本日の一品

Boogie Boardの最新機種「BB-17」を買ってみた

最新のBB-17は右下角のERASEポジションが特徴の8.5インチサイズ

 今から14年前の2009年に、人生で初めてのBoogie Board(ブギーボード)を買って以来、その類似品を含めると今までに数えきれないくらい買ってきた。衝動買いも断捨離も超早い筆者としては極めて珍しく、今もそのほとんどは自宅にストックしていてほぼ全てが完動の状態だ。

14年前に筆者が米国から購入した初代Boogie Board。基本はなにも変わっていない。しばらく初代を抜けなかったBoogie Boardだが最近のモデルはやっと超えた

 さすがに2009年に米国から買ったオリジナルBoogie Boardは、もう何度も無理矢理バッテリーを交換しバッテリーカバー周りは何度も張り直したセロハンテープでみじめな姿になっている。オマケにLCD表面は細かな傷だらけ。しかし今も全く問題なく動いている。

 Boogie Boardは製品の出荷を重ねるとともに、A4やレター版に近い少し大きなサイズは減少し、片手で持てるモバイル系のラインアップが増加している。大きなサイズは壁掛けなどの固定仕様になってきた感じだ。BB-12やBB-14、今回のBB-17などが前者の片手持ちモバイルモデル。類似品にまで広げると海外では17インチや20インチ超えるモデルもあるが、日本ではやはりコンパクトなサイズが人気のようだ。

昨今のBoogie Boardは片手で持てるハンドヘルドサイズが流行りだ。右端は筆者がTrackPointキャップを勝手につけた類似品。
上野のヨドバシカメラで通りがかりに見つけて買った最新のBB-17

 今回ご紹介するモデルのBB-17は、筆者的には片手持ちできる最大サイズ(約136×184×6mm)だと思っている。重さは120gとステンレス製ベルトの腕時計くらい。画面サイズは8.5インチ(177×130mm)CR2016コイン型リチウム電池1個で約3万回の筆記・消去が可能だ。

BB-17は標準的な男性が片手で持てる最大の大きさのBoogie Boardだ

 BB-17のユニークな点として、背面にはリトラクタブル(折り畳み式)なスタンドが付属し、指で引き起こして固定することで縦位置、横位置での表示専用スタンドとなる。自宅をあける時の家族へのメッセージボードやカフェのメニュー、お知らせボードとしても使えそうだ。背面の上部分にはマグネットもあるので、吸着させることも可能だが筆者宅の冷蔵庫は前面が金属素材ではないので、この恩恵にはあずかっていない。

背面にはリトラクタブルスタンドが収納されていて縦横好きなスタイルで自立する。マグネットによる吸着もできる

 Boogie Boardも以前のレガシー系モデルや今でもいくつかの新しいモデルでも専用の“消去ボタン”を押すことで、筆記内容をクイックに消すことができるようになっている。昨今のモデルでは、誤消去を防ぐために誤消去防止スイッチなども用意されている。

 今回のBB-17モデルは、少し前に発売された壁掛けモデルのBB-15(11.3インチ)と同様、スタイラス上部に仕組まれたマグネット部分を、BB-17右下にある“erase"と記された消去スペースにタップ(近づける)することで全面消去が可能となっている。以前のように鞄の中で自然に消去ボタンが押されてしまう事故などもかなり減るだろう。

専用スタイラスの上部のマグネットをeraseポジションにタップして画面消去する仕組みは壁掛け用のBB-15譲りの仕組みだ。ペンを失くした時にも消去できる予備マグネットはあった方が良い

 ただ、Boogie Boardは専用ペンでなくても爪先でも筆記できて消去ボタンで簡単に消せるのが特徴だった。マグネットスタイラスの場合だとペンはなくしても問題ないが、マグネットはなくすと面倒だ。筆者は余ったキーキャップに100円ショップでたくさん買える、小さなマグネットをボンドでつけたモノをスチール製のホワイトボード用に使っているので、スタイラスが見当たらない時はそれを代用している。

 BB-17も専用スキャナーアプリの“Boogie Board SCAN”の設定で、BB-17を選択して写真を撮影する感覚で、筆記済みのBB-17にスマホカメラを向けると自動的に筆記面を撮影し、白黒反転2値画像としてキャプチャーしてくれる。編集機能もあるので着色したり、手書きを書き加えたり、また消したり、タイプしたり回転させたりとさまざまな編集操作が可能だ。

Boogie Board SCANアプリでBoogie Boardに筆記した内容をスマホカメラでスキャンしてデータとして取り込める。編集機能で着色したり加筆やその他の編集も可能だ

 しかし、昨今ではごく普通の紙に鉛筆手描きしたメモをGoogle KeepやDropboxの撮影機能で撮影して任意のクラウドサービスにアップロードすることもいとも簡単にできるので、Boogie Board SCANの価値は極めて微妙だが、Boogie Board専用のキャプチャーツールだと考えれば良いだろう。

 筆者はBoogie Board SCANを、筆記テキストの2値画像生成ツールとしてよりも2値画像撮影デジカメとして使った方が面白いと思っている。一般的な撮影範囲はBB-17の額縁サイズ。その額縁を遮蔽することなくBB-17を黒い撮影背景紙として使うと立体物もけっこう予想外の楽しい味のあるモノクロ2値写真が撮れる。

Boogie Board BB-17の筆記面を背景に使ってBoogie Board SCANアプリを楽しい“2値デジカメ”として使うと味のある写真が撮れる

 文字や写真を含んだ撮影画像はSNSページやクラウドストレージなど自分が普段から使っているWeb上のワールドにアップロードして活用することも可能だ。今回は筆者のLINEと契約しているDropboxにアップロードしてみた。

 共有アップロードの操作はスマホを使って画面タップ3回ほどで極めて短時間に処理は終了する。モバイル環境でもBoogie Board BB-17とスマホさえ持っていればどこからでも手書きアナログ情報を世界中に送れるので便利で快適だ。

撮影画像やスキャンデータはスマホで各種SNSやクラウドストレージにアップロード共有が簡単だ

 Boogie Board BB-17は、モバイル環境で扱える最大に近い手書き面積をギリギリ片手に収まる絶妙のバランスのとれたサイズ、重量で実現したオリジナルBoogie Boardを確実に超える逸品だ。

製品名発売元実売価格
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