アップル「iOS 15」のヘルスケア、今度は「歩行安定性」

　アップル（Apple）が発表した新OS「iOS 15」には、ヘルスケアに関する複数の新機能が追加される。iOS 15では、ユーザー自身の健康データを家族やパートナーと共有する機能や、「歩行安定性」を計測する機能が利用可能になる。

データの共有機能

　iOS 15の「ヘルスケア」アプリには、新しく「共有」タブが追加される。これにより、活動量や心臓の健康データを、プライバシーが保護された状態で他のユーザーと共有できる。データは暗号化されており、アップルが個人のデータにアクセスすることはできない。

　共有されたデータは、重要なポイントや変化が強調された状態で表示される。米国のユーザーは、対応医療機関の医師に対し、「ヘルスケア」アプリ内のデータを共有することもできるようになる。

データの変化を分析する機能

　「ヘルスケア」アプリに、安静時の心拍数や睡眠データをはじめとした、20種類のデータのトレンド分析機能が追加される。ユーザーは、自身の健康に関するデータがどのように変化しているのかをチェックできる。

　また、オプションの通知機能を利用すると、目標の数値に近づいたときなどに通知を受け取れる。

「歩行安定性」の計測機能

　iPhoneに組み込まれたモーションセンサーを利用して、歩行時のバランスや安定性などを評価する機能が追加される。評価は「OK」「低い」「とても低い」の3段階に分かれており、評価が「低い」または「とても低い」となった場合に通知を受け取ることもできる。

　同機能では、10万人以上のデータが含まれるデータセット「Apple Heart and Movement Study」が活用されている。同データセットは、転倒リスクの研究に使用された中で最大のデータセットになるという。

その他

　iOS 15の「ヘルスケア」アプリには、予防接種の記録や検査結果を直接アプリに保存するオプションがある。ユーザーは、新型コロナウイルスの予防接種の結果などを記録できる。

「watchOS 8」の新機能

　Apple Watch向けの新OS「watchOS 8」では、睡眠時の1分間あたりの呼吸回数を計測できるようになる。また、マインドフルネスのアプリケーションも追加される。