本日の一品

キャッシュレス決済時代に逆行する小さな財布をまた買ってしまった

3度目の正直で紙幣も硬貨も入るスクエアな小さな財布を買った

 クレジットカードの後からやって来たSuica、PASMOの登場でキャッシュレス決済が普及したのは1990年~2000年代だったと記憶している。当時は多少高額なモノの支払いに使うのがクレジットカードで、交通系を中心にした少額乗車料金の自動支払いに活躍するのが交通系カードといった切り分けイメージだった。

 それら交通系カードが駅を中心にした一般店舗でも少額の決済に使われ始め、その後のスマートフォンとネットワークの普及、低価格化により一体化が進み一気に普及した。海外で先行していたQRコード決済も、2018年10月にはPayPayがサービススタートして同社のプロモーション策も功を奏し、後発の企業の参入もあり日本国内でも一気にキャッシュレス決済時代となった。

 支払い形態の変化に連れて影響を受けたモノの一つに”財布”がある。先日、筆者宅の机の引き出しの中を探してみたら全く使われなくなった財布が幾つも見つかった。過去の財布の変遷を見ても昔は紙幣のたっぷり入る二つ折り財布やカードがメインのモノ、紙幣に加えて小銭類も入るジッパー型等のモデルが出てきた。

2つ折りのブランド財布からクレジット重点の財布まで多くの財布が退役中

 新しいモノ大好きでミーハーな筆者はキャッシュレス決済に関しても2018年のPayPayスタートと同時に始めて最初に使ったのは年末の有楽町のビックカメラだった。タイミングよくちょうど20%還元のプロモーションの真っ最中だった。以前から狙っていた大型テレビを買って6万円キャッシュバックのところ上限ラインに引っかかって5万円のキャッシュバックを受けた。

 あれから4年近く複数のスマホでPayPayアプリを導入して使っていたがこの10月にメインスマホをdocomoの”いつでもカエドキプログラム”でGalaxy Z Fold 4に替えたのを機にいろいろなスマホに散らばっていたキャッシュレス決済系のアプリを1台にまとめることにした。

Galaxy Z Fold 4にメインスマホを替えてからキャッシュレス系アプリを1台にまとめようと考え中

 現在、筆者のGalaxy Z Fold 4にはGoogle PayのVISA CL(VISA Cardless)、お財布ケータイ系のモバイルSuica、PayPay、VISA TouchのEVERING等の各アプリを導入して毎日便利に使っている。

 2台のスマホに導入したモバイルSuica系だけではなく、2台のwena3(スマートバンド)とPixel Watchの合計3台にウェアラブルSuicaを導入している。モバイル+ウェアラブルを合わせて5つのSuicaは一般的には過剰装備だが、出かける時に単体でも、そしてどの組み合わせを持って出てもキャッシュレス決済体制を実現するための手段なのだ。

ウェアラブルSuicaは2台のwena3で活用中
Pixel Watchはおサイフケータイアプリを使わないからかウェアラブルSuicaではなくモバイルSuicaのカテゴリーらしい

 それらに加えてEVERING(指輪)はお風呂に入る時も寝る時も24時間365日身に着けているのでVISA Touch決済は常時決済可能だ。今のところ使えるお店はけっこう増えては来ているがお店のスタッフがVISA Touchと聞くと反射的に”使えません!”とか言い放つケースが多く、もう少し時間はかかりそうかもしれない。

 QRコード決済で店側にとって初期設備費用の安価なPayPayも決済手数料が割引されていたプロモーション期間には多くの店舗が参画していたがお得な期間が終了した後は決済サービスの取り扱いを止めるお店が増えた。筆者宅の周囲だけでも数件以上だ。大きなチェーン店ではなく下町系の個人営業のお店が多いので止むを得ないのかもしれない。

 筆者宅近隣のPayPay決済サービスを止めてしまったお店は歴史ある独占的な人気を誇るお店が多い。残念なのは代わりになる他の美味しいお店が殆ど無いことだ。更に近所で60年近く営業している筆者お気に入りの街中華のお店はただの一度もキャッシュレス決済に関わったことが無いのが実情だ。

 筆者が打ち合わせによく使うモーニングサービスとランチの美味しい近所の昭和レトロな純喫茶は一時期はPayPayに対応していたが手数料の関係かプロモーション期間が終了するとあっさりと現金オンリーの従来の姿に戻ってしまった。しかし最近の様子を見ているとお客さんはかえって増えた印象がある。

 日本全国に支店を展開しているフランチャイズ店では無くここにしかない街の小さなお店は美味しくてついつい行きたくなる。筆者の被害妄想なのか間違いなくそんなお店に限ってキャッシュレス決済は不可能なお店が多い。

 一時期は100%完全キャッシュレス決済の世界に飛び込んでみようと考えた筆者ではあったが1年半ほど前から現金もそこそこ持ち歩くように宗旨替えをした。その為に従来の大きな財布ではなく出来る限り邪魔にならない財布、どちらかと言えば主に硬貨を収納のメインに考えられた小さな財布をネットで探した。

一番最初に手に入れた500円硬貨2枚収納のキーホルダー型革ケース

 最初に見つけたモノは500円硬貨が2枚(合計1000円)だけを収納できる硬貨より二回り程大きいだけのキーホルダータイプの革製硬貨入れだった。しばらくこれとクレジットカードホルダーを携帯して過ごしたがやはり最大で1000円では現代の街歩きは心もとない感じがした。

 キャッシュレス決済を大前提に自宅の近所から丸の内、銀座辺りまでを何十回と出かけてキャッシュレス決済でカバーされない領域を現金決済の領域とレガシーなクレジットカード決済の領域とに区分けして、現金でカバーする範囲を1円~3000円と仮定した。

 そして最初に注目して購入した小さな財布はネットでもベストセラーになった小さな財布「お散歩ウォレット」だった。キーリングも付いてキャパシティ的には1000円紙幣と500円硬貨、それ以下の硬貨の組み合わせで5000円近くは収納可能なスリムな革製の財布なので容量的にもサイズ的にも十分だった。

お札は縦8分の1に折って収納。硬貨は重ねて分厚くならないように収納する”お散歩ウォレット”

 お散歩ウォレットを何度も使って出かける前には常時1000円札二枚、500円硬貨1枚、100円硬貨4枚、50円硬貨1枚、10円硬貨5枚の合計3000円を入れて持ち出すのが習慣になった。サイズ的にクレジットカードは入らないが自宅のキーも1本なら収納出来て理想の小さな財布に思えた。

 しかし3ヶ月ほど使っている内に自宅キーの収納方法が折り畳み方式であることと収納した多くのコインが自宅キーと重なることで見た目はスリムだが手に持つと円筒形のような形状になりジーンズの前ポケットに入れてもゴロゴロして収まりが悪い。

 そしてうっかりお釣りをもらってしまった場合はそのゴロゴロ感がますます不快な方向に向かってしまう。そしてお釣りが増えたりして硬貨の収納が増えてくると財布に挟まる形で収まるキーが増々取り出しにくいという別の課題が見えてきた。

 そして再度、小さなお財布選びを行う羽目になった。過去2回の経験でおバカな筆者も少しは賢くなったので新しい小さなお財布の今度の条件はキャパは3000円、うっかりお釣りをもらってしまっても収納可能。そして従来同様自宅のキーが取り出しやすいの3点だ。

三度目の正直で買った中央の小さな財布

 そんな時に見つけたのが同じような宣伝文句で販売していた一辺6cmの正方形の革製の小銭入れだった。重量はたったの15g。周囲二辺がファスナーで開き100円玉なら40枚、500円玉でも25枚程度は収納可能な頼もしさだ。今回も出かける前の収納金額はトータルで3000円。金種は以前と同じだ。

紙幣と硬貨の実際の収納イメージ
収納金額は従来と同じ3000円

 ある日のお出かけでは筆者のメインスマホであるGalaxy Z Fold 4のPayPayウォレットには19398円、モバイルSuicaには8910円、Pixel WatchのSuicaには9839円、EVERINGのVISA Touchには5417円そして最新の小さな財布には3000円。なんとデジアナ財布の総合計は46564円にもなった。

 左手に持ったGalaxy Z Fold 4と左腕に装着したPixel Watch、左薬指にはめたEVERING。左手だけで最大4万3564円のキャッシュレス決済が可能だ。しかし本当に美味しい街中華の筆者の大好きな”ダブルエッグ玉子チャーハン”は常時右ポケットに入れている小さな財布の3000円がなければありつけないのは今も変わらない。100%キャッシュレス決済の時代は早くてもきっと2030年頃なのかも......。

令和の今はデジタルキャッシュがいくらあってもアナログ紙幣や硬貨は必要な時代
商品購入場所価格
小さな財布Amazon.co.jp2200円