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ツイッタージャパンの中の人が語る、Twitter×東京オリンピックについて

 ツイッタージャパン(Twitter Japan)は、開催を直前に控えた東京オリンピック・パラリンピックに関して、メディア向けのオンラインラウンドテーブルを開催した。

 ラウンドテーブルで紹介されたのは、同社の取り組みや、大会期間中に提供予定のコンテンツなど。本記事では、その様子をお届けする。

スポーツとTwitterの親和性とは

 はじめに登壇したのは、Twitter Japanのオリンピック統括責任者であるピエール・モリヤマ(Pierre Moriyama)氏。同氏は、「スポーツとTwitterの相乗効果と期待値」というテーマでプレゼンテーションを行った。

ピエール・モリヤマ氏

 モリヤマ氏は、Twitterが「スポーツ観戦時に最も使われているプラットフォーム」であることを強調する。試合を会場で観戦しながら解説コメントなどをチェックしたり、テレビ観戦しながらほかのユーザーと感想を共有したり、スポーツ観戦とTwitterの親和性は高い。

 今回の東京オリンピックは無観客開催となったが、たとえテレビ中継から熱量を感じられなくても、Twitter上でのコミュニケーションを見ることで、興奮を分かち合うことが可能になる。

 モリヤマ氏によれば、Twitter上のスポーツファンは活発にTwitterを活用しており、毎日のような頻度で投稿やシェアをしているユーザーも多いとのこと。「スポーツはリアルタイム性が重要であり、リアルタイム性と親和性の高いTwitterというプラットフォームが、特にスポーツファンには好まれている」と同氏は分析する。

 また、Twitter上でのコミュニケーションは、ほかのメディアにも波及しやすいという特性がある。モリヤマ氏はその例として、米国のトランプ大統領のツイートが、日々メディアに取り上げられていたことを挙げている。

 過去の大会に引き続いて今回のオリンピックでも、IOCは選手に対してソーシャルメディアの活用を推奨している。そのため、多くの選手の生の声をTwitter上でチェックできそうだ。600人弱の日本選手団の中で、すでに400人近くがTwitterアカウントを開設済みであるという。

 また、JOCの協力もあり、日本選手団メンバーへの必須研修として、Twitter活用の講義がJOCアプリ内で展開されている。

リオデジャネイロオリンピックとの比較

 選手の声に加えて、多くのファンの会話がTwitter上で交わされるオリンピック。2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックの場合は、「Rio2016」というハッシュタグを使ったツイートが、全世界で1億8700万回ツイートされた。

 そして今回は、「オリンピック」「五輪」という言葉を使った日本でのツイートが、昨年7月から今年6月までで5100万ツイートあったという。モリヤマ氏は、この数字がまだ大会前のものであることを踏まえ、「ツイート数は前回(リオ五輪)の数字を大幅に上回る」と予想する。

2019年のラグビーワールドカップのデータは?

 同氏が最後に披露したのは、2019年のラグビーワールドカップに関するツイートのボリュームデータ。大会前は控えめだったツイート数は、大会開幕後に一気に跳ね上がり、大会前の約40倍に。さらに、最も盛り上がりを見せたスコットランド戦に関しては、100万近いツイートが発生した。

 ラグビーワールドカップとの比較で、複数の競技が同時に行われるオリンピックの場合は、ツイートボリュームもより大きくなることが予想される。モリヤマ氏は、「盛り上がりを可視化できるのがTwitterというプラットフォームなので、大会期間中は(Twitterに)ぜひ注目していただきたい」とコメントした。

Twitterの機能や、大会中に提供予定のコンテンツについて

 続いて登壇したデイヴィッド・コービン(David Corbin)氏は、Twitter JapanでAPACのキュレーションを担当している。同氏が紹介したのは、Twitterの機能や、大会中に提供予定のコンテンツだ。

デイヴィッド・コービン氏

 コービン氏のチームは、「なぜこのツイートがトレンドになっているのか」「人々は何を語っているのか」などを分析し、その背景情報を提供している。

 コービン氏は、東京オリンピックで提供予定のコンテンツについて、「それぞれのユーザーに最適なコンテンツを提供する『コンテンツの関係性』や、競技が盛り上がっている最中にコンテンツを提供する『タイムリー性』などのコンセプトが大切になる」と語る。

 コンテンツの具体例のひとつとして、新しく東京オリンピックのタブがTwitter上で公開される。コービン氏は、「公開日程はまだ決まっていないが、来週中に公開予定」とコメントした。

 また、イベントページでは競技ごとのツイートを表示するほか、動画コンテンツなどの提供も予定している。トピックスでは、注目選手や注目競技などに関するツイートを、ユーザーのタイムラインに自動的に表示する。

 こうした機能は、オリンピックだけでなく、パラリンピックでも提供される見込み。