石野純也の「スマホとお金」

Netflixと同額で「LYPプレミアム」が実質無料に。ドコモ・au・ソフトバンクで異なる「損得」を検証

 LINEヤフーは、2月に「LYPプレミアム」の新プランとして、「LYPプレミアム with Netflix」を開始します。一言でまとめると、これは通常のNetflixの月額料金を支払えばLYPプレミアムが実質無料になるというもの。料金は月額890円からとなり、最低価格のものだとNetflixの「広告つきスタンダード」が利用できるようになります。

 Yahoo!ショッピングでのポイント還元率が上がったり、LINEのプレミアムバックアップやスタンプ使い放題が利用できたりと、何かとおトクなLYPプレミアム。ここにNetflixもつくとなれば、鬼に金棒です。

 一方で、LYPプレミアムはソフトバンクやワイモバイルの契約者特典にもなっているため、契約すべきユーザーはやや絞られます。サービス開始に先立ち、この新プランが、どのような人に向いているのかを検証しました。

LINEヤフーは、2月にNetflixがセットになったLYPプレミアム with Netflixを開始する

LYPプレミアムが実質無料に、目指すは直接会員の獲得

 LYPプレミアム with Netflixの料金は、Netflixの広告つきスタンダードが見られるもので月額890円。Netflix側のプランによって料金は異なり、広告なしの「スタンダード」で1590円、4Kなど、動画のスペックが上がる「プレミアム」では2290円になります。3プランとも、Netflixの通常料金と同じ。事実上、LYPプレミアムが無料になる形です。

 Netflixのプランと同額でLYPプレミアムがついてくるとなれば、Netflixを単独で契約する理由がなくなります。

 既存のNetflixユーザーがこのプランに変更することで、LYPプレミアムを新たに利用できるようになるのは大きなメリットと言えるでしょう。すでにNetflixとLYPプレミアムの両方を利用している人であれば、LYPプレミアム分の料金を節約できます。

LYPプレミアムとNetflix、2つのサービスがセットになり、料金はNetflixの通常契約と同額。事実上、LYPプレミアムが無料になる形だ

 LYPプレミアムは契約する経路ごとに料金が異なっており、WebからYahoo!ウォレット決済で支払うと508円、LINEからApp StoreやGoogle Play経由で支払うと650円になります。

 余談にはなりますが、これは各プラットフォームのストアに支払う手数料を上乗せしているためと見られます。

 LYPプレミアム with Netflixでは、この508円なり650円なりを節約することが可能。これまで2つのサービスを契約していた人にとって、おトク度の高いプランと言えると思います。

 逆に、LYPプレミアムだけを契約していたユーザーは、追加で382円ないしは240円払えば、Netflixの広告つきスタンダードを契約できるという見方もできます。

 Netflixを軸にLYPプレミアムの会員を獲得できたり、LYPプレミアムの会員基盤を軸にNetflixのユーザーを獲得できたりと、LINEヤフーとNetflixの双方にとっても魅力のあるサービスに仕上がっています。

LYPプレミアムの料金は650円。Webからの契約だと、508円になる

 LINEヤフーの上級執行役員 コンテンツ&メンバーシップドメインリード 舛田淳氏によると、LYPプレミアムの会員数は現在2466万。うち551万が「直接会員数」に計上されています。

 この直接会員とは、Yahoo!やLINEからダイレクトに契約したユーザーのこと。LINEヤフーでは、この直接会員の獲得を目指しており、新たに導入されるLYPプレミアム with Netflixも、ここに効いてくるものと位置づけています。

LYPプレミアムのグループ会員数は2466万。直接会員は551万となる。LYPプレミアム with Netflixは、後者に向けたものだ

ソフトバンク/ワイモバイルにはメリットなし? ドコモはポイントとの天秤に

 逆に、ソフトバンク回線やワイモバイル回線を契約している人はグループ会員数に含まれており、アカウントを連携させることでLYPプレミアムを無料で利用できます。LYPプレミアム with Netflixは、このグループ会員にはあまりメリットがありません。

 単純にNetflixの料金が追加でかかるだけになるためで、Netflixの料金とLYPプレミアムの料金の差額だけでNetflixが使えるようになるわけではありません。

ソフトバンクのユーザーは、LYPプレミアムを無料で利用できる。Netflixを契約すると別途料金が必要。LYPプレミアム with Netflixの恩恵はないと言える

 ただし、ソフトバンクでは同社を通じて料金を支払うとPayPayポイントでの還元を受けられる「エンタメ特典」という仕組みがあります。Netflixも、このサービスの対象。還元率は5%となっており、広告つきスタンダードであれば、エンタメ特典で40ポイントが得られます。

 ソフトバンクユーザーであれば、LYPプレミアムは元々無料で、なおかつ40ポイント還元されるため、LYPプレミアム with Netflixよりもおトクになると言えるでしょう。

ソフトバンクのエンタメ特典を使うと、Netflixで5%還元を受けられる。無料でLYPプレミアムが利用でき、さらにNetflixの料金もおトクになるというわけだ

 一方で、ワイモバイルはLYPプレミアムこそ無料なものの、エンタメ特典のような仕組みがなく、ポイント還元は受けられません。ただ、Netflixを契約するとどちらにせよ890円かかるため、LYPプレミアム with Netflixを選択するメリットもないと言えます。

 お得さを考える際に考慮したいのが、各キャリアが実施している還元施策。ドコモやau、UQ mobileにも、ソフトバンクのエンタメ特典と同様の仕組みがあり、LYPプレミアム with Netflixとの併存ができないからです。

 ソフトバンク以外のユーザーにとっては、キャリアのポイント還元を受けるか、LYPプレミアムを無料で使うかの2択になってくるというわけです。

 ドコモの場合、「爆アゲ セレクション」の対象サービスにNetflixが含まれており、10%から20%のdポイント還元を受けられます。

 還元率は料金プランやNetflixのプランの掛け算で決まり、広告つきスタンダードでかつ「ドコモMAX」や「ドコモポイ活MAX」を契約していると15%。「ドコモ ポイ活20」や「ahamo」は10%になります。

 Netflixの広告つきスタンダードの場合、前者で毎月122ポイント、後者で81ポイントの還元が受けられます。

ドコモの爆アゲ セレクションでは、Netflixの10%から20%の還元を受けられる。ドコモユーザーは、爆アゲでdポイントを取るか、LYPプレミアムを取るかを選べる格好になる

 LYPプレミアムの508円もしくは650円と比較すると、還元額は少なめ。付加価値という観点では、LYPプレミアム with Netflixに軍配が上がります。

 ただし、これはLYPプレミアムのサービス内容に魅力を感じていればの話。決済サービスでも使えるdポイントの方がいいという時には、ドコモ経由で契約した方がいいでしょう。金額だけでなく、何を使うかによっても選択すべき契約経路が変わってきます。

LINEMOにも最適? ポイント還元なしのブランドには高い付加価値に

 au、UQ mobileには「サブスクぷらすポイント」という特典があり、こちらも同様にNetflixが含まれています。料金プランやNetflixのプランによって還元率が変わってくる形ですが、サブスクぷらすポイントは20%、15%、10%の3段階に分かれています。

 広告つきスタンダードは、「auバリューリンクプラン」や「使い放題MAX+」といった比較的高額な料金プランで20%。UQ mobileでも、「トクトクプラン2」や「コミコミプランバリュー」で20%還元を受けられます。

 ポイント還元率が15%に落ちるのは、料金の安い「スマホミニプラン+」、「U18バリュープラン」やUQ mobileの旧料金プランで契約した場合。同じ広告つきスタンダード同士での比較だと還元率はドコモより高く、20%の場合で162ポイント、15%の場合で122ポイントのPontaポイントが還元されます。

 この場合も考え方は同じで、金額で言えばLYPプレミアム with Netflixがおトク。ただし、ポイントかLYPプレミアムかを天秤にかける形になります。

KDDIのサブスクぷらすポイントは、広告つきスタンダードの還元率を最大20%と厚めにしている。au、UQ mobileユーザーも、PontaポイントかLYPプレミアム無料のどちらかを選択してNetflixを契約したい

 このように、大手キャリアではNetflixの契約に対してポイント還元を実施しているため、Netflixをおトクに見る唯一の解がLYPプレミアム with Netflixになるわけではありません。

 とは言え、LYPプレミアム with Netflixは無料になる金額が大きいため、ドコモやau、UQ mobileのユーザーでLYPプレミアムを使っているような人は、回線契約の特典からLYPプレミアム with Netflixに乗り換える価値がありそうです。

 また、ポイント還元施策の対象になっていないブランドや料金プランを利用している場合も、LYPプレミアム with Netflixがオススメできます。

 たとえば、ドコモで「ドコモmini」を契約しているユーザーや、同じKDDI回線でもpovo2.0を契約しているユーザーの場合には、Netflixを単体で契約する形よりも、LYPプレミアム with Netflixがベターな選択肢と言えます。

大手キャリアでも、料金プランによってはポイントが還元されないこともある

 さらに、ソフトバンクでもLINEMOにはLYPプレミアムが無料になる特典がついていません。LINEとの連携を打ち出したブランドにも関わらず、LYPプレミアムがつかないのは不可解ですが、このサービスが「Yahoo!プレミアム」だったときの名残なのかもしれません。

 この場合も、Netflixを契約するのであれば、LYPプレミアム with Netflixがおトク。同様に、楽天モバイルやMVNO各社のユーザーにも、検討の価値が高いサービスになっています。

同じソフトバンクでもLINEMOにはLYPプレミアムがつかない。LYPプレミアム with Netflixは、同ブランドのユーザーが、LYPプレミアムを使いつつ、Netflixをおトクに見たいときの選択肢にもなりそうだ

 まとめると、LYPプレミアム with Netflixはソフトバンクやワイモバイル“以外”の回線を使っていて、かつNetflixを契約したいと思っているユーザーにとって魅力的な新サービスと言えます。

 ドコモやau、UQ mobileの場合にはポイント還元との比較になる点には注意が必要なものの、LYPプレミアムをおトクに使うチャンス。Netflixを見たいと思ったら、まず検討すべきプランであることは間違いないでしょう。

石野 純也

慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行なう。 ケータイ業界が主な取材テーマ。 Twitter:@june_ya