ニュース

KDDIとauじぶん銀行の金融事業概況と新サービスを発表、au PAYの加盟店施策は「決まり次第発表」

 KDDIとauフィナンシャルホールディングス、auじぶん銀行は26日、金融事業の新サービス発表会を実施した。

 発表会には、auフィナンシャルホールディングス 代表取締役副社長兼auじぶん銀行代表取締役社長の臼井 朋貴氏とKDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 金融決済ビジネス部の長野 敦史氏が登壇し、KDDIグループの金融事業概況と新サービスを説明した。

左からKDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 金融決済ビジネス部の長野 敦史氏と、auフィナンシャルホールディングス 代表取締役副社長兼auじぶん銀行代表取締役社長の臼井 朋貴氏

KDDIの金融事業概況

 KDDIの長野氏は、まずau経済圏の成長戦略について説明。長野氏は「au経済圏では、通信サービスに加えて1500万超のauスマートパスユーザーと3300万超のau PAYユーザーとの接点を構築し、eコマースや電気、金融など、さまざまなサービスで流通量の拡大を目指している」とコメント。そのなかで、「複数サービスをまたがって利用する」ユーザーには「ポイント制度」が非常に重要な役割を果たしていると指摘する。

 このau経済圏のなかでも、特に成長著しいのが「金融事業」だとし、KDDIでも2019年から「auフィナンシャルグループ」を設立し、スマートマネー構想を掲げ、スマホ決済や銀行、クレジットカード、保険などさまざまな領域を、スマホで安心安全に利用できる環境をつくってきたと説明する。

 主要サービスの概況では、au PAY会員数とau PAYカードの総数では3300万ユーザーを達成、auじぶん銀行口座も440万超、auカブコム証券の口座数も130万口座を突破した。

 好調な要因として「ほかのサービスとの連携」を長野氏は挙げる。

 たとえば、au PAYゴールドカードの場合、通信料金で最大11%還元など、KDDIのほかのサービスでのポイント還元率を改定したところ、発行数が大幅に増加したという。

 このほか、「au PAYの自動チャージ機能」や「au PAYポイント運用」などの施策を実施し、全体の決済金融取扱高は2018年度4.4兆円だったものが2020年度には9.0兆円まで成長した。

 ユーザー推奨度(NPS、Net Promoter Score)に関しても、単一サービスユーザーより複数サービスユーザーの方が高い傾向にあり、複数の金融サービスとの連携で、NPSの向上にも寄与していると長野氏は指摘する。

auじぶん銀行の新サービス

 auじぶん銀行の臼井氏は、auじぶん銀行の新サービスを説明した。

これまでの施策

 auじぶん銀行では、複数のKDDIサービス利用者に向けた金利優遇施策や手数料引き下げなどを実施。

 たとえば、住宅ローンではauユーザーを対象に金利「住宅ローンau金利優遇割」を実施している。

 「住宅ローンau金利優遇割」は、国内初の金融と通信をかけ合わせた優遇金利として3月に提供されたもの。auでんきと2回線以上au回線を契約するユーザーにあわせて最大年0.1%金利を引き下げる。これらの金利優遇策を利用した住宅ローン残高も年々上昇していると説明する。

 このほか、カードローンでは、au IDユーザーを対象に最大年0.5%の利息優遇施策、auカブコム証券との連携で円普通預金の金利優遇施策などを実施している。

 また、振込手数料を10月1日から99円に引き下げる。「10月から、銀行間手数料が値下げになる分をユーザーに還元する」(臼井氏)とし、業界で100円を切る手数料は初めてだと説明する。

8月30日から、au PAY残高→auじぶん銀行の自動払出機能をリリース

 8月30日から、au PAY残高→auじぶん銀行の自動払出機能をリリースする。これまでauじぶん銀行→au PAYでの残高移動ができていたが、30日以降双方向で実施できるようになる。手数料は無料。

 会見では、自動払出機能の使い方として「ポイントをau PAY残高にチャージし、この残高を預金口座や証券で運用できる」(臼井氏)ことや「『月の予算』を決めている人が、月初めに一定金額を口座→au PAY残高にチャージし、月末に余った残高をau PAY残高→口座に払い出すことで予算に合わせて利用する」(長野氏)使い方が紹介された。

9月から、au PAYとau PAYカードユーザーで金利優遇

auじぶん銀行は9月1日に、金利優遇施策「auまとめて金利優遇」に新たに「au PAY」と「au PAYカード」を追加する。

 au PAYでは、アカウントと口座を連携することで、円普通預金の金利が年+0.05%優遇される。

 また、au PAYカードでは引き落とし口座にauじぶん銀行口座を指定すると、円普通預金の金利が年+0.05%優遇される。

 既存の「auカブコム証券との口座連携で年+0.099%」と通常金利年0.001%を組み合わせると、最大で業界最高水準の年0.20%の金利となる。

 また、この金利優遇施策の開始に伴い「最大5万円が当たる」キャンペーンを実施する。期間は9月1日~30日まで。

 au PAYをauじぶん銀行口座に連携させているユーザーが対象。銀行口座からau PAY残高に期間合計1万円以上チャージしたユーザーを対象に抽選を実施し、3万人に100円、500人に1000円、30人に1万円、20人に5万円を進呈する。

au PAYの新たな加盟店拡大施策は「決まり次第発表」

 PayPayは19日、スマホ決済サービスPayPayは中小企業向けの新たな手数料体系を発表した。また楽天ペイメントは25日に、楽天Payも中小企業向けに1年間手数料無料施策を発表している。

 au PAYとして対抗策の予定を問われたKDDIの長野氏は「コロナウイルスの影響も続いており、加盟店様も大変ご苦労されていると言う状況を鑑みながら、これまでも対応策について検討してきている。詳細は決まり次第、早期に発表をさせていただきたいというふうに考えている」とコメントした。