う分散コンピューティングの概念のこと。今後は5G+エッジコンピューティングの特長を生かしたスマートファクトリーや遠隔医療、自動運転などの実用化も期待されており、それが今回実験が行われる背景としてある。

 また、デジタル・IT基盤は、クラウドとオンプレミスのハイブリッド利用、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングの組合せといった適材適所の複合的な利用が進むとも考えられている。

 本実証実験で、たとえば、IoT機器や生産現場を自動化するFA機器などのエッジデバイスと物理的に近い場所にMDCを設置して、超低遅延が求められるデータ処理や、セキュリティ上の制約がある環境でのエッジコンピューティング基盤として利用される。あわせて、ユーザーの拠点に設置することで、オンプレミスの小規模マシンルームとしての利用も期待されるという。

 同社は、ユーザーがMDCを活用してエッジコンピューティング環境を短期間で容易に構築、運用できるソリューションを開発し、2021年度中に提供開始する予定としている。