本日の一品

撃つためではなく“ばら撒く”ために最適化された電動ガジェット

 「Make It Rain(札を雨のように降らせる)」という表現が、アメリカのヒップホップカルチャーやナイトクラブ文化の中で定着したのは1990年代後半から2000年代初頭にかけてである。紙幣を手で撒き散らす行為そのものが、成功や景気の良さ、祝祭性を象徴するパフォーマンスとしてリアルでもシネマの世界でも受け入れられてきた。

 その後、2010年代に入ると、この行為を“より派手に”“より楽に”“映えるように”行うためのガジェットとして登場したのが、いわゆる「Money Gun」だ。見た目は銃だが、弾丸は撃たない。撃つのは紙幣だけである。

 当初は米国のクラブシーンやミュージックビデオの小道具として使われていたが、現在では結婚式、誕生日会、企業イベントなど、国や文化を越えて「お金をばら撒く演出装置」として広く浸透している。そんな雰囲気にピッタリのゴールドのSuper Money Gunを昨年末、Temuで発見し脊髄反射的に買ってしまった。

Money Gun全体

 こうした背景を知った上で改めてMoney Gunを手に取ると、これは単なるパーティーグッズではなく、「文化をそのままガジェット化した装置」であることがよく分かる。

 筆者がこのSuper Money Gunを購入した理由も至って単純で、「お札をばら撒く」というスタイルそのものが、あまりにも分かりやすく、そして馬鹿馬鹿しくて気に入ってしまったからだ。

パッケージを開けると、同梱物は実にシンプルである。

  • Money Gun 本体
  • ダミーのドル紙幣100枚
  • 取扱説明書

 この取扱説明書がまた強烈で、筆者の人生で見た中でも屈指の極小フォントで書かれている。日本語表記も一応用意されているようだが、正直なところ老眼でなくても虫眼鏡が必要なレベルだ。もっとも、構造が極めて単純なため、説明書を一切読まなくても使用に全く支障はない。

パッケージと同梱物一式
極小文字の取扱説明書

 では、このSuper Money Gunはどのような仕組みで動作しているのかを見てみたい。電源は単3電池3本。本体グリップ内に電池をセットするだけで準備は完了だ。照準部分をつまんで上部のフタを開け、付属のダミー紙幣を束のまま内部にセットする。ここで重要なのは、紙幣を無理に詰め込まず、軽く揃えて入れること。これだけでトラブルはほぼ回避できる。

電池ボックスと単3電池
紙幣をセットする内部構造

 トリガーを引くと内部モーターが作動し、先端部分に配置されたゴム製ローラーが回転する。同時に、ゴムローラー直前にあるピンが下がり、紙幣が1枚ずつローラーから送り出される仕組みだ。その結果、紙幣は連続的に前方へ押し出され札口(銃口)から勢いよく飛び出していく。札口を仰角30~40度上に向けるのがベストだ。

 一口で言ってしまえば、これは“札用の電動カードディスペンサー”である。
トリガーを引く=スイッチON。極めてガジェット的で分かりやすい動作体系だ。

 もちろん威力はほぼゼロで、安全性は高い。ただし、厚紙や硬いカードを入れるのは推奨されない。あくまで「軽い紙を飛ばすための装置」であり、ブロワー系玩具とは別物である。

 文章で説明するより、実際の動作を見るのが一番早い。百聞は一見にしかず、である。

発射シーン(連続的に紙幣が飛び出す様子)

実際の発射動画

 実際に日本で使うことを想定すると、注意点もいくつかある。構造上、日本の1万円札も物理的には問題なくセットでき、発射も可能である。しかし、日本円の毀損や誤解を招く行為は避けるべきであり、実使用ではダミー紙幣やクーポン、割引券などを使うのが現実的だろう。

 その意味で、このSuper Money Gunは「何を撃ち出すか」を工夫することで、用途が大きく広がるガジェットである。新年会、入学・卒業、友人の歓送会など、人が集まる場面での演出装置としてのポテンシャルは高い。筆者自身、今後予定しているフリーマーケットイベントで、割引チケットを発射する用途に使おうと考えている。

 撃つための銃ではなく、場を盛り上げるために“ばら撒く”銃。Super Money Gunは、その割り切りの良さこそが最大の魅力なのだ。

商品名販売元実売価格
Money GunTemu819円