【CES 2020】
CESで見た充電不要のアクティビティトラッカー「MOTHER」
開発の狙いや戦略、今後の展開を聞く
2020年1月14日 00:00
リラクゼーションスタジオの「Re.Ra.Ku」を展開するメディロムは、「CES 2020」に充電不要のアクティビティトラッカー「MOTHER」を出展した。夏の発売を目指す。
MOTHERは、体温で駆動する「MATRIX PowerWatch」シリーズを開発したMATRIX INDUSTRIES(以下、MATRIX社)と共同で開発。メディロムの代表取締役、江口康二氏によると、同社はMATRIX社にも出資しており、独占的にこのデバイスを提供できるという。
既報のとおり、このアクティビティトラッカーの最大の特徴は、充電不要であるところ。
体温をエネルギーに変換して駆動するほか、ソーラー充電パネルも備え、太陽光充電にも対応する。江口氏によると、太陽光充電は気温の高い夏場のためのもの。外気温と体温の温度差が少ないときに充電効率が落ちるため、代わりに太陽光を利用するという。
見た目はシンプルで、デザインを楽しめるためのバンドも種類を豊富にそろえていく方針。充電の手間をなくし、デザイン性を高めることで、「途中で離脱されない」(同氏)アクティビティトラッカーを目指す。
スマートウォッチやディスプレイつきのアクティビティトラッカーが多数販売されている中、後発となるメディロムは、あえてディスプレイなどを搭載せず、シンプルさを追求した。時刻や通知が分かる機能も備えず、アクティビティの計測に特化している。
本体にはLEDランプだけがつき、これでアクティビティの目標達成などを知らせる。一見するとディスプレイのように見えるパーツが、太陽光充電パネルだ。
機能面は一般的なアクティビティトラッカーとほぼ同じで、睡眠量や活動量、消費カロリーなどを計測できる。スマートフォンとはBluetoothで接続する。
メディロムは、「Lav(Lifestyle Assist for Vitality)」と呼ばれるアプリを提供しており、MISFITやFitbitなど、他社のアクティビティトラッカーと連携できたが、MOTHERもここに対応していく。Lavを通じて、40歳以上75歳未満を対象にした「特定保健指導」を受けることもできる。
当初は企業などにソリューションとして提供するB2Bがビジネスの中心になるといい、仮受注で18万台以上の販売が見込めているという。
一方で、先進的な機能を好むコンシューマーをターゲットに、B2Cのビジネスも展開していく。ロフトや東急ハンズといったライフスタイルグッズを扱う販路での販売を検討しているといい、全体の5%程度がコンシューマー向けになるとの予想。
CESに出展したMOTHERは、あくまで第一段階のもので、企業のニーズなどに応じて、機能を追加していく計画もあるという。たとえば、NFCを搭載して勤怠管理に利用できるようにしたり、ジム用にディスプレイを備えたモデルの開発も検討していく構えだ。江口氏は、将来的には、Suicaをはじめとした決済機能にも対応させたいと語る。日本だけでなく、米国などの海外展開も視野に入れているようだ。