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政府の「デジタル田園都市構想」、総務省はどんな取り組みをする?

令和3・4年度で総額約2.1兆円の予算案を取りまとめ

 総務省は、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けた当面の具体的施策について予算案を取りまとめ、その内容を公開した。

 総務省が取り組む事業は、4つのカテゴリーに分類される。1つ目はデジタル基盤の整備、2つ目はデジタル人材の育成・確保、3つ目は地方の課題を解決するためのデジタル実装、4つ目は誰一人取り残されないための取組にそれぞれ分類され、カテゴリーごとに具体的な取り組みが明かされた。

総務省が公開した資料

 予算案では、一定の5G設備投資に関する税額控除や特別償却などが行える、いわゆる「5G税制」について、適用要件などの見直しを図った上で、延長する方針が含まれている。

デジタル基盤の整備(総額約2兆531億円)

 デジタル基盤の整備に関する取り組みでは、総額で約2兆531億円が予算案に盛り込まれた。

 具体的な内容は、5G等の情報通信インフラの早期展開、光ファイバーのユニバーサルサービス化、データセンターや海底ケーブルの地方分散、マイナンバーカードの普及促進、自治体システムの標準化や共通化などがあげられる。

 携帯電話などのエリア整備事業では、地方におけるデジタル実装に必要な5G情報通信インフラを加速化する目的で、過疎地などインフラシェアリングの活用を含めて、5G基地局整備を推進する。

 光ファイバーのユニバーサルサービス化には、地方活性化や、地方と都市の差を縮めることに繋がる、地方における光ファイバーなどの整備を促進する。

 マイナンバーカードの普及促進では、カード所有者の転出・転入手続きのワンストップ化促進やマイナポイント第2弾を実施し、マイナンバーカードの普及率の向上や、カードによる行政手続きの効率化を目指す。

 このほか、インターネットトラフィック流通効率化などを促進する事業、多数の機器が存在する環境下におけるローカル5G技術実証などが含まれている。

デジタル人材の育成・確保(約14億円)

 デジタル人材の育成・確保に関連する取り組みでは、国家公務員・地方公務員における統計人材の育成、ナショナルサイバートレーニングセンターを強化し、国や地方公共自治体および独立行政法人などを対象にしたサイバー防御演習の実施が含まれる。

地方の課題を解決するためのデジタル実装(約157億円)

 ローカル5G実装では、地域の課題解決に資するローカル5Gについて、その柔軟な運用を可能とする技術基盤の策定や、多様なローカル5Gソリューション創出を支援し、地方活性化に貢献する。

 デジタル化による消防・防災の高度化は、災害時に被害情報を自動収集・自動集計することで、迅速かつ適確な災害応急対策の実現を目指す。

 その他、郵便局におけるマイナンバーカード利活用推進事業、テレワーク普及展開推進事業、消防訓練におけるDX促進などの取り組みが予算案に含まれた。

誰一人取り残されないための取組(約37億円)

 デジタル活用支援推進事業の講師を、携帯電話ショップなどが身近にない地域を含め、全国的に育成・派遣する仕組みを構築し、オンライン行政手続き等のスマートフォンの利用方法に対する助言や相談などの対応支援を行う講習会を、全国で実施する。