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LINEで家電操作、「Clova Bot」をモデルルームで体験
2020年1月30日 17:03
LINEは、AIアシスタント「Clova」を活用したIoTスマートホームサービス「Clova Bot」の提供を開始した。2月1日~2月9日には、Clova Botを実際に体験できる「LINE Clova IoT 体験モデルルーム」がスマートハウジング豊洲まちなみ公園で一般公開される。
コミュニケーションアプリ「LINE」のトーク画面から、友達と話すようにメッセージで指示を送るだけで、8万点以上の家電を簡単に操作できる。
対応家電はClovaと同様。外でも使えるように
Clova Botそのものはスマート家電と直接繋がるわけではなく、スマートスピーカーのClovaシリーズを使ったスマートホーム環境に「外出先からもLINEで操作できる」という機能を加える役割を果たす。
LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」やスマートディスプレイの「Clova Desk」には赤外線リモコン機能があり、さまざまな家電製品の赤外線コマンドをエミュレーションして操作できる。
自宅にいる時に音声で家電を操作できるスマートスピーカーに加えて、Clova BotがLINEアプリとの橋渡しをすることで、外出先からも操作できるようになる。
Clova Botの機能は、LINE Clovaの公式アカウントのトーク画面で利用できる。メッセージで「照明つけて」などの指示を送るか、リモコン風の画面で機器を選んで操作できる。使い慣れたアプリを利用でき、家電ごとに専用のアプリを用意する必要がないというメリットをアピールする。
利用シーンとしては、外出直後に鍵のかけ忘れに気付いても家に戻らずLINE上でスマートロックを施錠できたり、帰宅する少し前にエアコンの電源を入れて快適な気温にしておいたり、防犯対策としてライトをつけたりと、家の中での操作だけでは対応できなかった使い方が広がる。
モデルルームには、対応製品の例として、ソニーのスマートロック「Qrio Lock」やシャープの加湿空気清浄機、リンナイの給湯器、照明操作ができる岩崎電気のスマートスイッチ「Link-S2」、TP-Linkのスマートプラグなどが展示される。スマートプラグは、コンセントとプラグの間に取り付けることで、通信機能を持たない家電製品でも遠隔で電源のオン・オフができる機器だ。
加湿空気清浄機や給湯器をClovaで操作する場合、電源オンの指示を出した後に「○○の電源をオンにしますか?」と確認の手順がひとつ増えるが、これは電気用品安全法上の配慮だという。スマートロックの操作は、セキュリティを考慮して現状では施錠のみに対応する。
Clova BotはClovaの機能を拡張するサービスだが、スマートスピーカーを利用せずスマートフォンからの操作だけを行いたいユーザーにも対応する。スマートスピーカー「Clova Friends」「Clova Friends mini」用のオプション品として提供されている「Clova Friends Dock」のソフトウェアを更新すると、スマートスピーカーが無くてもスマートリモコンとして利用できるようになる。Clova BotやLINEカーナビと連動する。
スマートホーム環境をプロが構築、家庭への導入を支援
今回公開されるモデルルームは、LINEとアイリッジが共催する。アイリッジは、Alexaスキルを最短3日、ノンプログラミングで開発できるクラウドサービス「NOID」(ノイド)などを提供している企業だ。
アイリッジの岩屋氏は、スマートホームに関連するサービスを提供する中で、エンドユーザーのニーズも知りたい、IoT住宅を作ってみようという考えに至ったと語る。まずは住宅展示場などへのスマートホーム導入支援に乗り出したところ、体験した人からは「新築にあわせてスマートホームも入れたい」といった反応があり好感触だったという。
2020年春には、消費者向けのスマートホーム導入支援サービス「NOID IoTスマートホームパッケージ」の提供を開始する。システム構成からデバイスの設置、設定までをサポート。一方で、不動産事業者向けのサービスも継続し、まずはモデルルームなどでスマートホームを体験して価値を知ってもらう、複雑な導入作業を一括で引き受けることで導入のハードルを下げるという2軸で普及を推進する。