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サムスンが「Galaxy S24」シリーズ国内投入、“推し活”にもビジネスにも独自技術の「AIフォン」
2024年4月3日 17:16
コミュニケーションを強化する「AIフォン」
Galaxy S24シリーズは「AIフォン」と銘打ち、AIによるユーザー支援機能を前面に押し出す。
今回発表された「Galaxy S24」と「Galaxy S24 Ultra」はどちらもサムスン独自の「Galaxy AI」を搭載する。コミュニケーション関連としてはリアルタイム通訳などの機能を利用できる。音声通話時、母語が異なる相手でもそれぞれの言葉を聞き取り、自動音声がそれぞれの言葉に翻訳して伝える。音だけではなくテキストとして原文と翻訳文が表示され、目でも会話の内容を確認できる。
このほかにも対面で外国人と話す際にもそれぞれの言葉をリアルタイム通訳できる機能も利用できる。とっさに街なかで外国人に話しかけられたときなどにスムーズに会話できる。メッセージアプリも母国語で入力すれば自動で翻訳できるなど、言葉の壁を取り除く機能に注力した。
一方で「Samsungキーボード」では、母国語でもTPOに合わせて自動的に変換する機能を備える。デモでは友人へのメッセージ、SNSへの投稿、ビジネスメールの事例が示された。プロフェッショナル、カジュアル、SNS、丁寧、絵文字化の5種類の文体に対応できる。同社では、日本語によくある同音異義語や固有名詞など含めて日本語の開発を強化していくという。
ほかにも手書き文字のテキスト化や整理などができる「ノートアシスト」、純正ブラウザでWebサイトを翻訳したり要約したりできる「ウェブアシスト」などが用意される。また、グーグルの「かこって検索」も利用できる。
カメラ機能も強化、AI搭載
カメラでもAI機能を強化した。Galaxy S24 Ultraは新たに光学5倍のカメラを搭載し、2倍、3倍、5倍、10倍と複数の倍率でクリアな撮影ができるとする。Galaxy S24にも光学相当2倍と光学3倍のカメラを搭載し、両機種ともに「ProVisual engine」でさらに性能を高めた。
低照度下でも鮮やかな写真が撮影でき、Galaxy S24 Ultraでは引き続き2億画素のカメラも備える。100倍ズームが可能としており、1~100倍のすべての倍率で細部を表現できるAIズームを備え、暗い場所でズームしても鮮明に撮影できるとする。ピクセルサイズも前モデルの1.6倍増で、より広い角度に対応する光学式手ブレ補正で撮影機能を向上した。
編集機能にも生成AIを活用しており、被写体が欠けていたり、水平がとれていなかったりしても欠けた部分を描き足せるなどの機能を持つ。このほか撮影した映像をスローモーションで再生できる。AIで動画の動きを分析しフレームを追加する仕組みで、スロー撮影していなくてもなめらかなスロー映像を楽しめ、スポーツのフォーム確認や“推し”のダンスの振付をマネしたいなど、さまざまな要望に応える。
かこって検索で“推し”の着ている洋服や撮影場所などを手軽に検索できるほか、生成AI編集では、コンサート会場などで撮影した写真も手軽に綺麗にできる。リアルタイム通訳では旅行時のコミュニケーション、ノートアシストはビジネスでの利用など、サムスンではいわゆる“推し活”や旅行、ビジネスなどマルチに使えるスマートフォンとしてGalaxy S24シリーズをアピールする。
Galaxy AIは、4月中旬以降にすでに発売済みの一部のモデルでも利用できるようになる。
AIフォンは「未来のデバイス」
サムスン電子ジャパン CMOの小林謙一氏は、同社が長きにわたり携帯電話開発を手がけてきた歴史を紹介。今回のGalaxy S24シリーズを「AIフォン」として新しいコンセプトを打ち出す。「個人の能力を拡張させ、生産性の向上やコミュニケーションの壁を打ち壊すため、個人の能力をアシストする未来のモバイルデバイス」と紹介した。
発表の場にはグーグル Android事業本部 マネジングディレクターの菅野圭吾氏も登場。多くのサービスを世に送り出すなかで「アプリを切り替えることなく、いろいろな検索ができることが受け入れられるのでは」とかこって検索誕生の経緯を話した。サムスンとの協力で市場への投入が実現できたとも語り「引き続き、このパートナーシップを拡大し、新しい機能、ワクワク感を届けたい」とした。
Galaxy S24シリーズは、NTTドコモとKDDI(au)のほか、メーカー直販のSIMフリーモデルが4月11日に発売される予定となっている。