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ヤフー、「Yahoo!」ライセンス、ロイヤリティ料なしに

 ヤフーは、「ヤフージャパン ライセンス契約」に関する基本契約を締結したと発表した。「Yahoo!」「Yahoo! JAPAN」のロイヤリティ料の支払いがなくなるという。

 今回、ヤフーが締結した基本契約は、「Yahoo!およびYahoo! JAPANに関連する日本での商標権の取得」「従来の技術ライセンス対象一式を永久に利用する権利と関連するサポートの取得」「ZHDグループ内での日本におけるブランド使用および技術の利用」「『ヤフージャパン ライセンス契約』の終了」という4項目がある。これらの対価は1785億円になり、米アポログローバルマネジメントへ支払われるという。先述した通り、ヤフーブランドのロイヤリティの支払いが今後なくなる。

 今春、親会社のZホールディングスとLINEが経営統合したヤフーでは、2019年の経営統合発表時にも「ライセンスの問題で海外進出できない」(Zホールディングス社長の川邊健太郎氏)と語られるなど、米国からブランドのライセンスを受けていることから、日本国内に限定する形でサービスを提供せざるを得ない状況にある。今回の契約はあくまで日本国内に限られる内容で、ヤフー社がYahoo!ブランドで海外へ展開できない状況に変わりはない。

 米国発祥のYahoo!ブランドについては、米国の通信事業者であるベライゾンが2017年、AOLとYahoo!事業を統合し、Oath社を設立。今年5月には、投資会社のアポログローバルマネジメント(Apollo Global Management)がOathを含むベライゾンのメディア事業を買収することが発表されていた。アポロによる買収は2021年後半に完了する予定で、今回の基本契約はアポロによる買収が完了することなどが前提条件となっている。