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レノボ、折りたたみディスプレイ搭載の「ThinkPad X1 Fold」10月13日発売
2020年9月29日 11:00
レノボは、有機ELディスプレイを利用した折りたたみディスプレイ搭載のパソコン「ThinkPad X1 Fold」を10月13日に発売する。価格は36万3000円より。
世界で100万台以上を販売する大手メーカーのパソコンとしては、世界初の折りたたみパソコンになる。
「ThinkPad X1 Fold」は、13.3インチの有機ELディスプレイを搭載した本格的なモバイルパソコン。本体を折りたたむことで、約半分のサイズで持ち歩くことができるコンパクトサイズを実現している。カーボンファイバーを採用したボディは、約973gと軽量で、背面側には革製のカバーを備え、折りたたんだ状態では手帳や本のように、手に携えることができる。
本体の初期導入済みOSは64bit版Windows 10。プロセッサーはIntel Core Processor with Hybrid Technology(開発コード名:LakeField)を採用。8GBのオンボードメモリー、512GBのSSDを本体に搭載する。ディスプレイは2048×1536ドット表示が可能なQXGA対応OLED(有機EL)ディスプレイで、ワコムのペンタブレットの技術を応用した付属の「Lenovo Mod Pen」を使ったペン入力にも対応する。バッテリー駆動時間はJEITA2.0による測定値で、11.7時間となっている。
本体にはUSB Type-C 3.1(Gen 1)を2つ備え、Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax準拠のインテルWi-Fi 6 AC200を搭載する。Bluetooth 5.0にも対応する。
5G対応モデルも
CTOモデルでは5Gネットワーク対応の通信モジュールを選ぶことができ、本体にnanoSIMカードを装着して利用する。
5Gのエリア外では4G LTEのネットワークでも利用できる。
10月13日かは販売されるのはWi-Fiモデルで、5Gモデルは後日発売される。価格はWi-Fiモデルが36万3000円からとなっている。
1台ですべてをかなえるデザイン
有機ELの特長を活かし、パソコンとしては世界初の折りたたみデザインを実現した「ThinkPad X1 Fold」は、利用状況に応じて、スタイルを変化させることで、1台でさまざまな利用シーンに活用できる。
ランドスケープモード
まず、本体をフルに開き、背面のキックスタンドで机の上などに立てた状態は、「ランドスケープモード」と呼ばれる。
付属のBluetooth接続のLenovo Foldミニキーボードと組み合わせることで、13.3インチのディスプレイを搭載したパソコンとして、効率良く作業をすることができる。
ポートレートモード
キックスタンドをたたみ、本体を拡げた状態は、「ポートレートモード」と呼ばれ、13.3インチの大画面タブレットとして使うことができる。
プレゼンテーションなどで相手といっしょに画面を見ながら、打ち合わせをするときなどに役立つ。
ミニクラムシェルモード
次に、本体を途中まで折り曲げた「ミニクラムシェルモード」では、上下に分割した状態で画面が表示され、複数のアプリを同時に利用するなど、マルチタスクを活かした使い方ができる。
たとえば、上の画面でビデオ通話をしながら、下の画面でメモを取ったり、Webページを確認するといった使い方が可能。
ミニクラムシェルモードの状態で、下の画面側にLenovo Foldミニキーボードを載せると、マグネットで固定され、自動的にワイヤレスで本体側から充電される。
このとき、Windowsは下の画面に表示されていたタスクバーは、独自開発のLenovo Modeスイッチャーにより、自動的に上側の画面の最下部に表示が切り替わるしくみとなっている。本体を折りたたむときは、そのまま、付属のLenovo Foldミニキーボードを内側に挟んだ状態で折りたたみ、キーボードを格納する。
ブックモード
ミニクラムシェルモードと同じように、本体を少し開いた状態で、90度、向きを変えると、「ブックモード」になる。
左右の画面に別々のアプリケーションを表示して、マルチタスクで利用したり、電子書籍などが読みやすい状態になる。
大和研究所で設計
今回、発表されたThinkPad X1 Foldは、日本の大和研究所で、約5年間、開発が続けられてきたもので、ThinkPadシリーズとしての堅牢性なども考慮された設計となっている。
本体にはピッチ系カーボン素材が採用され、背面のヒンジには日本の三軸織物をヒントに開発された構造を採用する。
薄型ボディでも効率良くCPUを冷却できるように、寄木細工をヒントに、ヒートパイプとヒートシンクを組み合わせ、本体基板に組み込んでいる。
ちなみに、本体の折りたたみ回数は最低3万回の開閉に耐えられるように設計されているが、実際にはさらに多くの回数、開閉ができるとしている。レノボとしてはThinkPad X1 Foldで、パソコンで「FOLD」という新しいカテゴリーを確立したいとしている。
項目 | 内容 |
初期導入OS | Windows 10 64bit |
プロセッサー | Intel Core Processor with Intel Hybrid Technology |
最大メモリー容量 | 8GBオンボード |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | 折りたたみ式13.3型 QXGA OLED(有機ELディスプレイ)、2048×1536ドット、10点マルチタッチ対応 |
インターフェイス | USB Type-C 3.1 Gen1×2(本体)、microUSB×1(ミニキーボード充電用) |
ワイヤレスLAN | インテルWi-Fi6 AX200 a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
ワイヤレスWAN | 5G(CTO選択可能) |
カメラ | IRカメラ 500万画素 |
ペン | Lenovo Mod Pen |
バッテリー駆動時間 | 約11.7時間(JEITA2.0による測定値) |
本体寸法 | 約299.4×236×11.5mm(ランドスケープモード時)、約158.2××236×27.8mm(折りたたみ時) |
本体質量 | 約973g~(本体)、約173g~ |
価格 | 36万3000円より |
発売 | 2020年10月13日(Wi-Fiモデルのみ)、5Gモデルは後日発表 |