【CES 2020】
Vuzix、CESにあわせて発表した水泳用ヘッドマウントデバイスなどを展示
2020年1月10日 16:00
CES 2020では、ヘッドマウントデバイスを手がけるVuzixが発表したばかりの新製品「Vuzix Smart Swim」を展示している。
同製品は防水仕様のヘッドマウントデバイスで、水泳をしている際に着用するデバイスとなっている。非透過型のディスプレイを水泳用ゴーグルの右目側に装着して使用する。ディスプレイはフルカラーでスピーカーは搭載しない。カメラなども搭載せず、完全に水泳時の利用に特化している。
BluetoothやWi-Fiといった通信機能を搭載するが、水泳中は当然、連携するスマートフォンなどのデバイスを持たないため、基本的にはスタンドアロンで動作し、ラップタイム表示などの水泳をサポートする機能やビデオ再生などの機能を利用できる。
ほかのVuzixのヘッドマウントデバイス同様、アプリストアはあるが、水泳に必要なアプリはプリインストールされている。汎用デバイスであるVuzix M400やVuzix Bladeなどに比べると、利用できるアプリは少なくなるとみられる。
プリインストールされている水泳支援アプリは、ラップタイム表示などのプール向けのトレーナーアプリと、コンパス表示もできるオープンウォーター向けのトレーナーアプリの2種類がある。GPSも搭載しており、オープンウォーターではペースや距離なども表示できる。
防水かつ水泳用途に特化という特殊な仕様ゆえに、大量生産される汎用デバイスではないが、価格はVuzix製品としても破格の499ドルとなっている。2月から出荷される予定。ただし日本での発売は決まっていない。
すでに日本でも発売中の「Vuzix Blade」は、スピーカーの追加とカメラのオートフォーカス対応をしたマイナーバージョンアップ版(同社ブースでは「1.5」と呼ばれていた)を準備中であると発表された。
Vuzix Bladeは普通のサングラスとほぼ同様のデザインのヘッドマウントデバイスで、右目側に透過型のディスプレイを搭載している。ヘッドマウントデバイスというとエンタープライズ用途が中心だが、こちらは通常のビジネスシーンなどでも利用しやすいのが特徴。
しかし現行バージョンはスピーカーを内蔵せず(Bluetoothや有線オーディオを想定)、カメラもパンフォーカスで動作は速いものの用途が限定されていた。新バージョンはそれらを補うものとなる。
現行バージョンのVuzix Bladeは800ドルだが(日本では税別9万円)、新バージョンは1000ドルになる予定で、第2四半期の後半に発売を予定している。
また、国内ではVuzix Blade向けの度入りレンズフレームの発売が遅れていたが、こちらは今月か来月に発売するとのことだ。
Vuzixのブースでは同社の製品を使ったさまざまなソリューションが展示されているが、音声をテキスト化するサービス「Zoi Meet」も展示されていた。
Zoi Meetはスマートフォンやテレビ会議などさまざまなプラットフォームに対応したサービスで、VuzixブースではVuzix Blade版を実演している。この手の展示会の宿命として、会場内のWi-Fi環境はかなり劣悪で背景の騒音も大きめだが、それでも話者の音声をテキスト化し、Vuzix Bladeに表示させていた。
Zoi Meetは日本語もサポートしている。現時点ではそこまで精度は高くないが、今後の技術開発によって精度向上が期待できるという。一方、英語に関してはかなり高精度なので、日本人が英語でビジネス会話をする際など、記録とリアルタイムのヒアリング補助としての利用に便利そうだ。