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ソフトバンク、月額10円~の「IoT料金プラン」

NB-IoTとCat.M1に対応

 ソフトバンクは、NB-IoTとCat.M1を使用する場合に適用される「IoT料金プラン」を発表した。法人向けに提供され、同社では月額10円~という低料金をアピールしている。

 NB-IoTとCat.M1は、IoT向けの省電力通信規格LPWA(Low Power Wide Area)の一種。既存のLTEネットワークの設備を利用しながら、省電力と低コストの両立を可能にする。最大通信速度は、NB-IoTが下り27kbps、上り63kbps、Cat.M1が下り0.8Mbps、上り1Mbpsとなる。ソフトバンクでは、NB-IoTの商用サービスは国内初としている。

 NB-IoTは純粋なセンサーネットワークの構築に向いている規格で、通信速度は遅いが、モジュールの小型化が可能で、消費電力も小さいというメリットがある。一方のCat.M1は、VoLTEに対応しているため、エレベーターのような必要に応じて音声通話が発生するようなソリューションに向いているとされる。

 今回発表されたIoT料金プランは、こうしたIoTの導入を後押しするもので、同社のIoTプラットフォームの利用を条件に、1回線月額10円~という低料金を実現した。想定される月間データ量ごとに4つのプランが用意されており、1回線あたりの料金は、月間10KBまでのプランAが10円、月間100KBまでのプランBが20円、月間600KBまでのプランCが50円、月間2MBまでのプランDが200円。月間データ量を超えた場合は従量課金となり、それぞれ超過料金は0.6円/KB、0.4円/KB、0.3円/KB、0.2円/KBとなっている。

 IoTプラットフォームの利用料は、月額1万円(API利用1万コール、ストレージ1GB)。こちらもAPI利用が1万コールを超えた場合には1コールにつき0.003円の超過料金が発生するほか、ストレージは1GB~10GBで1万3000円、10GB~50GBで1万6000円、以降50GBごとに6000円の追加料金が発生する。

 同プラットフォームには、NB-IoTやCat.M1以外の通信機器を接続することも可能で、その場合は1デバイスあたり月額10円の利用料が発生する。

 また、同プラットフォームを使用せず、NB-IoT/Cat.M1のネットワークのみを利用する場合の料金プランも用意されている。こちらの1回線あたりの料金は、月間10KBまでのプランAが100円、月間100KBまでのプランBが150円、月間600KBまでのプランCが200円、月間2MBまでのプランDが300円。月間データ量を超えた場合は従量課金となり、それぞれ超過料金は1円/KB、0.5円/KB、0.4円/KB、0.3円/KBとなっている。

 同社では、村田製作所、Gemalto、Sierra Wireless、Quectel Wireless Solutionsの4社とともに通信モジュールを順次提供していくとしている。

ソフトバンク IoT事業推進本部 本部長の丹波廣寅氏

 ソフトバンク IoT事業推進本部 本部長の丹波廣寅氏は「最も重要になるのはデータを集めて分析するところ。競合となるのはAWSやSIer」と語る。収集したビッグデータを解析する役割を担うのが同社が提供するIoTプラットフォームで、導入企業側はAPIを呼び出すことで必要な情報を取り出し、未来の予測を含めて、さまざまなサービスに活用できるとしている。すでに同プラットフォームを活用して運用されている事例としては、スマートパーキング(NB-IoT)や藤枝市の見守りシステム(LoRaWAN)などがあるという。