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公衆網→自営網の切り替えを4分以上→5秒以下に、NICTとJR東など実験成功

 情報通信研究機構(NICT)、JR東日本、鉄道総合技術研究所は、通信事業者が提供する「公衆網」に接続された列車や自動車上の端末が「自営網」の圏内に移動した際に、自営網へスムーズにネットワークを切り替える基盤技術の実証実験に成功した。

実証実験での無線機設置の様子

 実証実験では、JR東日本の烏山線(栃木県)にミリ波帯を用いた自営のリニアスポットセルを構築。列車に設置した端末を利用してネットワーク切り替えの実証実験が行われた。結果として、これまで公衆網から自営網への切り替えに4分以上かかっていた時間が平均5秒以下に短縮でき、最大でも10秒以上程度となった。また、地上の複数地点からリニアスポットセル通過中の車上端末に向けて、動画を同時に伝送し、公衆網経由に比べて低遅延で伝送できることも確認された。

 同技術は、NICTが開発したもの。自営網事業者と公衆網事業者間で加入者情報を共有する必要がなく、公衆網などのネットワーク回線経由で事前に自営網にアクセスしておくことで接続切替時間を短縮できる。

 今後、普及が期待されている「ローカル5G」のような限定した範囲で提供される通信サービスでの活用に期待されている。交通インフラなどの移動体を対象とするサービスにおいて、専用装置を導入することなく、ユーザーに安定的な接続環境を提供できるという。

【お詫びと訂正 2020/04/17 15:26】
 記事初出時、タイトルの表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。