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通知の読み上げが便利な「HUAWEI Eyewear 2」と「Galaxy Z Fold5」、ただし課題も

 ファーウェイのオーディオグラスこと「HUAWEI Eyewear 2」を購入した。同機は、一言で言えばメガネ型のイヤホン。ツル(テンプル)部分に指向性のあるスピーカーが搭載されており、耳に音を直接届ける仕組みだ。これだけを聞くと盛大に音漏れしそうだが、ツルの部分には逆位相の音を出すスピーカーも備えており、逆ノイズキャンセリングのように周囲に広がる音を打ち消している。

オーディオグラスのHUAWEI Eyewear 2を購入。Galaxy Z Fold5にペアリングして使っている

 とは言え、音量を上げすぎるとやはり音は漏れる。電車やエレベーターなど、他人と一緒に乗るときには音量を下げざるをえない。一方で、上記の仕組み上、耳をふさいでいないため、当然ながら周囲の音はそのまま聞こえる。音が発生していないときには、単なるメガネと同じだからだ。音漏れしないレベルの音量だと、車通りの多い道や電車が行きかう駅などで音楽を聞くのが少々厳しい。

 こうした音量調整が面倒なことや、音漏れレベルが自分では分かりづらいこともあり、結局、音楽を聞くデバイスやイヤホンに戻してしまった。逆に、ある程度音が聞こえればいい動画を見るときや、ビデオ会議などには活用している。イヤホンをわざわざ装着する必要がなく、長時間かけていても疲れないため、音楽のような作品を楽しむためのものというより、実用性の高い用途に向いている気がする。かけっぱなしで電話に出られるのも便利だ。

スピーカーはテンプル部分に搭載。この部分から指向性のある音を出している。ただ、音量を上げすぎると構造上、どうしても音が漏れてしまう

 特に、1時間以上に渡るビデオ会議の場合、耳に指すイヤホンだと、終わったあとの疲労感が強くなる。耳が痛くなるのも難点だ。このような場合でも、HUAWEI Eyewear 2ならメガネとしてかけているだけでOK。サイズや重量も一般的なメガネとさほど変わらないため、かけっぱなしでも疲れない。コロナ禍が明け、オンラインだけの記者会見やイベントは減ってしまったものの、このようなときこそ、HUAWEI Eyewear 2の出番と言えるだろう。

 ただ、それだけだと少々活躍の機会が少ないような気もした。そこで筆者は、スマホに届いた通知をHUAWEI Eyewear 2で読み上げるよう設定した。同機には、メイン端末として活用している「Galaxy Z Fold5」をペアリングしている。Galaxyシリーズには「ルーチン」という機能があり、これを設定すると、特定のBluetoothデバイスに接続したときだけ、通知を読み上げるよう設定することが可能だ。今回は、この機能を利用した。

ルーチンは、特定の条件をトリガーにして設定を変更するための機能。筆者はHUAWEI Eyewear 2接続時に、通知の読み上げを有効化している

 メガネをかけているだけで通知を読み上げてくれるようになると、すぐにスマホをポケットから取り出すかどうかを、その場で判断できる。急ぎで見なくてもいい通知や、スルーしていい通知のときは、読み上げだけを聞き、スマホをポケットにしまいっぱなしにしておくことができるというわけだ。スマートウォッチの通知確認に近い使い方だが、常時かけているメガネから音が聞こえてくるため、腕を上げる必要もない。ノーアクションで聞くだけというのは、実に便利。この機能のお陰で、HUAWEI Eyewear 2装着時はスマホを手に取る回数が減った気がする。

 一方で、あまりに回数が多いと、耳元で音が鳴りまくってしまう。筆者の場合、平日の昼間のメールが厄介だ。プレスリリースがドサドサと配信される11時台や15時前後は音の大洪水。しかもGalaxyのルーチンは、仕様上、通知に残っているものをまとめて読み上げるようになっている。通知を消すかメールを読むかして数を減らさないと、新着のメールが届くたびに延々と同じメールの送信元が読み上げられてしまう。

 特に、プレスリリース配信サービスは、同時刻に複数メールが届く傾向がある。しかも、メールの仕組み上、常に同時に着信するとは限らない。最初に届いた3通ぶんの「インフォアットマークピーアールタイムスドットジェイピー」と読み上げたあと、さらに2通が届くと、計5通ぶんの「インフォアットマークピーアールタイムスドットジェイピー」が再び読み上げられる。2回、5通のメールが来ただけで、8回も同じ送信元を読み上げてしまうということだ。さすがにこれだと作業に集中できないため、設定を変更することにした。

読み上げるアプリを選択することが可能。ここでGmailを除外した

 Galaxyのルーチンで設定する通知の読み上げでは、特定のアプリを除外することが可能だ。メールであれば、必ずしもリアルタイムでチェックし、返信する必要はないため、Gmailアプリを丸々対象から外した。これで、読み上げられるのはLINEやFacebookのMessengerなどのアプリだけになり、かなりスッキリした。通知が届きすぎるのも、考え物だ。

 不具合的なところとして、そのMessengerがたまにきちんと読み上げられず、端末から音声が出てしまうことがある。静かなところだと、これが困る。チャットでの打ち合わせなど、あまり表に出てはいけない話をスマホがべらべらしゃべってしまうのは考え物だ。どちらかと言うと、HUAWEI Eyewear 2というより、Galaxy側の制御がうまくいっていないような気もするが、安定するまでは、Gmailだけでなく、Messengerも読み上げ対象から外しておいた方がいいだろう。