本日の一品
くりかえし書き消し出来る「Kaite」のメモタイプと貼れるタイプを買ってみた
2023年1月16日 00:00
鉛筆と紙に代わりそうなペアアイテムのご先祖様は昭和な筆者の子供の頃から現代迄延々と続いている「おえかきせんせい」(お絵描きボード)が余りにも有名だ。令和生まれのZ世代でも遊んだことのある子供は多そうだ。
磁石のペン先でお絵描きボードの上をなぞるとボードの底に沈んでいる砂鉄(磁性粉)がボードの表面側に引き寄せられ黒い筆跡に見えるモノだ。消す時はレバーを往復させることで砂鉄がもとの位置に落ちることで何度でも書き消し出来る仕組みだ。
小学生でも理解できる物理とメカの塊のおえかきせんせいはその後もいろいろ進化しカラーモデルや部分消し等も登場した。基本は何度でも書き消し出来る経済性とシンプルな構造だ。その後10年以上前に米国で登場したLCDを使ったBoogie Board等が登場したおえかきせんせいは今も特に影響も受けずに販売されている。
またこの手の手書きの世界は世界中に熱心なファン居る多様なテクノロジーを採用した対抗商品の多い激戦区だ。持ち歩けるホワイトボードで一世風靡したNu boardやクラウドファンディングで人気を博したBUTTERFLYBOARD、海外勢のRocket Book等も良く似た仲間だ。もちろん世界的にレガシーなリーガルパッドとボールペンも変わらず強敵だ。
プラス社が4年ほど前に発売したクリーンノート『Kaite』(カイテ)と呼ばれる”令和のおえかきせんせい”もレガシーで懐かしいおえかきせんせいを同社の新しいテクノロジーで再現した商品だ。もちろん新しモノ大好きな筆者は速攻で大小サイズを揃えたがいつのまにか本棚の奥に置いたまま今は出番も無くなってしまった。
そんなKaiteが昨年末に従来のA4版、B5版より小振りな「Kaiteメモタイプ」と「Kaite貼れるタイプ」の2種類を発表・発売した。もちろん自腹で買わないと絶対に評価しないと決めている筆者は今回もKaiteメモタイプのA4 1/3サイズと90㎜x90㎜サイズ、Kaite貼れるタイプのフセンサイズの合計3個を手に入れた。
何れも先端に磁石の芯の付いた超軽量短小の専用スタイラスペンが付属する。筆記コンディションを最適化するための”活性化バー”はスタイラスペン側面の穴に押し込むことでスタイラスペンと一体化することも可能だ。
Kaiteメモタイプのフレームを取り外し裏面を粘着素材で仕上げるとKaite貼れるタイプになりそうな雰囲気だ。Kaite貼れるタイプの特徴はフセンサイズと言うことなのでKaiteメモタイプの小型より一回り小さな実測75㎜x75㎜だった。
筆者だけでは無く誰が見てもKaiteメモタイプと貼れるタイプの競合アイテムは米国産のBoogie Boardだろう。Boogie BoardとKaiteメモタイプと貼れるタイプを複数並べてそれぞれの専用ペンで”いちじてきなmemo”と描いてみた。
Kaiteメモタイプと貼れるタイプは”紙に鉛筆で書く”ということを基本に考えるなら黒背景にグリーン文字のBoogie Boardより自然で目に優しいと言える。Kaiteメモタイプと貼れるタイプのメリットはBoogie Boardのメリットとかぶる部分も多いがメーカーの宣伝トークでは”部分消しが出来る”が強調点の一つだ。
Boogie Boardは一部の不人気な商品を除き殆どの商品は”ボタン一発で全頁消去”が基本だ。一方、Kaiteメモタイプと貼れるタイプは部分消去は可能だ。しかい出来る出来ないで線引きするなら”出来る”だがペン後部のイレーザーでタップするとその周囲半径20㎜近くが道連れで消去される。便利か使い良いかは意見が分かれそうだ。
今回、テストでかなり長い時間Kaiteメモタイプと貼れるタイプを使っていて気になった点が2つほどあった。付属のスタイラスペンが小さくスリムで先端に向かってスリム度が増すのでペンを持つ指先がどんどん滑って先端の方に向かって行ってしまう。今回は応急処置的に太めのゴムバンドをペン周囲に巻き付けて回避した。ゴムバンドでは無く格好良い解決策が欲しい。
あともう一点使っていて気になったのは、Kaiteメモタイプと貼れるタイプの両方とも筆記後数秒から数十秒すると最初に書いた筆跡の色合いが確実に薄くなってくることだ。これは以前のKaite(A4・B5)でも体験したことなのでマイクロカプセルの特製なのかもしれない。最初は濃く表示されるのに時間と共に薄くなってしまうのは残念だ。
いずれにせよKaiteメモタイプと貼るタイプと長く付き合える人は”薄いグレーの筆記面に少し濃いグレーの文字や絵を描く”ことに余り違和感を感じない人だろう。物事に辛抱強くない筆者は筆記系に関してはくっきりバッチリ系の人種なのでどうしても苛立ちが先に出てしまう。
今回のKaiteメモタイプと貼れるタイプの便利なのはその”サイズ感”だ。パソコンに向かって何かしていると時々メモを取る必要に迫られる点が多い。そんな時の為にたいていの人は周囲に紙のメモや小振りなノートを置いていると思うが、繰り返し書き消し出来るKaiteメモタイプと貼れるタイプは環境にも優しい商品だ。
特にKaite貼れるタイプは薄いフセンサイズなので活躍場所は多いだろう。残念ながら13.3インチのモバイルPCがメインの筆者はパームレストにKaite貼れるタイプが上手く収まる機種が殆ど無かったが15インチ以上なら大丈夫そうだ。またスマホの背面に貼れるギリギリサイズかもしれない。
筆者がここ2週間ほどほぼ毎日Kaiteメモタイプと貼れるタイプを使っていて便利だと感じたのは買い物メモやTo Doを書いてポケットに入れたまま長く持ち歩いても磁気にしか反応しないのでBoogie Boardの様に外的圧力や接触で筆記面に自然の落書きが出現しないことだ。
最後になるがKaiteメモタイプと貼れるタイプも専用スマホアプリをダウンロード、インストールして筆記したメモをスマホカメラで撮影、必要に応じてレタッチしてネット上でSNSやメールなどで第三者と共有可能なことだ。
実際に筆者も何度かやってみたが、やはりこの商品が持っている長所であり短所でもある薄いグレー筆記面に少し濃いグレーで筆記するコントラストの悪さが影響してしまう。最初のショットではかなり薄い場合が多いのでアプリで2段階ほどコントラスト比をアップし必要ならカラー化やレタッチをやってから共有転送を行うことになるだろう。
昨今ではごく普通のリーガルパッドにボールペンで描いたものをDropBoxのスキャンでキャプチャーして共有設定転送を行う方が見た目もビューティフルだ。もはやこのスマホカメラによるキャプチャ&ネット共有化はプラス社に限らず筆記具系メーカーがクラウドストレージ系サービス企業に挑戦する分野では無さそうだ。無駄なお金と時間を使ってアプリを作らずクラウド系先進企業と連携した方がクールだ。
約2週間にわたってほぼ毎日書いては消しを繰り返し活用してきた筆者だが、Kaiteメモタイプと貼れるタイプの最適利用場所はパソコンキーボード横の一時メモと持ち歩くことの多い買い物&To Doメモだと確信した。もちろん、手書きメモの活用や展開は個人によって大きく異なるので読者諸兄の皆さんは独自の使い勝手を開拓して頂ければと思っている。
商品 | 購入 | 価格 | |
Kaiteメモタイプと貼れるタイプ | ヨドバシ・ドット・コム | 1760円 Kaiteメモタイプ A4×1/3サイズ | |
1100円 | Kaiteメモタイプ 90×90mm | ||
880円 | Kaite貼れるタイプ ふせんサイズ |