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【今日は何の日?】ワイモバイルの源流、イー・アクセスとウィルコムの合併完了が発表された日
2020年6月2日 08:30
2014年6月2日、イー・アクセスとウィルコムと2つの通信会社の合併が発表されました(合併日は6月1日)。現在、ソフトバンク傘下で割安な料金での携帯電話サービスを提供するブランド「ワイモバイル」の源流のひとつと言える動きでした。
ウィルコムはかつてPHSを提供するDDIポケットという企業名でした。携帯電話とは異なる通信規格で、基地局を多数展開し、データ通信サービス、そして通話定額で特色を打ち出しましたが、2009年9月に債務返済に関する法的手続きに入ります。その後、ソフトバンクがスポンサーとなり、2013年7月、ソフトバンクの子会社になりました。
一方、イー・アクセスは1999年に設立され、2000年4月からADSLサービスをスタート。2005年1月にイー・モバイルが設立され、2007年3月にはモバイルデータ通信サービスをスタート。その上で、2008年3月に音声通話対応の携帯電話サービスを始めました。モバイルWi-Fiルーターの「Pocket WiFi」シリーズで一定の人気を得たほか、多種多様なスマートフォンを提供してきたイー・モバイル。現在の楽天モバイルとつい比較したくなる存在ですが、その楽天とイー・モバイルは、2012年9月には「楽天イー・モバイル」が設立。
しかしその直後の2012年10月、イー・アクセスはソフトバンクの完全子会社になります。一時、ヤフーによる買収案も発表されましたが、結局、その案は取り下げられ、ソフトバンク傘下のイー・アクセスとウィルコムが2014年に合併。ヤフーとの協業が継続する形で「ワイモバイル」という名称が今に続いているのでした。
本稿を執筆する上で、筆者もお邪魔した会見の記事だけではなく、20年前のイー・アクセスによるADSLサービス開始の記事などもあらためて確認。日本の通信史でいくつもの役割を担い、大きな流れを形成したことを振り返ると、その両社の合併は、携帯電話というサービスを成り立たせる難しさをあらためて感じさせるものでした。