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KDDIの離島応援プロジェクト「しまものラボ」、第4弾を壱岐で実施

 KDDIは、長崎県壱岐市、壱岐市商工会、離島経済新聞社とともに、離島の地域活性化を目指す「しまものプロジェクト」の一環として、5月23日から壱岐市で販路拡大・商品PR講座「しまものラボ」を実施する。

 しまものラボは、離島の特産品の知名度向上や販路拡大を図るために必要なノウハウを地元の事業者に身につけてもらい、地域経済の活性化につなげようという取り組み。これまでに鹿児島県喜界町、北海道利尻町、東京都大島町で実施してきており、今回で4回目となる。

 実施期間は5月23日~7月11日で、この間に開催される全5回の講座を通じて商品の魅力を再確認しつつ、適切なマーケティング、ブランディングの行い方を学ぶ。同時にauスマートパスの商品モニターやKDDI社員の試食モニターといった市場調査も行う。

 さらに、効果的なECサイトの構築方法を学んだ上で、au WALLET MarketやKDDI子会社が運営するルクサ(LUXA)といったショッピングサイトで実際に商品を販売していく。

玉ねぎを原料にしたジャムやドレッシング、古代米の甘酒
平均糖度8度以上のフルーツトマト「ママなかせ」と、そのジュース
ママなかせは、Amazonでも「甘壱岐」のネーミングで販売されている
壱岐の蔵酒造の人気麦焼酎。ちなみに、壱岐は麦焼酎発祥の地
若宮酒店が販売する「焼酎セット」。季節によって組み合わせが変わる
素朴で懐かしい「かきもち」
「ママなかせ」を生産する壱岐の潮風のハウス内の様子
ナノサイズの穴が開いた特殊なフィルムを使うアイメック栽培
温度や湿度、苗の状態を見ながら、液体肥料の量や与えるタイミングを細かく調整することで抜群の糖度を実現している
壱岐の蔵酒造
希望すれば見学できる
麦焼酎発祥の地とあって「壱岐焼酎による乾杯を推進する条例」もある。罰則規定は無い

他の離島のモデルケースに

(左から)KDDI 理事 九州総支社長の三井智氏、壱岐市長の白川博一氏、壱岐市商工会長の吉田寛氏、離島経済新聞社 統括編集長の鯨本あつこ氏。一番左は壱岐のゆるキャラ「人面石くん」

 23日、壱岐市内のテレワークセンターで開催された発表会の冒頭では、壱岐市長の白川博一氏や壱岐市商工会長の吉田寛氏が挨拶。

 白川氏は「壱岐では1955年の5万1000人をピークに、直近の国政調査では2万7000人と半数近く人口が減少している」と述べ、人口減少が他の離島も含めて大きな問題となっている状況を説明。その上で「壱岐の発展のためには何でもありだと考えている。新しいものにどんどん取り組んでいくということが、離島に住む首長の役目だと強く信じている」と語る。壱岐空港で無人航空機の実証実験に取り組むなど、意欲的だ。

 同氏は全国離島振興協議会の前会長で、壱岐だけでなく全国の離島振興に注力している人物。しまものラボに対しては、「本市での取り組みから今後実施されるであろう他の離島のモデルケースとなるような成果が生まれることを心から期待している」と語った。

 KDDI 理事 九州総支社長の三井智氏からは、これまでにKDDIが取り組んできた離島応援プロジェクトの概要が説明された。その中でau WALLET Marketで行っている離島の産品を販売する「しまものマルシェ」において、2018年3月末までに19島、27商品を取り扱い、約4900万円を販売してきたという実績が明らかにされた。

 KDDI サステナビリティ推進室長の鳥光健太郎氏によれば、今回のしまものラボにおいては、新たな取り組みとして講座の中でタブレットを積極的に活用していくという。1事業者につき1台のiPadが貸し出され、講師と参加者のやりとりをリアルタイムで共有し、一緒にブラッシュアップしていく。「KDDIならではのICTを活用することで、効率的に進めていきたい」(鳥光氏)としている。

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