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ドコモ吉澤社長、「海賊版サイトはビジネスの発展を阻害する」

 NTTグループが4月23日に発表した海賊版サイトへのブロッキング。対象サイトが閉鎖されたとも言われるなかで、NTTドコモはどんな考えで、どう対応していくのか。27日の決算会見の席上、NTTドコモの吉澤和弘社長がサイトブロッキングについて語った。

 「漫画村」など海賊版サイトへの対処法として実施されることになったブロッキングだが、消費者団体などからは、憲法で保障された「通信の秘密」を侵害するとの批判や、政府が違法性はないとしつつもその根拠とする「緊急避難」の要件を満たしていないとの指摘が挙がっている。

ドコモの吉澤社長

 ドコモの吉澤社長は「世間で非常に関心が高いのは分かっている。通信の秘密を侵害するとの指摘もあるが結論は出ておらず、法に触れるかどうかコメントはできない。いろんな意見があることは承知している」としつつもネットビジネスやコンテンツビジネスにおいて、海賊版サイトの存在は、「ドコモもdアニメなどがある。ビジネスの発展を阻害することは誰もが認めている。それを見過ごすわけにはいかない」と説明する。

 現在閉鎖中とされつつも、復活する可能性があることなどから、ブロッキングの考えを変えるつもりはないことをあらためて強調した。

 政府が対策を発表する以前には、ドコモとして検討はしていなかったとのことで、訴訟リスクなどについて吉澤氏は「サイトブロッキングについては、法務省や総務省が(政府の知財本部の)中に入って検討されたと聞いている」と述べ、違法性が阻却されるとの政府の主張を踏まえたアクションとした。