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デジタル表示で機能が豊富な温調はんだごて、goot PX-280

温調はんだごて、グット PX-280

 最近は電子工作系のYouTube動画も多くなり、そこでは道具がどんどん高度化し、はんだこては温調はんだこてが普通。フラックスもヤニ入りはんだではなく高性能なものを別付け。そして、ワイヤストリッパーや電動ドライバーの利用など周辺道具も高度になってきた。

 それは、いい道具が紹介される機会が増えたということでもある。筆者も温調はんだこてを使う身になっていたが、いい道具を使う事例をたくさん目にしていると、そろそろもう一段高度なものに買い替えたくなってきた。はんだこてはしばらく使えば汚れてくるし、気分的にリフレッシュもしてみたかったというのもある。

 そんなときに筆者が子供のころからお世話になっていたはんだこてのブランド、gootからデジタル表示のもう一歩進んだ温調はんだこてPX-280が登場したことを知り、買ってみた。

温度表示と操作ボタンがPX-280の特徴

 PX-280の概要を説明していくと、先端温度を設定してその温度で保ってくれるのは通常の温調はんだこてと同じだが、温度はリアルタイム1℃単位で数字で表示してくれ、スリープなどの機能が豊富だ。

 そして、PX-280はフルパワー時の消費電力が80Wと高く、使い始めやスリープ解除後も設定温度に達しやすいことも特徴。たとえば完全に冷えた状態から使い始めるとき、コンセントを差し込んで15~20秒ほどあればはんだが溶ける温度に達し、使い始めることができる。

こて先の温度が1℃単位で表示。351℃を示している

 PX-280の特徴としてアピールされるスリープモードは、使わないと低い温度で待機してくれること。プリント基板など連続してはんだ付けをするならともかく、考えながら作ったり、うまく動かず試行錯誤をしているときなどは、温度を下げておけば、こて先の寿命を伸ばせるほか、場合によっては電力消費低減にも役立つ。

 はんだこてを手にすればスリープが解除され、すぐに温度回復するので作業再開時に待ち時間を感じることはあまりない。上昇する温度を数字で確認できるので、復帰状態もわかりやすい。

SStはスリープ時の温度の設定、このほかにも設定項目は多い
スリープ時は「SLP」と表示される

 機能はスリープだけでなく、使わない時間が長いと加熱自体をストップするシャットダウン機能があるほか、逆にコンセントを差し込んでもボタン操作をしないと加熱がスタートしない設定もでき、はんだごての宿命である加熱に絡む事故を防ぐことができそう。また、スリープ機能にしてもスリープの時間や感度設定、スリープ時の温度も細かく調整ができる。

 多機能ではあるが、メインとなるこて先の温度調整は、設定ボタンを押してアップダウンボタンで1℃単位で必要な温度を表示させ、もう一度設定ボタンを押すだけと簡単。たとえば鉛フリーのはんだを使ったり、熱の伝わりにくいパーツにはんだ付けをしたりするとき、なかなかはんだが溶けないことがある。温調はんだこてならその場で温度を上げてしまえば問題が解決する。昔なら複数の温度のはんだこてを使って対応していたものが、1本ですぐ済むのは便利だ。

こて先はよくある円錐形ではなく、円筒を斜めカットしたタイプ

 そして、PX-280を使う上で便利なのは標準で付いているこて先が円柱を斜めカットしたタイプなこと。電子工作は円柱カットタイプが最適と思う人も多いようで筆者もこれが好み。標準付属のこて先は円錐型が多いなかで、後から交換せずに使えるのは、製品担当者がこちら側の人なんだろうと想像している。

 使い始めてしばらくたつが、スリープ機能は実際に気にならないほど自然に動作。再開するときもすぐ設定温度になることと、温度表示があるため不便を感じない。

こて先は少し短めなのがPX-280

 最近はIoTやスマートホーム機器が進化していて、そうなるとさらに欲が出て、IoT機器の手足となるものを自分で作ることも多くなっている。PX-280の出番も多くなりそうで、今後、自分のメインはんだこてとして活躍してくれそうだ。

製品名販売元購入価格
デジタル温調はんだこて PX-280大洋電機産業5750円