本日の一品

20種類の“謎音”を操れる「電子版・悪戯サーキット」を買ってしまった

 身の周りに置ける小さな電子ガジェットは日々進化しているが、“悪戯(いたずら)”に特化した製品となると、ここ数年はユニークな方向へ深化しているようだ。

 筆者が今年初めにSNS等で紹介したコオロギ風ノイズ発生器「CRICKET NOISE MAKER」もそのひとつで、ボタン電池と圧電スピーカーだけで昆虫が鳴くような微かな異音を発生させる、極めてシンプルな構造だった。ランダムで鳴る間隔も絶妙で、ちょっとしたジョークグッズとしては完成度が高かった。

 そんな“電子悪戯”の系譜に、より高機能化した次世代モデルが登場した。今回紹介する「Remote Controlled Timer Prank Noise Maker」は、20種類のサウンド、リモコン操作、長時間駆動と、悪戯ガジェットとして大幅に進化したモデルである。

 今回のガジェットの本質は、従来モデルと同じく「悪戯」だ。ただし出来ることの幅が一気に広がった。リモコン操作により任意のタイミングで好きな音を鳴らす“即応型の悪戯”と、あらかじめ設定したインターバルで音が自動再生され続ける“じわじわ型の悪戯”という、まったく違う二つの遊び方が可能になった点が大きい。

 どうもリモコンは他の機器用のモノを転用している様だった。音量アップやダウンの機能はボタンには表示されているが長押ししても短く押しても20種類の用意されたサウンドのループ型の選択意外には使えなかった

 収録されているサウンドは20種類。前モデルの約3倍であり、ラインアップは救急車のサイレン、火災警報器、電子ベル、固定電話の呼び出し音、猫の鳴き声、虫の羽音、意味の分からない電子ノイズなど、いわば“実用系”から“謎音系”まで幅広い。

 単純に音が増えただけではなく、悪戯の演出に使える「現実にありそうな音」を複数収録したことで、シチュエーションの幅も大きく広がった印象だ。

 特に便利なのが、リモコン側で切り替えられる Timer Based Startup Feature だ。MODボタンを押すたびに、①Random 1~5分 ②Random 5~10分 ③Random 3~20分④自動再生オフ、の4状態を順番に切り替えられることだ。

 リモコンで一度選択セットしてしまえば、あとは指定のランダム間隔で延々と鳴り続けてくれる。オフィスの大きなレーザープリンターの裏面やコピアの底面、椅子の見えにくい場所(写真は敢えて分かる位置に貼りました)、自宅の冷蔵庫の裏、シューズボックス内など、回収しにくい場所に設置する場合はこのモードが便利だ。

 大型冷蔵庫の裏などの場合は上から紐で吊るすか回収は諦めて落下させるしか手段が無いこともあるが、大人の子供っぽい悪戯の徹底化を謀るならこの際、購入コストは忘れても良い気迫が必要かもしれない。しかしくれぐれも安全性だけは考慮しておく必要はあるだろう。

 音量は“ひっそり系”から“誰でも気付く系”まで幅があるが、圧電スピーカー特有のシャープな音質のおかげで、小音量でも案外よく通る。特に金属的なノイズや昆虫系の音は静かな部屋で鳴ると妙に耳につき、気付いた人が「今の音、何!?」と軽くザワつくタイプだ。

 電源は単4乾電池2本に強化され、従来のCR2032仕様より圧倒的に駆動時間が伸びた。実際に筆者宅でのテストでも、シューズボックスの中や椅子の裏にしばらく設置したままでも減りが遅く、長時間運用に向く印象だ。

 リモコンの到達距離は自宅内のテストでは概ね6m前後。見通しのある環境なら問題なく届くが、家具の裏や内部に隠すと距離が縮まるのは当然なので、設定だけ先に済ませておくのが現実的だろう。

 本体は小型軽量で、付属の両面テープや市販のマグネットでほぼどこにでも貼り付け可能。ベンチの裏や収納扉内側、ラックと壁の隙間など、ちょっとした暗所へ取り付けると、本来の“じわじわ効いてくる悪戯”としての本領が発揮される。

 一方、リモコンを使う「手動トリガー型」もなかなか面白い。例えばカフェで友人が席を立った瞬間に椅子の横へ仕込み、戻ってきたあとでタイミングを見計らって昆虫音を鳴らす…といった“場の空気をほんの少し乱す”程度の遊びにちょうどよい。音の種類が20個もあるので、相手の反応を見て音を変える“演出”ができるのも本製品ならではの妙味だ。

 実験を兼ねて、筆者は先日、ランチ後のコーヒータイムに相手側のソファの隙間へ本体を忍ばせ、コオロギ音を時折リモコンで鳴らして反応を楽しませてもらった。もちろん最後は種明かし込みで、その場は和やかな笑いに包まれた。こうした電子ガジェットにおける“悪戯”は、場を明るくし、人を驚かせ、ちょっとした物語を生むためのスパイスである。

 しかし同時に、誰かが不快にならない節度ある使い方も欠かせない。今回の「電子版・悪戯サーキット」は、音の多様性・再生モード・長寿命化と三拍子揃った“遊べる電子デバイス”だ。20種類のサウンドを相手に合わせて選びつつ、笑いにつながるハッピーな使い方を楽しんでいただきたい。

商品名発売元実売価格
電子版・悪戯サーキットtemu1500円前後(本年9月初旬)