スタパ齋藤のApple野郎
iPadをトレース台に! 「トレーシングマット」アプリで塗り絵が捗るぅぅぅ
2025年10月8日 00:00
iPadってトレース台になるよねえ……なるなる、画面を白表示にすればトレースボードになる! あ、でもアレか、画面タップするとジェスチャーとかが機能しちゃうのか? と思ったのは、100円ショップ大手「ダイソー」店頭であった。
ダイソーに「大人の塗り絵」があった。ソレ見て「あーねー塗り絵おもしろいよねー」とか思いつつ次に目に入ったのが「トレースボード A5サイズ」だった。「あー出来合いの塗り絵の次は自分で写真とかをトレースしての塗り絵なのかー」と思ったと同時に「こうして客を新たな世界に引き込んで商品を売るのか、商売うまっ!」と。
っていうかA5のトーレスボードが税込550円って安っ! と思ってウッカリ買おうとし、「待てよ、iPadをトレースボード(トレース台)として使えばいいのか」、「下絵にする写真だってiPadとかなら一発で表示できるし拡大縮小も自在だし」、「画面の明るさもそーとー明るくできるし」と考えたのであった。
ちなみに、ここでいうトレースというのは下絵を描き写すこと。写真や印刷物や絵などを、ペンなどでなぞって描き写すことだが、写真などなら薄いトレーシングペーパーを乗せて写真の輪郭などをなぞり写すことができる。
また、上記のようなトレースボードを使えば、下絵を置く面が明るく光るので、トレーシングペーパー以外のやや厚手の紙に写し取ることも可能になる。
って、一応説明を書かないと、「トレースって? コード実行の追跡?」ってなる時代なのかもしれない。いまや紙の原稿を手動でトレースする必要性が激減。「紙の写真をiPhoneで撮ってお絵描きアプリで輪郭抽出すればよくない?」と。「必要なら輪郭抽出画像をコンビニでプリントすれば?」みたいな時代なのであった。
ともあれ帰宅後、さっそくiPadに白色画像(写真)を表示してトレース。iPadの画面にトレーシンペーパー敷いて写真の輪郭をなぞろうとすると……。画面に触れると反応して次の写真になったりメニューが出たりして、そのままではiPadをトレースボードにするのは無理っぽい。ですよね~。
ところでiPadOSやiOSには、特定のアプリのみ動作させ、さらにそのアプリの特定領域に触れても反応しないようにできるアクセスガイド機能がある。「設定」→「アクセシビリティ」→「アクセスガイド」で設定できる。
アクセスガイド機能を使えばiPadなどをトレースボードとして使うことが現実的になる。だが、トレースボード用途でアクセスガイドを使うのは、操作上いろいろとメンドクサイ。なので、素直にトレースボード系アプリを使ってみることに。
「トレーシングマット」アプリが便利♪ いろいろな紙にトレース可能
iPadなどをトレースボードとして使うためのアプリはいくつかある。「iPad トレース」で検索すればすぐ見つかるだろう。何本か試してみたが、シンプルかつ無料で使える「トレーシングマット」というアプリが便利だった。
このアプリを使って描き写したい絵や写真を表示したら、画面上にトレーシングペーパーなどの紙を敷き(マスキングテープなどでの紙位置固定をお忘れなく)、ペンなどでなぞって手動でトレースするというわけだ。
iPad上の写真を自由自在に好きなだけトレースできる! 手動トレース需要は激減したものの、手動トレースをするにおいてスゲく便利な時代になったとも言えよう。
なにしろ、拡大トレースが可能なのにトレスコ(トレーススコープ/トレーシングスコープ)が要らない! 暗幕かぶらなくてヨシ! てゅーかそれ以前にポジフィルム(以下略)。
なお、このアプリ、表示が素っ気ないので、使用に戸惑うかもしれない。なので、App Storeのスクリーンショットを抜粋しつつ、少しご説明。
といった感じでトレーシングマットアプリを使える。何度か使ったが、ヒッジョーに便利。前述のアクセスガイド機能を使いiPadをトレースボードとするより1024倍くらい実用的なので、画像を紙にトレースしたい人にはこのアプリがオススメ。
なお、13インチiPad Proでトレースできた「紙」、つまりペンなどで下絵を写し取った側の用紙だが、トレーシングペーパーやコピー用紙だと元画像の輪郭や細部まで実用的なレベルでトレースできた。
また、水彩向けの用紙(ワトソン紙)やキャンバス地(一般的な下地処理済)でも、元画像の輪郭をトレースすることは可能で、元画像のコントラストが高ければディテイルもある程度トレースすることができた。
トレーシングペーパーにトレースしてみる
水彩ワトソン紙とか下地処理済みのキャンバス地とかに直接トレースできちゃうって、けっこうスゴいかも。まあiPadをトレースボード・下絵表示としてのトレースなのでサイズは限られるが、一発でトレース作業が完了するのが効率的だ。
というのは、多くのケースで「手動トレースからの手動描画」は、同じ絵を2度なぞり描くことになるから。1度目は、元絵をトレーシングペーパーなどになぞり描く。2度目はなぞり描いた絵を、描画する用紙になぞり描いて転写する。「写し取り」と「転写」が必要になるのだ。具体的には↓のような流れ。
という感じで、実際の手動トレース作業~手動描画手前までのプロセスは、二度手間感があってちょっとメンドクサイのである。でもトレーシングマットアプリだと、描画する紙に直接トレースすることも可能なので、1度のトレースだけで描画作業に移れる。あらお手軽♪ みたいな?
ただ、いったんトレーシングペーパーなどにトレースしておくのも、場合によっては便利。写し取った線なり図案などを同じサイズで何度か再利用する場合、トレーシングペーパー上の線などをなぞって転写するだけでいいからだ。多数転写が必要な場合、最初にトレースしたトレーシングペーパーをコピー用紙などにコピーして使うのもいい。
アプリを使って同じことをするとなると、同じサイズでの転写はちょっと面倒。用紙に直接トレース(元絵を転写)できるとはいえ、「アプリ上の表示を再度じっくり見つつ慎重にトレースする(のを何度か行う)」というのはかなり疲れると思う。
さておき、上記アプリを使い、キャンバス地にトレースした線画に着彩してみた。ザックリした塗り絵だが、ご参考までに。
当然なのだが、トレースからの塗り絵なので、形状がしっかりしていて破綻が少ない。モトの形状がわりと正確なので、アドリブで描き足してもバランスが崩れにくく、お手軽お絵描きには好都合だ。
ちなみに、トレースにかかる時間は人それぞれ・目的もよるとは思うが、たぶん数分。塗り絵にかかる時間もひとそれぞれだと思うが、きっと十数分から数十分。iPadと無料アプリと画材があれば、30分くらいの時短お絵描きを楽しめたりもするので、興味がある方はゼヒ!





















