本日の一品

手軽に3D撮影してシェアできるKandao「QooCam EGO」

 「メタバース」という言葉を耳にするようになって久しい。以前はVR(Virtual Reality)と呼んでいたものだ。個人的には、VRのほうがしっくりするような気がしている。

 それは置いといて、せっかくVRゴーグル(VR HMD)を持っているのであれば自分でコンテンツを作りたいと考えるのではないだろうか。それには3Dカメラを使うのが手っ取り早いが、どのように撮れているのかいまいち分かりづらいし、書き出す方法もやはり分かりづらい。

 そんな3Dカメラ初心者にぴったりなのが、プロ向けまたはコンシューマー向けに360度カメラなどを提供しているKandaoの「QooCam EGO」(クーカム イゴ)だ。

はやりの複眼カメラ……というわけではなく、人間の瞳孔間距離に合わせた2つのカメラで3D画像を撮影する

 いわゆる3Dの動画と静止画の撮影が可能なだけでなく、その場での視聴や、ユーザー同士でのシェアをかんたんに行えるというところがユニークだ。

センサーサイズは1/2インチ、絞りはf1.8、動画と静止画はそれぞれ単眼で1920×1080と4000×3000となっている。なお、動画のフレームレートは30fpsと60fpsに対応している。ただし、フォーカスや明るさなどの自動調節機能がないので、撮影前に自分で設定する必要がある。

本体背面にあるタッチモニターのチューリップアイコンをタップして、対象物までのおおよその距離を設定する

 1340mAhのバッテリーは交換式で、フル充電状態で動画を約2時間、写真撮影を約3時間行えるが、充電しながらでも動作するので、実質、microSDカードの容量さえ余裕があれば、何時間でも撮影可能だ。もっとも、そのmicroSDカードが最大256GBにしか対応していないのだが。

 サイズは約94×52×22mm、重さは約160g。アクションカメラ並みにコンパクトなので、手軽に携帯できるほか、ヘルメットなどに装着してロードムービーを作成するのにも向いている。

 撮影はごくかんたんで、静止画か動画のモードを選んで、撮影ボタンを押すだけだ。なお、ハードボタンのほか、背面に搭載している2.54インチのタッチ式モニターにあるボタンでも操作できる。

少々分かりづらいが、上部にある赤丸のあるボタンが撮影ボタン。タッチモニターでは、右側にある二重丸が撮影ボタンになる

 QooCam EGOにはいくつかのユニークな特徴がある。そのひとつは、ビューアを取り付けるだけで、今撮影したばかりの3D動画や3D写真を楽しめるというものだ。マグネットとラッチで合体するので、上下左右を間違えることはないし、多少雑に扱っても分離することもない。

マグネットだけでもかなり強力に貼り付くが、ラッチがあるのでさらに安心。

 ビューアを装着している間は、タッチモニターの操作を行えないが、本体の右側面にある再生ボタンや順送り/逆送りボタンを使って、視聴したいコンテンツを再生できる。なかなか考えられたUIだ。

ビューア装着時、本体側面のボタンは、左から選択または再生、逆/順送りとなる

 別の特徴は、撮影したものをQooCam EGOユーザー同士でかんたんに共有できるというものだ。共有するには、QooCam EGOをWi-Fiに接続した状態で、撮影済みの静止画または動画を表示させた状態で、本体ディスプレイ右下の「…」(設定)をタップする。すると「シェア」というメニューが表示されるので、それをタップ。共有期間を選んでから「次に」をタップする。

アルバム内の写真などを表示した状態で「…」(設定)をタップすると「シェア」という文字が表示されるので、これをタップ
共有期間を1時間から30日の間で選んでから「次に」をタップする。日本語がちょっと変なのが気になる
パスワードをかけるかどうかも選べる。いずれにしても、発行される4桁の共有コードを知っていないと閲覧できないので、筆者はいつも「いいえ」を選んでいる

 すると、表示中の静止画または動画がQooCam側で用意してあるサーバー「EGOクラウド」にアップロードされ、PINコードが発行される。

アップロードが終わると、4桁の共有コードが表示される。これをチャットやメールなどで送れば誰でも見られるようになる

 このPINコードをチャットやメールなどで伝えれば、共有できる、というわけだ。

 これらすべてを、QooCam EGO単体でできるというのがありがたい。もちろん、スマホと連携させることで、本体内の静止画や動画ファイルをスマホにダウンロードした上でSNSなどにアップすることも可能。2D(Mono)のほか、分割表示の3D画像であるSide By Side、Half Side By Side、Parallel Eyesのいずれかを選んで書き出せる。

まずは、カメラ内のデータをスマホにダウンロードする。ダウンロード後、場所を「Appアルバム」に切り替えて画像をタップすると、アップロードしたり共有したりするためのメニューが表示される
エクスポート前に形式を選べる。左からMono、Side By Side、Parallel Eyes

 「スマホにダウンロード」と書いたが、これはアプリ内のアルバムに保存されるだけで、スマホの「ギャラリー」もしくは「写真」アプリに保存されているわけではない。QooCamアプリから外に出すには、「共有」→「アルバム」の順にタップする。ここでもMono、Side By Side、Half Side By Side、Parallel Eyesなどを選んで書き出すことになる。

近所のヒガンバナ。Monoで書き出し
同じものをSide By Sideで。平行法で立体視できる人なら、3Dグラスなしで立体的に見えるはずだ
こちらはHalf Side By Side
Parallel Eyesで書き出した

 QooCamアプリでは、動画/静止画問わずフィルターや3D効果のある動くエフェクトなどを追加することも可能。独創的な作品に仕上げることができそうだ。

クジラのエフェクトを追加した例。ほかにクラゲやハートがある

 気になるのが動画撮影時の手ブレだ。3Dでは、手ブレのある動画を長時間見続けるのはキツイものがある。場合によってはVR酔いするかもしれない。しかし、QooCamアプリで「Anti Shake」をオンにすれば、手ブレ補正を行える。それを書き出せばOKというわけだ。

手ブレを完全に吸収できているわけではないが、比較的なめらかに見えるのではないだろうか。こちらはHalf Side By Sideで書き出したので、平行法立体視でどうぞ

 電源を入れるだけで、かんたんに3D映像を撮影でき、しかも本体だけでユーザー同士でシエアも可能。別途、動画や画像の編集ソフトを用意しなくてもスマホの専用アプリだけで編集や各種SNSへのシェアができるQooCam EGO。アクションカメラのように使い倒していきたい。

【お詫びと訂正】
 記事初出時、「180度3D」という表記がありましたが、正しくは「3D」です。お詫びして訂正します。

製品名販売元(メーカー名)購入価格
KandaoQooCam EGO,Kickstarter(Kandao)289ドル
Amazonで購入