その日の“コミュ障”の程度を表現することでコミュニケーションが広がるバッジ

MY SOCIAL BATTERYと言うコミュニケーションバッジを大人買い

　「コミュニケーション障害」という言葉が昨今は大きく注目されることが多い。そもそもコミュニケーション障害とは本来、診断基準のある正式な医学用語だが、ネット上や若い世代では“コミュ障”などと略され人見知りなどを指す言葉として、よりカジュアルに使われているようだ。

　「集団の中で話すのが苦手」とか「空気が読めないヤツ」とか言われたり、誰も自分のことを理解してくれなかったりなど、そんなことが重なってしまうとますます落ち込んでネガティブ思考のループに入ってしまうことが多い。これはコミュ障の傾向のある人でなくても何度も同じようなことがあると一時的に陥ってしまうネガティブな現象だ。

　海外では、人と話したり社交性を持続したりするために気をつかう自分の体内エネルギーのことを「SOCIAL BATTERY」（ソーシャルバッテリー）と表現することがある。人間、誰もが永遠になくならないエネルギーを持っているわけではない。時には人との接触を避けて一人静かに本を読んだり、ドラマを観たり、自分の好きなことに没頭してソーシャルバッテリーを充電する必要がある。

10個で956円だったので大人買い

　そしてマジに電池切れのステータスになったら“今自分はバッテリー切れでやる気なし！”という状況を表明することで気分的に楽になることも多い。そんな時に周囲があなたのバッテリー状況を知ることのできるバッジが売られていたので、速攻で10個ほど手に入れた。先日来、会う人ごとに配って既に手元には半分ほどになってしまった。

　その名の通り“MY SOCIAL BATTERY”（マイ・ソーシャル・バッテリー）と呼ばれるバッジには7段階のグレードが表示されWORST（最悪）～The Best（最高）までスマイルマークで表現されている。そして7段階を縦断するスリットには、稲妻カーソルが付いていてスライドすることで最悪～最高までの任意のポジションを簡単に指し示すことができる。

　マイ・ソーシャル・バッテリーバッジの7段階の超苦い顔から満面の笑みの顔に至るイメージは、もうかなり昔になるが建築家でアーティストであるアランシルベスタインが作ったPICT Smileと呼ばれる腕時計の曜日表示とよく似ている。初期設定では“最悪が月曜日”になっているが人によって設定は自由だ。

筆者愛用の腕時計の曜日アイコンにも似ている

　マイ・ソーシャル・バッテリーバッジの背面には安全ピンが取り付けられていてジャケットやバッグ、帽子などに簡単に取り付けて”今の気分”を周囲にアピールできる。一番最初にマイ・ソーシャル・バッテリーバッジを手渡した友人は、稲妻カーソルを間違って設定したのか本気なのか”今、私に話しかけるなよ！”状況のようだ。

マイ・ソーシャル・バッテリーバッジの裏には安全ピンがあり簡単に取り付けできる

　今回のマイ・ソーシャル・バッテリーバッジは、最近筆者のお気に入りのAliExpressで大人買いしたが、このデザイン以外にもたくさんのバリエーションやカラーモデルが発売されており、その中からお好みのモノを選ぶのもなかなか楽しいだろう。

さまざまなデザインのマイ・ソーシャル・バッテリーバッジがAliExpressでは手に入る

　実はそれほどメジャーではないが、Google Playアプリにも“Social Battery”アプリは存在する。このアプリは今回のマイ・ソーシャル・バッテリーバッジのように、現在のコミュ障の程度を自分以外の周囲にグラフィカルに公表するモノではない。

ソーシャル・バッテリースマホアプリも既に存在する

　目的はあくまで自分個人の記録として残しておいて、後で人と会ったスケジュールやミーティング、移動、お天気などのWebサービスと比べて自分なりに分析するためのログだ。なので、クラウド記録するとか共有設定には全く非対応。感覚的には毎朝の体温記録アプリに近いイメージだ。ただ体温計のようなデバイスを使用せず、あくまで自分の感覚でバッテリー数値を記録するだけだ。

　マイ・ソーシャル・バッテリーバッジは、カラーリング的にはSDGsバッジにも似ているが共有するメッセージを発信するパブリックなアイテムとは異なり、あくまで今現在の個人のステータスを表明できる超個人的なバッジなのだ。ちなみにSDGsバッジはアマゾンで1個699円、マイ・ソーシャル・バッテリーバッジはAliExpressで10個956円だった。

さて明日はどっちをジャケットの襟に付けて人と会おうか……

　SDGsのバッジを着ける効果は、SDGsに取り組んでいることを表明してバッジをつけている人同士での一体感や連携を生み出す効果を狙っているものだ。一方、マイ・ソーシャル・バッテリーバッジは、それを着けることで相対する人に現在の気分をアイコンで表明することで気分がリリーフされたりコミュニケーションが生まれる効果もありそうだ。

　もちろん、最右翼の濃いグリーンのスマイルポジションを稲妻アイコンが常時指し示すように設定して、100％フレンドリーな対応をするつもりであることをあからさまに意思表示するすることも大いに意義のあることだ。何より必ずその場で話題になることがマイ・ソーシャル・バッテリーバッジのグッドポイントだ。