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サムスン、AIで高度な顔認証を実現するチップセット「Exynos 9810」発表

 サムスン電子は、AIによる画像処理を強化したExynos 9シリーズの新チップセット「Exynos 9810」を発表した。

 「Exynos 9810」は、サムスンが製造するモバイル端末向けチップセットのフラッグシップモデル。自社設計のオクタコアCPUを搭載。パフォーマンス重視の2.9GHz駆動の4コア+効率重視の4コアという構成になっている。CPUパフォーマンスは従来モデルとの比較で、シングルコアでは2倍、マルチコアで約40%向上している。製造ラインはサムスンの第2世代10nm FinFETプロセスが採用されている。

 また、AIの処理性能を強化。具体的には、ディープラーニング技術による高度な画像処理に対応する。被写体の分析を高速に行えるほか、高精度でセキュアな3D顔認証技術を実現できるとしている。チップセット内には、個人データを保存するためのセキュア領域が顔認証、虹彩認証、指紋認証のそれぞれに対し用意されている。

 モデムはLTE カテゴリー18をサポート。6波キャリアアグリゲーションにより、下り最大1.2Gbpsの通信に対応する。上り速度は最大200Mbpsとなる。4×4 MIMOや256CAMといった高速化技術に加え、免許不要の周波数帯を組み合わせて利用する通信技術「eLAA(enhanced Licensed Assisted Access)」もに対応している。

 動画撮影ではUHD解像度で120fps撮影時に電子手ブレ補正を利用可能。静止画ではフォーカス位置を調整できる高解像度写真や、被写体ブレやノイズを抑えたローライト写真を撮影できるとしている。動画再生用の回路「MFC」は、H.265とVP9の10ビット出力に対応し、約10億7374色の広色域表示をサポートする。

 「Exynos 9810」は、発売に向け、量産が進められている。米ラスベガスで1月9日~12日に開催される展示会「CES 2018」にも出品される予定で、すでにCESのInnovation Awardに選定されている。