スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneでサイクリングが変わる? スマホと最新工具で走りが劇的変化

 新しめの過去を振り返ってみると、現在はサイクリング関連状況が非常によくなっているように思う。機材も、環境も、いろいろ良好化していて「サイクリングしどきの時代かも」と思ったりしている。

 たとえばiPhone関連。以前からサイクリングにはiPhoneとApple Watchを使っていたが、最近ではサイクリングルート上での電子決済環境がずいぶん整った。サイクリングには水分補給が必須だが、ルート上の自販機が電子決済に対応しているケースが増えている。コカ・コーラ「Coke ON」とかサントリー「ジハンピ」(とくにヒハンピの増加が目立つ)とか。また小さなショップも電子決済対応になっているケースが増え、iPhoneやApple Watchで簡単にドリンクや補給食が買えてヒッジョーに便利だ(そうでない地域も少なくないが)。

東京・青梅駅前の自販機。ジハンピ決済に対応している。サイクリングルートの中継地点としてメジャーな駅だが、こういう駅前でなくとも主要サイクリングルート付近の自販機が電子決済に対応し「えっココでも電子決済できるようになったのか!」という驚きが多い最近(ここ数年)だと感じる。ポタリング勢におなじみの立ち寄りスポットなんかも同様な感じ。

 あとアプリとAI。サイクリング系アプリのデータ・相互乗り入れっていうか共有のコナレ感が高くなっていて応用が利く。たとえばGarminのサイクルコンピュータを使っていてGarmin Connectアプリも使っていれば、サイクルコンピュータのルートログなどのデータをAppleフィットネスアプリやRide with GPSアプリなどと自動的に共有でき、さらにはGoogleマイマップへと容易に書き出せたりする。

スクリーンショットは左から、Garmin Connectアプリ、Appleフィットネスアプリ、Ride with GPSアプリ、Googleマイマップのもの。Garminサイクルコンピュータのデータが自動的に各アプリで共有される。サイクリングして走行ログを残せば、あとは数ステップの操作でGoogleマイマップにルート軌跡を残せるなんて、まあ便利っ! ※数値が若干異なるのはAppleフィットネスアプリはApple Watchでの計測データを優先していたり、アプリごとにデータ算出方法が少し異なっているから、かも、しれないが、詳細はよくわからない。

 こういうことは、わりと以前からできていたことではあるが「やろうと思うと設定がよくわからない」という世界であった。一度やっちゃえば簡単だが「まあいいや共有とかしなくても、方法調べるのとか面倒だし」というハードルがあった。

 だが、現在ではGeminiなどAIに「Garminのデータを各アプリで自動的に共有する方法は?」くらいに雑に訊けばわかり、さらに「Ride with GPSで共有したい」とか追加すれば具体的な方法がわかる。「なんか~3日前からGarminサイコン使い始めたんだけど~、ほかの自転車系アプリとの連携とか簡単で便利ですねー」みたいなお手軽な現実が現在にはある。

 それとサイクリングロード。かつてよく走ったサイクリングロードをGoogleマップ航空写真やストリートビューで見たりすると、「あれ? ここって舗装された?」という状況を見つけられたりする。実際にそこを走ってみると、舗装などでより快適に走れるように整備された区間がけっこうある。「以前はボコボコの道だったのに、こんなにキレイ&走りやすくなってる!」みたいな。

荒川の上流右岸を通る「さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道」。いわゆる「荒サイの上流」だが、これは2010年の様子。細めでデコボコで道の半分は未舗装であった。
2026年のほぼ同じ道の様子。広くなり全面が舗装されてヒッジョーに走りやすくなった。が、夏場には雑草で覆われたりしがちなのはいまも昔も同様。ただ、現在のほうが除草作業が頻繁に行われているような印象がある。
2010年の「さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道」コース案内図。
同じ案内図の2026年の状態。やや老朽化しているが、落書きを含めて全然変わっていないことに、なんだか驚いた。

 自転車そのものや関連機材も進化している。物価高でそれらの価格は高い感じがするものの、2010年あたりのソレと比較すると「この性能のものがこの価格は高くないっていうかむしろ安い」とも感じられる、が、そのあたりの価値観は人それぞれなので割愛してゆきたいッ!!!

 いや~でもチョイ昔と比べると、スマートフォンを中心としたサイクリング環境の良好化には目を見張るものがある。自転車関連機材が「スマートフォンにつながらないと売れない」というのもあると思うが、多くの機材がスマートフォンフレンドリーになっている。また「スマートフォンで手軽に利用できないとサービスとして先細りになる」というのもあるのだろう。加入も更新も故障自転車ピックアップ要請もすべてスマートフォンから手続きできる自転車保険(au損保Bycleなど)もある。

 やはり、現在は、より安楽&便利にサイクリングを楽しめるようになった時代なのだと思う。これから秋を迎えてサイクリングのハイシーズンになるので、ゼヒ!

スマートフォンやITと関係なく進化しているサイクリング系ハードウェア

 スッゲくサイクリングしやすいゼ~! という感じでここ2~3年はかつてないほどガシガシとサイクリングしている俺だが、そんななか「なるほど2020年代はこうなのか~」と感心しているモノがある。2カテゴリーあるが、どちらもスマートフォンやITと全然関係のないモノだ。

 ひとつは「CLIKバルブ」と呼ばれる「自転車タイヤに空気を入れるバルブの新規格」である。従来のバルブを扱う手間と空気入れの面倒を一気に大幅削減した感じの、スンゴく便利な空気入れバルブである。

CLIK(クリック)バルブと呼ばれる、自転車タイヤの空気を注入するバルブ部の新規格。ポンプやキャップの着脱が非常に簡単なのだ。キャップは回す必要がなく抜き差しするだけ。
空気入れ側(ポンプヘッド)も軽い力で「押し込む」「引き抜く」だけ。空気の流量も多く、手動での空気入れ自体も少しラク。
米式バルブ対応の空気入れ(ポンプヘッド)は、CLIK対応にするアダプター(写真は「CLIK ポンプヘッドアダプター」)を追加すれば、CLIKバルブへの空気注入が可能になる。

 コレがヒッジョーに便利。とくにスポーツ自転車の場合は激便利。空気入れの手間が大きく省けるからだ。

 スポーツ自転車の多くには仏式バルブが使われているが、空気入れのたびに「キャップを外す」「バルブを緩める」「バルブを押して軽く空気を抜く(固着解消)」「ポンプヘッドをセットする」「空気を入れる」「ポンプヘッドを抜く」「バルブを締める」「キャップを装着する」といった手順を踏む。ちょっとメンドクサイ。

 CLIKバルブの場合は、「キャップを外す」「ポンプヘッドをセットする」「空気を入れる」「ポンプヘッドを抜く」「キャップを装着する」となり、手間がいくつか省ける。同時に、バルブに対するポンプヘッドの抜き差しやキャップの着脱がほぼワンタッチという感じなので、実質は「バルブにポンプヘッドをつないで空気を入れるだけ」という感覚。メンドクサさはごく僅かだ。

 ホ~ントに便利なので、俺の場合は手持ちのスポーツ自転車を次々とCLIKバルブ化している。従来のバルブからCLIKバルブへ変更する場合でも、かかる費用が案外少ないというのもCLIKバルブのナイスな点であるが、そういうことまで含め、自転車ショップの方いわく「ここ数年でCLIKバルブにする人がとても増えている」そうだ。自転車への空気入れをもっと手軽化したい人はゼヒ!

 もうひとつ、電動ポンプ。クルマ用もバイク用も自転車用も、最近では電動ポンプが流行りつつあり主流にもなりつつある。俺がサイクリング時に携行しているのも電動ポンプだ。

使っているのはトレック(TREK)の充電式電動ポンプ「Air Rush(エアラッシュ)」。価格は1万2900円。本体サイズは45×32×80mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは133g。携帯に便利な大きさ重さである。仏式バルブと米式バルブに対する空気注入に対応する。
バルブに押し当ててボタンを押す程度で、設定した圧まで自動的に空気を注入。最大空気圧は120PSI(約8.27bar/約827.4kPa)までで、満充電の状態からだと「80PSIまでの空気入れをタイヤ3本分注入可能」となっている。充電用ポートはUSB Type-C。
動作音は(ほかの電動ポンプと同様に)ちょっとウルサいが、ラクに空気入れができて実用的。前出のCLIK対応にするアダプターを直接装着することもできるので、CLIK対応電動ポンプ化も容易だ。

 CLIKバルブと電動ポンプがスゲくツカエるので、俺の場合は古い「空気入れ系グッズ」の多くを処分した。自転車関連アプリがどんどんスマートに使える他方で、こういったツールも次第にスマート&シンプルになっていて愉快。これから涼しくなりつつサイクリングに好適な季節に入るので、こういう新世代機材とともに、ゼヒ!

それでも「従来からあるツールたち」が活躍し続けたりもする

 前述のような新たなソフトウェアやハードウェアが登場する自転車界隈だが、それでも昔ながらのツールが活躍してくれる。時代が変わっても、自転車の基本的なシクミは大きく変わっておらず、たとえばネジ類は古い工具でも回せる、みたいな。

確か2010年頃から使っている(といってもサイクリング時にツールバッグに入れているだけのことが多い)携帯用ツールキット。製品はTOPEAK(トピーク)「RATCHET ROCKET LITE DX(ラチェット ロケット ライト DX)。内容物は、ビットラチェットツール、マグネット式ビットホルダー、六角ビット(2/2.5/3/4/5/6/8mm)、トルクスピット(T10/T15/T25)、PH2プラスドライバー、タイヤレバー×2本。黄色いポケットにパンク修理用パッチを入れて携行している。現行品で、Amazonで5049円で売られている。
サイズは長さ120×幅63×厚さ25mmで、重さは155g。容易に携行できる。

 この携帯用ツールキットTOPEAK「RATCHET ROCKET LITE DX」は、コンパクトさと軽さと扱いやすさが好きで使っている。とくにラチェットの歯数が多く(たぶん52ノッチ)、ラチェットレンチとして気分よく使えるのが好き。まあでも、ほかにも似たようなツールキットがあるので、「コレが超オススメ!」ってわけでもない。

 もうひとつ、「コレはかなりオススメ!」というツールキットもある。WERA(ヴェラ/ベラ)の「自転車セット1(05004170001)」だ。8000円前後で売られている。

ここぞという場合に持ち出す携帯用自転車ツールキットのWERA「自転車セット1(05004170001)」。内容物は、ビットラチェットツール、マグネット式ユニバーサルビットホルダー、六角ビット(2/2.5/3/4/5/6/8mm)、トルクスピット(T10/T25)、PH2プラスドライバー、タイヤレバー×2種(現行品には付属するが写真の古いセットには付属していなかった)。メッシュポケット付き。Amazonでは8398円で売られている。
サイズは長さ135×幅95×厚さ40mmで、重さは283g。携帯用としてはやや大きめ。

 WERAのツールは使い心地が非常にイイ。たとえば六角ビットなら六角ネジへの食いつきがスゲく良好。またこのツールに含まれるビットラチェットツールは歯数(ノッチ数)が60で、こういう小型ツールとしては突出した「気持ちいい使い心地」がある。気分よく使えるワンセットとして、俺はコレをオススメしてゆきたいッ!!!

 あと今年になって買った携帯用ツールで、イイ感じに使えるのがあった。TOPEAKの「TORQ STICK 2-10Nm(トルク スティック 2-10Nm)」だ。メーカー価格1万6500円。

TOPEAK「TORQ STICK 2-10Nm」はトルク調整範囲2~10Nmの携帯向けトルクレンチ。専用ホルダーに5つのビットが入る。付属ビットは、六角ビット(3/4/5mm)、トルクスビット(T20/T25)。Amazonでは1万3200円で売られている。
専用ホルダーは分離する。内部に5つのビットが入っている。
トルクは比較的に正確に設定できる。回転時に調整トルクまで締めると明確な「クリック感」がある。「カチン」といった明確な音は出ないが、手への十分なクリック感があるのでサイクリング中でも正確なトルクでネジ締めができる。緩め側のクリック感はない。

 カーボンフレームのe-bikeに乗り始め、サイクリング中のサドル高調節に便利に使える工具を探していてこれを発見。「これは使いやすそう!」と思って速攻で買って使ったら非常に使いやすかった。クリック感がなくて目盛りを読む必要があるタイプとか、やはりクリック感がなくて一瞬だけトルクが抜ける(滑るような感触)のタイプとか、そういうものに比べると「ものすご~く快適に使える」という印象。まあでもお値段が……って感じだが、「なるべく正確なトルクでなるべく使いやすい携帯向けトルクレンチを!」って人にはかなりオススメである。

 ただ、ビットが収まる専用ホルダーは微妙に使いにくい。嵩張るし、開閉も硬いし、ちょっと疑問が残る。まあよりコンパクトなビットホルダーを携行すればいいだけかもしれないが。

 てな感じで、昔ながらのツールでも使いやすいものは多々ある感じ。もうチョイ暑さをしのげば、すぐそこに爽やかな空気と澄んだ空のサイクリングハイシーズンが来るので、お気に入りツールを携えて、ゼヒ!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。