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米司法省がグーグルを提訴、独占禁止法違反で

大型訴訟は1998年マイクロソフト以来

 米司法省と11州は20日、米グーグルを独占禁止法(反トラスト法)違反でワシントンの連邦地裁に提訴したことを発表した。グーグル検索や検索広告において、独占的な立場を維持するために、競争を阻害しているとしている。

 訴状では、グーグルがスマートフォンにほかの検索エンジンをプリインストールしないよう要求したり、自社アプリを削除できないようにしたり、アップルとWebブラウザの標準の検索エンジンをグーグル検索にするという契約を結び、ユーザーが検索エンジンを通してインターネットにアクセスする手段を独占していると主張している。

 また、グーグルは米国の検索シェアの約90%、モバイル検索シェアの約95%を握っていることも指摘している。

 グーグルは「消費者の助けにならない、ひどく欠陥のある訴訟」として強く反発し、同社の公式ブログで訴状で挙げられた問題点に対し反論している。ユーザーがグーグル検索を利用するのは、強制されたり、代替手段が見つからなかったりするためではなく、利用することを自ら選択したからだとしている。

 Safariの場合、設定で検索エンジンを変更するのは容易であり、iOS 14ではさまざまな検索エンジンのウィジェットを追加できる。Windowsデバイスであれば、標準の検索エンジンはBingであり、グーグルのブラウザはプリインストールされていないと説明している。

 Androidデバイスでは、通信事業者やメーカーとプロモーション契約を締結することでAndroid OSを無料で提供しているため、ユーザーが携帯電話に支払う金額を直接下げることができるとしている。同社によると、これらの契約があっても競合するアプリやアプリストアをプリインストールすることがよくあるとし、人々がグーグル以外の好みのサービスを選択して利用できるようになっているとしている。

 司法省は、今回のグーグルに対する訴訟は、1974年のAT&Tおよび1998年のマイクロソフトに対する訴訟以来の、歴史的な独占禁止法違反での提訴になるとみている。なお、1998年のマイクロソフトに対する訴訟では、マイクロソフトが市場における独占的な地位を利用し、Internet Explorerの抱き合わせ販売を行っていたことが問題視され、一時は会社分割命令が出る事態に発展していたが、その後2002年に両者の和解が成立している。