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花王、スマホの動画から歩行動作を解析する新技術

 花王は、スマートフォンなどで撮影した2次元の動画から、3次元の歩行動作を解析できる「mGCC(mobile Gait Change Capture、エムジック)技術」を開発した。

 まずは幼児の歩行動作解析へ応用し、今後は高齢者の歩行支援などへの展開も目指す。

時間や場所を問わず歩行動作の解析が可能に

 花王は、ベビー用の紙おむつ開発の一環として、幼児の歩行動作解析に関する研究を実施してきた。また、成人の歩行動作を解析するシステムも開発し、3万人以上の歩行データをもとにした研究を進めている。

 動作解析の研究で用いられるモーションキャプチャ技術には、3次元の歩行動作を正確に解析できるメリットがある一方、複数の赤外線カメラが必要になるなど、場所や時間に制約があった。

 そこで花王は、今回のmGCC技術を開発した。同技術は、スマートフォンなどのカメラで撮影した2次元の動画に関して機械学習を行い、人体の骨格点の動きを3次元データとして算出する。

高精度な幼児の日齢推定に成功

 花王は、十条こどもクリニックや順天堂大学大学院などの協力を受け、モーションキャプチャ技術とmGCC技術のそれぞれを用いて、歩行データから幼児の日齢を推定する実験を実施した。

 その結果、モーションキャプチャ技術から得られた推定日齢は実日齢と高い相関関係があり、測定精度の高さが実証された。

 そしてmGCC技術から得られた推定日齢は、モーションキャプチャ技術から得られた推定日齢と高い相関関係があり、両者はほぼ同等の精度で日齢を推定できることが実証されている。