本日の一品

新設計のJETSTREAMリフィルを内蔵して生まれ変わったLAMY safari
2025年4月8日 00:01
2024年2月、三菱鉛筆が、ドイツの老舗万年筆&ボールペンブランド「LAMY(ラミー)」を連結子会社化するというニュースが報じられ、文房具愛好家たちの間に激震が走りました。
三菱鉛筆といえば、氷の上をなぞるかのような滑らかな書き心地で知られる低粘度油性インクボールペン「JETSTREAM(ジェットストリーム)」シリーズ。
一方、LAMYは可愛らしくも気品を感じさせる秀逸なデザインと、一度使うと手放せなくなる独特の握り心地を持つ「LAMY safari(サファリ)」シリーズでよく知られています(評価はすべて筆者個人の感想です)。この二つが融合した製品が登場するのか、と期待した文房具好きは多いことでしょう。
その期待に応え、ついに三菱鉛筆から「JETSTREAM内蔵のLAMY safari」が発表され、一部店舗限定で販売が開始されたのが2025年1月末でした。筆者も文房具好きとしていち早く入手したかったものの、どこも売り切れが続出。なかなか手に入らない状況が続きましたが、ある日、売り場に一本だけ残っている現物を発見。一もなく飛びついて購入することができましたので、ぜひご紹介させてください。
「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」と名付けられた本製品、その名前の通りJETSTREAMのインクを内蔵したLAMY safariなのであろうと使ってみる前までは想像していました。が、使ってみてビックリ。既存のJETSTREAMとも、LAMY safariとも、書き口が微妙に違う気がするのです。
JETSTREAMといえば前述の通り、油性インクでありながら異様なまでにスルスルと線を引けるその筆滑りに特徴があります。実は筆者は、JETSTREAMのボールペンとあまり相性が良くありません。筆圧や筆記の癖と滑りの良さが折り合わず、どうにも書いた字が好きになれずモヤッとするのです。好みの字を書くことができるペンが自分にとって一番良いペンだと感じている筆者にとって、積極的に使いたいボールペンではありません。
一方でLAMYの「LAMY safari」については、スタイルは良いけど微妙、と個人的に評価していました。見た目の可愛らしさは言うまでもありませんし、特徴的な三角形の握りは持ちやすいものの、肝心のボールペンとしての書き口は微妙で、日本の優秀な筆記用具たちと比べると、見劣りならぬ書き劣りしてしまうと感じていたのです。
そんな印象を持っていた両者が融合した「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」。実際に試し書きをしているうちに、あれっ? これは何か違うぞ……!? と違和感を覚えました。ツルツルと書きやすい一方で、筆跡が滑り過ぎずに止めたいところで止まれるし、脳内で描いている字に近い筆跡で文字を書くことができる。つまり、ものすごく手に馴染んで書きやすい。4000円もしないボールペンでこんな感動するものかと驚いてしまいました。
後から調べたところ、本製品はLAMYのリフィルにJETSTREAMインクを詰め込んだだけの単純なものではなく、ボールペンとしての機構をすべて新設計して開発されたものだそうです。その開発経緯や理念については、僚誌「Impress Watch」のインタビューでとても詳しく語られています。文房具好きやLAMYファンには必見の内容です。
ともあれ、以前から愛用していたLAMYの万年筆に加え、「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」が筆者の筆記用具の一軍、しかも主力の一つとして加わったのは予想外の喜びでした。上述のインタビューによれば、今後も意欲的な製品が登場する予定とのこと。さらなる新製品に期待を寄せつつ、これからも文房具の魅力を探求していきたいと思います。
製品名 | 購入場所 | 実売価格 |
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LAMY safari JETSTREAM INSIDE | ビックカメラ有楽町店 | 3630円 |