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au TOM'S、SUPER GT 第5戦で今季初優勝

KDDI高橋社長も陣中見舞いに

 SUPER GT 第5戦「FUJI GT 500mile RACE」が8月4日~5日に静岡県・富士スピードウェイで開催された。同シリーズには、KDDIがスポンサードするau TOM's LC500(36号車)が参戦中。この大会には、今年4月にKDDI社長に就任したばかりの高橋誠氏が陣中見舞に駆けつけた。

au TOM's LC500

 高橋社長は「富士スピードウェイには、F1が開催された時に田中会長と一緒に来て以来で久しぶり」とのこと。チームのピットを訪れ、中嶋一貴、関口雄飛の両ドライバーと記念撮影するとともに、36号車に乗り込み、伊藤大輔監督からマシンの操作方法などのレクチャーを受けていた。

(左から)関口雄飛選手、高橋誠社長、中嶋一貴選手
au Circuit Queenの千倉里菜さん(左)、太田麻美さん(右)とも記念撮影
伊藤大輔監督にレクチャーを受け、マシンに乗り込む高橋社長

 この大会は、今季のシーズンで最長となる500マイル(約800キロ)、177周のレースとなる。耐久レースとしての要素が強いため、タイヤやブレーキ、エンジンなどのコントロールがレースを制する上で重要になってくる。

 5日午後1時半、気温31度、路面温度47度のなか、スタートが切られた。予選3番手から36号車のスタートを担当した関口選手はポジションをキープ。2位を走る24号車(フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R)のペースが落ちていく中、23周目に1コーナーでパスし、ポジションアップ。32周目には、1位を走る23号車(MOTUL AUTECH GT-R)がピットに入ると、36号車がトップに立った。

 36号車は36周目にピットイン。ここで右リアタイヤ交換に手間取り、タイムロス。順位を大きく落とすことになった。

 しかし、関口選手からバトンタッチした中嶋選手は、60周目にストレートでスリップストリームに入り、1コーナーで24号車をパス。65周目には同じく1コーナーで23号車を抜き、2番手にまで挽回した。

 73周目を終えて、2度目のピットに向かうも、再び右リアのタイヤ交換に時間をとられることになった。「またも失敗か」と思われたが、チームによれば「1回目のタイヤ交換がうまく行かず、ナットの装着に不具合があり、それを直すために時間がかかったの想定通り」ということだった。

 この結果、ポジションは5位まで落ちてしまうものの、関口選手の追い上げにより、98周目には1コーナーで23号車を交わし、2位まで再浮上を果たす。だが、この時点でトップの12号車(カルソニック IMPUL GT-R)とは25秒ほど離されており、レース後に中嶋選手はこの段階で「2位でも仕方ないか」とやや諦めモードだったと語った。

 ところが、149周目に12号車が突如スローダウン。36号車がトップに躍り出た。その後、2位の1号車(KeePer TOM'S LC500)と1秒以内の接戦となるが、無事に36号車がチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。2位は1号車で、TOM'sチームとしてはSUPER GTにおいて初めてのワンツーフィニッシュを飾った。

 36号車は、5月に開催された鈴鹿でのレース(第3戦)において、終盤に関口選手の猛烈な追い上げを見せ、勢いを感じさせてくれたが、前戦タイ大会(第4戦)では最終ラップまでトップを脅かすも、まさかのガス欠で優勝を逃した。今シーズン、ようやく優勝したことで、チームは総合54ポイントとなり、トップであるKeePer TOM'S LC500 1号車に8ポイントに迫る2位のポジションになった。

 残るレースは3戦。総合チャンピオンの可能性も見えてきた。次戦は9月15日~16日に、宮城県・スポーツランドSUGOで行われる。

優勝会見より

中嶋一貴選手
「この富士で勝たないと僕たちのシーズンは終わってしまうと思っており、勝ててほっとしています。このコンビでは初優勝ですし、チームTOM'sとしても初のワンツーフィニッシュということで、チームにとって嬉しい週末となりました。チームIMPULのトラブルで(優勝できたのは)申し訳ない気持ちもありますが、我々も今季はあまり恵まれておらず、特に関口雄飛はツキがなかった。このコンビになってやっと勝てて良かったなと思っています。パフォーマンス的にはライバルに遜色なかったですし、部分的にはこちらの方が良い部分もあったと思います。展開的に厳しい戦いとなる中で、リスクをある程度取りながらも、長いレースをノーダメージで最後まで走り切ったご褒美というか、そういう結果ではないかと思っています」

関口雄飛選手
「このチームに移籍して初の表彰台が初優勝ということで、とてもうれしいです。前戦タイでの悔しいレースの後だけに、なおさら優勝は嬉しいです。僕が最終スティントに乗るときにはまだ1位ではなかったのですが、ソフトタイヤで行くと決め、諦めていませんでした。第5戦目になってやっと結果が出せてちょっとほっとしています。最後のスティントは『特にブレーキがキツくなるから』と聞かされていたので、ストレートエンドでは通常のブレーキングポイントよりもかなり手前でアクセルをオフして、ブレーキを踏んだりするなど、かなり気を使いました。そんな中でチームメイトの1号車が後ろに来ていたのをコントロールしながらの走りでした。TOM'Sで初めてのワンツーフィニッシュと聞いたので、チームとしても素晴らしい日になったのかなと思います」