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離島の特産品を全国へ、KDDIの「しまものラボ」が大分・姫島で開講

 離島の特産品を全国に届けられるよう、販売をサポートしたりノウハウを伝えたりすることで、離島地域の活性化を目指すKDDIの「しまものプロジェクト」。

 プロジェクトの内容としては、au WALLET Marketなどを通じて実際に商品を販売する「しまものマルシェ」のほか、生産者・販売者に販路拡大や商品PRのノウハウを伝授する基礎講座「しまものラボ」を全国各地の離島で開催している。

 しまものラボはこれまでに、喜界島(鹿児島県)、利尻島(北海道)、伊豆大島(東京都)、壱岐島(長崎県)、家島諸島(兵庫県)で開催された。原則として市や町単位で個別に行われてきたが、より意欲の高い事業者を募るべく、5月23日に始まった第6弾では、大分県にある7つの有人離島を対象に募集した。

おおいた姫島
ISLAND OYSTER
緋扇貝
深島みそ

 今回のしまものラボに参加する事業者は、姫島のひじきやわかめ、島だこなどの海産物を使った商品を販売する「おおいた姫島」、大入島でオリジナルブランドの牡蠣「ISLAND OYSTER」を育てる新栄丸、緋扇貝(ひおうぎがい)というカラフルな食用貝を養殖している「屋形島の緋扇貝」、深島伝統の「深島みそ」の販売や食堂、マリンスポーツ体験などのサービスも行うでぃーぷまりん深島の4社。

アサギマダラが飛来する海岸
市街地
伊美港から1日12往復のフェリーが運行されている。写真は、2015年就航と新しい「第二姫島丸」
フェリー乗場の目の前にある「姫島エコツーリズム」では、電気自動車のレンタルが行われている

 全5回の講義が予定されており、国東半島の北部に位置する姫島が会場となった。人口は約2000人、伊美港からフェリーで20分ほどの近海に位置する。渡り蝶「アサギマダラ」の飛来地として知られるほか、IT企業や人材を県外から呼び込む「姫島ITアイランド構想」を推進する島でもある。

 過去のしまものラボ以上に若い世代の事業者が多く集まり、講義後にも活発な意見が交わされた。今回は島単位での開催ではないため、普段は別々の島に暮らす参加者たちだが、SNSのグループ機能を利用して連絡を取り合える環境にあり、それぞれの島の未来を担うアイデアや技術、ノウハウを持った事業者同士の交流が生まれている。

 KDDIは5月15日、2019年度から3カ年の中期経営計画を発表した。中期経営計画で示された事業戦略の方向性の1つに「サステナビリティ」があり、同社が目指すSDGs(持続可能な開発目標)として、地方創生などの社会課題が挙げられた。地方創生というテーマでは5GやIoTの活用もひとつの形だが、「しまものラボ」もまた重要な取り組みと位置づけられ、今後も各地での開催が計画されている。