本日の一品

カメラとAIを搭載する骨伝導ワイヤレスイヤホン「VibeLens MusicCam」が楽しい

 サイクリングやツーリング、我が子の成長記録など、見たままを記録したいというニーズが一定数存在する。

 筆者のようなガジェット系ライターであれば、操作中の手元を撮影したい、取材会場で撮り逃しがないように記録しておきたいという、ちょっと違った願望がある。

 そんな筆者が手に入れたのが、「VibeLens MusicCam A35」(以下、MusicCam)だ。国内のクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で充電ケースのオプションも付けたところ、早割価格で3万4350円だった。

 MusicCamは、骨伝導ワイヤレスイヤホンにカメラレンズを搭載した、まさにMusic+Cameraという製品なのだが、スマートフォン向け「HeyCyan」アプリと連動させておくことで、AI機能も使えるという。果たして、3万円台半ばという価格に見合った製品なのだろうか。使ってみた感想をお伝えしたい。

 前述のように、MusicCamは、見た目はただの(少しごつめの)骨伝導ワイヤレスイヤホンだ。右側の振動部前方に「2K高解像度」のカメラレンズを搭載している。製品ページには、6軸手ぶれ補正対応、IPX8防水仕様、カメラで見たものやイヤホンマイクで聞いたものをAIで解析・翻訳でき、「撮影から編集、そしてシェアまで瞬時に」行え、待ち時間不要、と夢のような紹介文が並ぶ。

充電ケースに収めた状態の「VibeLens MusicCam」。なお、充電ケースはUSB Standard-A端子を搭載しており、モバイルバッテリーとしても使える

 使い方は比較的簡単だ。電源ボタン(マルチファンクションボタン。以下MFBボタン)を長押しして電源オン、そしてスマートフォンとのBluetoothペアリングを行えば、ワイヤレスイヤホンとして即座に利用できる。

MFBボタンをはじめ、コントロール部は右側に集中している。なお、MFBボタンは装着時に最も後方になるので、少し練習すれば間違えることがない

 カメラ機能やAI機能を使う場合は、アプリをインストールして開き、MusicCamのMFBボタンを3秒間長押ししてスマートフォンと接続する。アプリ最上段の「MusicCam」が「接続済み」と表示されていれば準備OKだ。

接続しているかどうかは、ここで確認できる。なお、アプリ内でMusicCamが接続できているからといって、オーディオの接続ができているとは限らない。スマートフォンの設定画面から、Bluetooth接続するのを忘れないようにしよう

 撮影や録画操作は、MusicCam本体で行える。カメラを90度回してからMFBボタンを短押しすれば静止画の撮影が行われ、ダブルクリックすれば動画の録画が開始される。録画終了は、録画中にMFBボタンを短押しすればよい。なお、カメラを90度回していない(カメラオフ)状態でMFBボタンをダブルクリックすると音声の録音が始まる。

カメラを90度回す
アプリから行うこともできる。いずれの場合も操作してから2秒ほどでシャッターが切られるので、位置決めのための猶予がある

 これらコンテンツ類は、MusicCam本体に保存される。内容を確認するにはアプリ内の「インポート」を開いて、MusicCamからスマートフォン内に移動させる必要がある。静止画なら短時間で済むが、動画だとそういうわけにいかない。1分程度の動画をインポートするのにかかった時間は50秒であった。確認したところ、ファイル容量が121MBだったので、2Mbps前後の転送速度ではそれだけの時間がかかるのも妥当なところかな、という感じである。

撮影や録音などを行うと、アルバムタブ内に「スマートフォンにインポートできる新しいコンテンツがn件あります」と表示される。「インポート」をタップしてスマートフォンに保存しよう

 おもしろいと思ったのは、AIによる画像認識機能だ。カメラをオンにした状態で、「Hey Cyan」と呼びかけてから、「これは何?」「これはどこ?」などと質問すると、目の前のものを撮影して解析し、音声で教えてくれる。

 動植物には弱いのだが、文字情報であれば、それに付随する情報まで教えてくれるので、普段なら深追いしないことまで知ることができ、ちょっと物知りになった気分を味わえる。

「これは何?」と聞いたところ、かなり詳細に教えてくれた。でも、「送水口」の読みは「しゅすいこう」ではないと思う
「PUDO」の看板の前で「これは何?」と質問したところ、書いてある情報の他に、どのような場合に便利なのかといった背景まで教えてくれた。おもしろい

「Hey Cyan」と口にするのが恥ずかしい場合は、アプリの「スマート画像認識」をタップするだけで良い。目の前に広がる情報を音声で事細かに解説してくれるのだ。

無言でHeyCyanアプリ内の「スマート画像認識」をタップしたところ、長々と音声で説明してくれた。何について質問しているのかを写真で、その内容をテキストで残しておいてくれるので、見返しやすい

 さて、肝心の動画のできはどうだろうか。屋内イベント(PFU主催「フレ!フレ!フリーランス展」)では、光量が安定していることもあり、展示物のテキストまではっきり映っている。

展示会場の様子。掲示物のテキストまでくっきり描写できているので、記録用には良さそうだ。ただ、画角が広いため髪の毛や頬の肉まで映り込んでしまっている。残念である

 一方で、外の散歩風景を撮影したところ、手ぶれ補正機能の効果をあまり感じられなかった。筆者の歩き方に問題があるのは間違いないのだが……。

野外撮影の様子。6軸手ぶれ補正があるとのことだが、歩行ではあまり効果を感じられない。筆者の歩様が良くないだけで、スムーズに歩ける人であれば、流れるような動画を撮影できるかもしれない

 また、カメラが写しているものをリアルタイムに確認できないのもつらいところだ。アプリへインポートしないとどのように移っているのかが分からない。試写してからインポート、その画像で確認をしなければならない。これが地味に面倒くさいのだ。そのため、屋内イベント動画では、パヤパヤとした“おくれ毛”が映り込んでしまっていることに気づけなかった。また、顔の肉がいちいち映り込むのもがっかり度を高める。

 というわけで、商売道具としての本命の使い方はできないのだが、骨伝導イヤホンの割には高音質だし、AI機能がおもしろいし、6軸手ぶれ補正の効果をあまり感じられないものの手軽に日常を録画しておくのには良さそうなので、プライベートでしばらく使っていきたいと思う。

録画中は、カメラのLEDが赤く点灯して、録画中であることが周囲にわかるようになっている
製品名発売元実売価格
VibeLens MusicCam A35日科テク3万4350円