インタビュー

ユーザー目線の「イケてるサービス」で差別化を目指すmineo

上田氏が語るmineoらしさや共創、スタンス

 ケイ・オプティコムの「mineo」は、差別化が難しいMVNO市場において、ドコモ網だけでなくau網も使えるサービスやコミュニティサイト「マイネ王」、全ユーザーで余剰パケットを融通し合う「フリータンク」などの個性的な戦略で着々とシェアを伸ばしつつある、注目のMVNOサービスだ。

 mineoは2014年6月に提供が開始され、グループマネージャーの津田和佳氏が指揮を執っていたが、2016年の7月からグループマネージャーが交代、新たに上田晃穂氏が就任している。今回は上田氏にmineoの今後の戦略などについて聞いた。

ケイ・オプティコム モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏

市場環境は変わったがmineoの路線は従来と同じスタンス

――上田さんは今年7月にグループマネージャーに就任されましたが、mineoの路線は変わらないのかどうか、お聞かせください。

上田氏
 前任の津田(津田和佳氏)が3年間、責任者を務めた後を引き継ぎました。津田のときはmineoの黎明期で、いかにお客さまにmineoを知ってもらうか、加入者を増やすかが課題でした。

 その後、私が引き継ぎましたが、今、市場は成長期に入ったと思っています。かつては高リテラシーのユーザーが中心でしたが、今はだいぶマジョリティ層に広がっており、市場環境が変わってきています。

 その中でmineoがどうかというと、mineoの路線はほぼ従来と変わらないスタンスになります。

 以前からのmineoのブランドステートメント、「Fun with Fans!」を引き継ぎ、これを私なりに咀嚼してかみ砕いた内容が、所信表明や事業戦略説明会などでもお話ししている、「mineoのありたい姿」の5つです。(※関連記事

 繰り返しになりますが、ありたい姿としては、「まっすぐなmineo」「イケてるmineo」、「ネットぢからのmineo」、「おもしろいmineo」、「うれしい!たのしい!大好き!mineo」の5つを挙げています。

「mineoのありたい姿」

 「Fun with Fans!」で大事なのは、「ユーザーと一緒に」というところです。それを実現するためには、mineoとしてはまず、「まっすぐ」でありたい、正直でオープンでわかりやすいmineoでありたい、と考えました。例えば2年縛りをしないとか、料金が分かりやすいとか、都合の悪いことを隠さないとか、そういった「まっすぐ」なスタンスでありたい、と決めています。

 「イケてるmineo」としては、他のMVNOと見比べたときに料金以外の何で差別化できるか、ということを常々考えています。料金はほぼ、他社も同じくらいになってきていて、ちょっと違っても僅差です。そこで料金以外の差別化要素として、フリータンクや有料プレミアムコースなど、mineoにしかないイケてるサービス、新しい魅力的なサービスをどんどん出していきたいな、と考えています。

――フリータンクはグッドデザイン賞を受賞されたとのことです。

上田氏
 グッドデザイン賞というと、今までだと目に見える製品が多かったですが、我々としても、システム、デザインというか、コンセプトというか、そういった仕組み全体でグッドデザイン賞を取れるのではないかと思って申請し、今回晴れて受賞しました。

――従来からmineoというとコミュニティサイト「マイネ王」に代表される、ユーザーフレンドリーで身近なMVNOというスタンスですが、そのスタンスは変わらないと?

上田氏
 そうですね。「マイネ王」というコミュニティで直接ユーザーの声を聞くというのは、ほかのMVNOや大手キャリアもなかなか真似できないところだと思います。ここはmineoらしさです。直接聞くというのは、調査会社等を経由して聞くよりもダイレクトで、ニーズが把握できるという点で良い面もありますが、厳しいお言葉を頂くこともあります。しかしそれら両方をきちんと受け止めて真摯に対応していきたいと思っています。

――市場環境の変化に伴うmineoの変化はどういった形で出てくるのでしょうか。

上田氏
 今までのmineoのお客さまは、30~40代の男性が中心で、4割ぐらいでした。一方で、これからは若い層や女性が増えると思っています。そのあたりにどうmineoを知ってもらえるか、理解してもらえるかが重要だと思っています。

――先日、iPhoneユーザーの女性をターゲットとしたイベントを開催されましたが、そのあたりを狙っているのですね。(※関連記事

上田氏
 そうです。女性はお金に対する節約意識も強いと思いますが、mineoという選択肢をご存じない方も一定数いらっしゃいます。そこでこういう方法があるよ、こうすれば安くなるよということを直接、Webやコミュニティサイトを通じて情報提供するだけでなく、こうしたリアルのチャネルの場で直接説明する機会があっても良いのでは、ということでイベントを開催しました。

――手応えはどうでしたか?

上田氏
 イベントでプレゼンをしていると、細かくメモを取っている人もたくさんいらっしゃったので、非常に関心が高く、真剣に聞いていただいているという印象を受けました。「すぐにmineoを契約するよ」というくらいの勢いもありました。

 「mineo」を聞いたことがある参加者は、東京会場では参加者の3分の1くらいでしたが、そうした方も、これまではmineoをご理解いただき、契約したいというところまではいっていませんでした。しかしmineoがスマホ料金を安くする魅力的な手段なのだとわかると、「是非やってみたい」というようになるのではないか、と感じました。

 女性の方はとくに、「良い」と思ったら口コミの力も強いので、自分でやってみて「安くなった」ということであれば、広げてもらえるかな、という手応えを感じました。

iPhoneユーザーの女性をターゲットとしたイベントの様子

――その一方でヘビーユーザー向けには「プレミアムコース」も有料トライアルを開始されました。あちらの手応えは?

上田氏
 MVNOは一般的に「格安スマホ」と呼ばれていますが、「格安」という言葉には一長一短があります。イメージ的に「安かろう悪かろう」というように受け取られてしまうこともあります。そこを、MVNOでもちょっとお金を足すことで「通信速度が遅い」ということを払拭できれば、と思いました。我々はそれを「良安スマホ」と呼んでいますが、安いのに良い、というイメージを持っていただくため、通信速度をある程度確保したサービスを作りたいというのが、プレミアムコースの元々の発端です。

 以前やっていた無料トライアルでは、募集200名に対して5400名の応募があり、今回の月額800円の有料トライアルでは1300名の応募がありました。無料トライアルに比べると応募数は減っていますが、200名に対して1300名だったので、そういった意味では注目度は高いのかな、ととらえています。

――速度を確保するための帯域の調達に影響は出ているのでしょうか。

上田氏
 まず回線的には、プレミアム用と通常用を分け、通信トラフィックが相互に直接影響し合うことがないようにしています。

 一方でプレミアムというからには、プレミアムなりの通信速度が必要で、そのためには一定量の帯域を確保する必要があります。どのくらいの帯域を用意すればいいのか、例えば平日・昼間の混み合う時間にどのくらいの通信速度が出るかといったことを、有料トライアルでウォッチしていきたいと思っています。

――体感などで違いがわかるレベルになるのでしょうか。

上田氏
 体感もそうですし、あとはスピードテストのようなものでも違いが実感できれば、と。確かにプレミアムな品質だよね、とわかる通信速度を確保したいと思います。

素早く幅広いiOS/iPhoneの動作確認

――直近の動きで言うと、Pokémon Goなどでお客さんの動きに変化はありましたか?

上田氏
 Pokémon Goに関しては、直接の影響としてはリリース直後、アプリダウンロードのトラフィックが増えたくらいで、アプリを楽しむというフェーズにおいては、それほど通信トラフィックが大きくないことがわかったので、通信速度に影響はありませんでした。

 サービス面では、他社がPokémon GOのカウントフリーサービスを提供していますが、我々としては、そういったメニューを用意しなくても、アプリを楽しむときは通信トラフィックがそれほど発生しないので、そこは「mineoスイッチ」で節約をONにした低速状態(200kbpsでデータ容量が消費されない)でも十分に楽しめます。

 我々としては、新たにカウントフリーのサービスを組み立てるよりも、このように節約ONの状態でも、Pokémon GOやSNSは十分楽しめますよ、ということをアピールしていきたいと思います。

――iOS 10もリリースされましたが、そちらの影響は。

上田氏
 リリースされたのが9月14日の午前2時ごろですが、我々も待機して、2時になったらiOS 10を一斉にダウンロードして動作確認しました。

 mineoが対応するという意味では、auのiPhone、ドコモのiPhone、SIMフリーのiPhoneがあるので、それらをずらっと並べて動作確認しました。従来モデルを含めてたくさんのモデルに対応しているので、それだけたくさん動作確認しないといけません。それを必死にやりました。ユーザーが待っているということを感じながら、できるだけ早く「大丈夫です」とお伝えすべく尽力し、無事動作を確認できました。

――mineoは毎回、対応アナウンスが速いですよね。

上田氏
 当日の未明~朝には動作確認結果の第一報をアナウンスしています。

――他社ですと、うやむやになっているところもあります。そこはユーザーとのコミュニケーションを取りながら対応されるmineoならではの強みでしょうか。

上田氏
 そうですね。iOS対応は以前からもやっていますし、ユーザーが期待しているところでもあるので、「iPhone+mineoが大丈夫ですよ」というのを、少しでも早くアナウンスするべく取り組んでいます。

――旧モデルのサポートに関しても、他社はあきらめがちなところですが、先日、auのiPhone 5s/5cへの対応をアナウンスされました。そこまでサポートされる理由は?

上田氏
 話を聞いたり過去に売れた数を見たりしていると、ボリュームゾーンとして多いというのもありますし、他社(UQモバイルやワイモバイル)がiPhone 5sを扱っているということもあり、iPhone 5s/5cへの対応にはまだニーズがあると感じています。今まで大手キャリアだと2年ごとに端末を買い換えるのが主流でしたが、“実質0円”が廃止される方向性もあり、最近は2年を超えて使い続けるようになったというのもあります。

 あとは肌感覚として、自分の周囲の人に「何を使ってるの」と聞くと、まだまだiPhone 5s/5cという人が一定数います。実は私もiPhone 5sを使っています。

 「最新機種のiPhone 7しか対応しません」というようなことではなく、既存のiPhoneにも幅広く対応できれば、それを理由にmineoに乗り換える人が一定数いるのでは、と。そこまでやることにmineoとしてはこだわりたいと思いました。今回のiPhone 5s/5cに対応できたことも、あきらめずにいつかできるのでは、とやり続けた結果です。

――実際に加入者数に影響はあるのでしょうか。

上田氏
 データとしては取れていませんが、売り文句として「auのiPhone 5s/5cでも使える」といえるのは、大きいと思います。

――もともとauとドコモに両対応するというところで、mineoは先行していますが、端末も幅広くサポートしていく、と。

上田氏
 そうですね。今年発売されたiPhone 7にも注目が集まっており、日本人はiPhoneが好きなのだな、と感じています。その中で、mineoは「日本で一番iPhoneに対応しているMVNO」だと思っています。対応していると言うからには、動作確認し、ちゃんと「使えます」ということを自信を持って言えるようにしたいと思っています。

――直近の話でいうと、名古屋にショップをオープンされました。年明けには渋谷でもオープンされます。現状はネットが中心だと思いますが、今後は実店舗とウェイトはどちらに置かれるのでしょうか。

上田氏
 契約数でいうと、店舗などで申し込む人は1割強です。他社は家電量販店で強いとかいろいろありますが、mineoは基本的にWeb中心でやっています。

 一方でWebでの申し込みに不安があり、契約するときは対面で確認しながら手続きしたい、という人も一定数いると思ったので、主要な都市圏に店舗を置きたいと考えました。そこで大阪のグランフロントに加え、名古屋にもオープンしました。東京は来年(2017年)2月に渋谷で店舗をオープン予定です。このように、最低限のリアル店舗は用意したいと考えています。

 しかし、これからもどんどんリアル店舗を増やすかというと、そこはコストとのトレードオフになります。大手キャリアのように増やすことは考えていません。最低限のリアル店舗チャンネルを確保しながら、コストをできるだけ抑えられる形でやりたいと考えていて、基本的にはWeb中心になるかな、と思います。

mineo独自の「フリータンク」も順調に回転中

――最近ですとMVNOは参入事業者も増える一方、日本通信が個人向け事業を他社に譲渡するなど、MVNO業界も過渡期のような状態とも思えますが、mineoとしてはどうとらえていらっしゃいますか。

上田氏
 MVNOが増え、今は約200社以上あると思います。多数のMVNOがある中で、お客さんに知ってもらわないと生き残れません。スマホ料金を安くしたいと思ったとき、頭に浮かぶようなブランドでないと、検討の俎上に上げてもらえません。mineoがMVNOとして名前を挙げてもらえる1社でありたいといつも心がけています。

 そのためには、他社と比較したとき、他社と違うところ、「ここが違うからmineoにした」というような、差別化になり、覚えてもらえるような特長を出したいと考えています。今はそれがフリータンクであり、プレミアムコースであり、マイネ王であります。他社にはない、これがあるからmineoにした、と思ってもらえるようなものを、今後もきちんと提供し、アピールしていきたいと思っています。

――フリータンクは他社も真似をするかと思いましたが、どこも真似をしていませんね。なぜmineoだけ、フリータンクがうまくいっているのでしょうか。

上田氏
 そうですね、私も理由を知りたいです(笑)。仕組み、システムとしては、他社もやれるはずです。しかし、やはり目先の利益を考えると、やりにくいのかな、というのがあります。

 たとえば、事業者が「データ容量が足りなくなったら追加のパケットを買ってもらえてお金が取れる」と考えているうちは、フリータンクは実現できません。我々はそれを横に置いておいて、ユーザーの立場になったらどうなんだろう、と考えました。なかなか利益を横に置いておくことはできませんが、お客さま起点で何が良いだろう、と考えて、フリータンクを導入しました。

 フリータンクの検討中には、(ほかのユーザーのために)「パケットを預けてくれるのか」と危惧する声もありました。預ける人が誰もいなければ、ケイ・オプティコムが代わりに入れなくてはいけないかも、と。しかしスタートしてみたら、一気に貯まりました。今も順調に仕組みが回っています。

 グッドデザイン賞の審査員コメントにもありましたが、日本人の助け合いの精神というか、余って無くなるぐらいなら誰かに使って欲しいとか、先月はフリータンクに預けたので今月は少し助けてもらおうとか、日本人的な助け合い精神が根底にあるからこそ回る仕組みなのかな、と感じています。

――ネットワークのトラフィックを考えると、これまでは月末には空いてくるとかありそうですが、フリータンクがあるおかげで、月を通してまんべんなく通信があるのでは。

上田氏
 そうですね、今までだと月末にパケットが尽きそうだから大きなデータ通信をやめておこう、となってトラフィックが落ちるところが、フリータンクからパケットを引き出して引き続き使えますので。通信トラフィックとしては、しぼむところが平準化されることにはなりますね。

 ユーザーの行動を見ると、「引き出す容量より預ける容量を多くしたい」というユーザーがいたりします。マイネ王のユーザープロフィールを見ると、預けた容量と引き出した容量が他のユーザーからも見えますので、もらうばかりでは気が引ける、というユーザーがいるようです。さらにフリータンクに預けたいから多めの容量を契約するというユーザーもいます。

 そういったところに思い入れのあるユーザーもいる中で、フリータンクが成り立っているのかなとも思っています。そういう仕組みが回っている状況も含め、日本人は凄いな、と改めて思います。

――日本では寄付の文化があまり根付いていないので、それは不思議というか面白いですね。

上田氏
 もしかすると未来の自分のために預けているのかもしれませんが、mineoユーザー全体の雰囲気の中で上手くいっているような、論理的には説明しにくい、不思議な面白いシステムです。

――大手キャリア3社が20GB以上の大容量プランを開始しましたが、あれはどう見ていらっしゃいますか。

上田氏
 我々の考えとしては、たくさん容量を使う人は、キャリアのプランでいいかな、と。今のmineoで一番多いのは3GBのプランで、6割の人が使っています。mineoでは10GBのプランが一番容量は多いですが、ユーザー全体の3%くらいです。そういう意味では、大手キャリアの20GBなどのプランは「それはそれ」で、mineoは3GBくらいのユーザーが中心となるのはしばらくは変わらないかな、と考えています。

IoTやHLR/HSS、DSDSは勉強・検討中

――最近の動向としては、M2MやIoTというものもあります。そのあたりの伸びはどう見ていらっしゃいますか。

上田氏
 世の中で「IoT」というキーワードが出てきていますが、なかなか「IoTとはコレである」という定義が難しいと思っています。しかし、今まで通信の対象でなかった機器がどんどんネットにつながる世界が近い将来やってくると思っています。そのとき、どのデバイスにつながるか、どこが中心になるかを模索しています。

 IoTを実現しようとすると、モノがあって、SIMが入っていて、通信回線があって、データを集めて分析・見える化して知見を得る、そこまでの幅広いソリューションが必要になります。まずはどんなニーズが多いかを把握して、注力する分野を絞ってサービス化を進めているところですが、そのひとつの分野がテレマティクスです。SIMが入ったモジュールを車に備え付けて、運転操作データや位置情報を収集して、そのデータを分析して見える化することまでを提供することで、効率的な車両運行管理や安全運転指導などいろいろな活用ができるようになります。

――SIMだけではなく、サーバー側とパッケージングしないとビジネスとして成立しない、と。

上田氏
 IoTを必要とする側も提供する側も、データが集まるようになって何が嬉しいか、全体の価値がわからないとソリューションとして成り立たないと思っています。目に見える形でのソリューションを提供しつつ、その価値は何なのかを明らかにしないと、「IoTって何がいいの?」になってしまいます。具体的なソリューションに仕上げることで、お客さまにmineoのSIMを使ったIoTソリューションとして使ってもらいたいです。

――HLR/HSSについてはどう見ているのでしょうか。他社のソリューションを活用するというような手もあると思いますが。

上田氏
 そうですね、まずIIJさんが手を挙げられていますが、我々もHSSを持つと何ができるようになるか、今は勉強・検討の段階です。

 例えばmineoのSIMが入ったスマホが海外でもそのまま使えるとか、eSIM(組込型SIM)で中身を書き換えて運用することでいろんな新しいことができるとか、いろいろな活用の仕方があると思います。それを、そもそもどのような新しい市場があるのかというところと、我々が何をやりたいかということ、加えて実現するためのコストがどれぐらいかかるのかを検討しています。

 HSS保有ありきではなく、我々がやりたいことが何で、それにどのくらいコストがかかって、その費用対効果や、実現可能性がどの程度なのかをしっかりと考えながら、検討していきたいと思います。もちろん、mineo単独ではコストがこれくらいかかるが、他と協力すれば安くなるようならばそういった話もあるかな、と考えています。

――最近、DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)対応のスマートフォンが登場しました。これはmineoのサービスとも親和性が高いと思いますが。

上田氏
 我々はマルチキャリア対応のMVNOなので、そういった端末が出てくることは良い方向だと思います。そこは興味を持ちながら情報収集していきたいです。

――フリータンクに続く新しいアイデアとしては、どのようなものが出てくるのでしょうか。

上田氏
 頭の中ではいろいろ考えていることがあります。通信サービスの価値には、機能的な価値以外のものがあると思っています。mineoを使っていて嬉しいとか良かったといった情緒的価値を感じられたり、さらには、人のため世のため、のような社会的価値を感じられたりすることもあります。こうしたmineoを使うことで得られる情緒的価値や社会的価値が何らかの形で見えるようにできないかな、と考えています。どうしても機能的価値の訴求に偏ってしまいがちですが、なにかしらmineoを使っていて「嬉しい、楽しい、大好き」というようなことがあり、それを目に見えるようにできないかな、と。

――最後に、読者に一言お願いします。

上田氏
 mineoとしては、これからもイケてる面白いサービスをどんどん出したいと思っています。料金だけではない差別化要素、ほかのMVNOにないようなサービスを出していくのがmineoの価値かな、と。

 それと並行して、「マイネ王」というコミュニティを通じて、ユーザーと一緒にサービスを作り上げていきます。ユーザーと一緒にサービスを作っていく“共創”の姿勢は、今後もずっと続けていきたいと思います。

――本日はお忙しいところありがとうございました。