スタパ齋藤のApple野郎

チャタリングに悩まされているゼ〜!!!

キーボードが多重入力するようになっちゃった〜

 M1チップ搭載のMac miniに乗り換えてから1週間くらい経ってからだろうか。キーボードがひどくチャタリングするようになった。

 チャタリングとは、スイッチの電気接点が接触する瞬間に、接点が細かく振動してしまい、スイッチのオンオフが繰り返されてしまう現象。機械的なスイッチを備えたキーボードやマウスで起きると、「a」とタイプしたのに「aa」や「aaa」となったり、クリックしたのにダブルクリックなどになってしまう。

 で、俺の最新&最強に強まってて超速ぇM1 Mac miniでウキウキニコニコで原稿を書いていたら、チャタリングが発生。最初に気づいたのは「?」とタイプしたら「??」と入力されたときだ。その後、ほかのキーでもチャタリングが続発。「あ〜っ急激にチャタり(チャタリングし)始めた〜」と急速に悲しい気分になった。

 チャタリングが起きた機材は「寿命」と考える俺。とりわけコンピュータの入力機器のスイッチがチャタるのはタチが悪い。実際、このチャタり状態で某サイトへログイン時に「IDもしくはパスワードが正しくありません」的に弾かれたりした。チャタリングは場合によっては直せるが、仕事で使う機材がチャタった場合は処分するのが賢明だと思う。

 そしてチャタリングを起こし始めたキーボードは、激愛用中の東プレ「REALFORCE for Mac TKL」。3万円弱する高級キーボードだが、素晴らしく使いやすい。あ〜あ、これも終了か〜。

使用中の東プレ(Topre)「REALFORCE for Mac TKL」シリーズ。型番は「REALFORCE TKL SA for Mac / R2TLSA-US3M-WH」。まだ使い始めて2年程度だ

 ……いや、待てよ。東プレのREALFORCEシリーズキーボードのスイッチは、静電容量無接点方式。機械的にオンオフしてはいないっていうか機械的な接点が存在しないので、論理上はチャタリングを起こさないハズ。

 試しに、予備の買い置きっていうか新品のREALFORCEをM1 Mac miniにつないでタイプしてみた。すると、これも同じくチャタリング。うっそ〜ん、アリエナイ〜!!!

 逆に、REALFORCEをほかの端末につないで使ってみると……全然チャタらない。完璧に正常。もちろん買い置き新品のほうも正常。

 ダメ押しで、Touch ID搭載Magic Keyboard(Appleシリコン搭載Mac用)や、手持ちのメカニカルキーボードをM1 Mac miniにつないでタイプ。すると、しっかり、チャタリング!!! なお、Touch ID搭載Magic KeyboardをiPhoneやiPadにつないで使うと全然チャタらない。

 なにこれ? M1 Mac mini側に問題が? アプリとか設定とか、そういうのが問題なのだろうか?

この症状はチャタリングではない

 その後、このチャタリングを直そうと、あれこれ試行錯誤。電波関連や配線関連も疑ってみたり、macOSおよびソフトウェア的な設定を変えてみたり。でも解消できず。

 ちなみに、このチャタリングはどのアプリでも起きる。Safariでもメモでもテキストエディタでも。やっぱりキーボードが原因なのかな〜とか思ってしまう。

 だがそうしているうちに「あれぇ〜コレってチャタリングじゃないなぁ〜」と気づいた。ふつーのチャタリングだと、キーを1度押下したものが2度や3度押下されたものとして入力される。「あ」と入力したつもりが「ああ」とか「あああ」とかになる。のだが、俺的M1 Mac mini環境でのチャタリングは、それ以外にも奇妙な誤入力がされてしまうのだ。

 具体的には「pro」と入力したら「propro」とかになる。「ppro」とか「proo」になっちゃうなら普通のチャタリングだと理解できるが、単語が二重に入力されるのはフツーじゃない。

 これは日本語入力時にも起きる。また、さらなる怪現象も起きて、たとえば「困った現象」と入力して確定すると「困っ困った現象た現象」みたいに入力されることが稀にある。「困っ」と「た現象」の間にフレーズの多重入力が挟まるカタチ。ここまで来ると、明らかにチャタリングではない現象だ。

 チャタリングに見せかけた入力系トラブル? チャタリング風誤入力現象?

 また、機械的なスイッチがチャタリングを起こしている場合、特定のスイッチにチャタリングが集中するのが普通だと思う。キーボードなら「a」や「e」などよく使うキーがチャタり始めるってことがよくある。

 しかし、このチャタリング風誤入力現象は、けっこー多くのキーで起きる。とくにshiftキーやcommandキーなどとの同時押しで起きがち。やっぱりチャタリングではないのだろう。別のトラブルなのだ。

 ともあれ、もう全然解決方法など思いつかず。ただ、M1 Mac mini再起動直後はチャタリングが発生しにくいようであった。なので、原稿を書く前はM1 Mac miniを再起動するようにした。

ライター殺しの謎現象

 原稿を書く前にはマシンを再起動〜!!! てな感じで騙し騙し使っていて、最初はまあまあ調子がよく、前述のチャタリング風誤入力現象があまり起きなかった。のだが、数日で「再起動後にチャタリング風誤入力現象が起きにくくなるのは珍しい」みたいな感じに。

 もうね、このチャタリング風誤入力現象、起きる時はスゴいんスよ。文字や単語の連続入力がたびたび起き、さらにbackspaceを3連続で叩いてくれたりするしenterを連続して入れてくれちまったりするし、原稿を書くほどに猛烈なフラストレーションを感じる。

 ……このチャタリング風誤入力現象は、これからずっと続くのだろうか? でもまあ運良くチャタリング風誤入力現象が全然起きないタイミング(そういうときもたまにある)で原稿を書けていれば、そ〜んなに大きな鬱憤ではない。

 しかし、運悪く原稿執筆時にチャタリング風誤入力現象が発生し始めると、もう軽く発狂しそうになるっていうか、M1 Mac miniを窓から投げたくなるっていうか、担当編集者に「旅に出ます探さないでください」とメール出してからM1 Mac miniを窓から投げたくなるっていうか、すんごくイヤ。このチャタリング風誤入力現象は、まさにライター殺しの謎現象だと言えよう。

 そんな感じなので、解決方法を求めて超超超超(←チャタリング風誤入力現象ではない)Google検索で調べてみたら、同じような現象に悩まされている人がいた。その人、「macOSをクリーンインストールしたら直った」と書いていた。そうか……ですよね〜。

じゃあクリーンインストールで!!! ……でもその前に

 チャタリング風誤入力現象と決別すべく、M1 Mac miniのクリーンインストール方法を調べ(つつ性懲りも無く同じ現象に悩まされている人を検索し)ていたら、「Unshakyアプリを使ったら直った」という人を発見。発見すると同時に「あ〜このチャタリング風誤入力現象って俺以外でもたまに起きてるんだー」と、なんか少し心が落ち着いてきた。

 で、その「Unshaky」は、機械的スイッチのキーボードが起こすチャタリングを回避するというアプリだ。第3世代バタフライキーを採用したMacBook ProやMacBookのチャタリング問題をガスッと解消してくれた神アプリらしい。

 でも、このチャタリング風誤入力現象は機械的スイッチが原因ではない。なんかUnshakyアプリでは直らないような気が……でも直ったって言ってる人がいるしなあ。まあクリーンインストール前の最後の足掻きということで、試してゆきたい!!!

Unshakyアプリはキーボードのチャタリングをなかったことにするアプリ。短時間に同じキーが連続的に押下されたのを検知し、正しく(1度だけ)入力するように補正してくれる。常駐させて使用
指定した秒数(ms)内にチャタリングによる複数回入力が起きたかどうか監視するようだ。複数回入力(多重入力)のログも記録されるので、どのキーでチャタリングが起きているかもわかる

 あんまり期待しないで使い始めたUnshakyアプリだが、最初は期待はずれであった。全然効果なし。

 だが、軽くシツコく設定やマシン再起動を繰り返していたら、んまっ!!! チャタリング風誤入力現象がピタリと止んだ。そしてUnshakyアプリのログを見たら、チャタリング(と同等の何らかの現象)が起きていることもわかった。

 ただ、Unshakyアプリの推奨ディレイ値の40msだと、促音(「っ」や「ッ」)などの入力が取りこぼされる問題が出た。たとえば「カッコイイ(kakkoii)」と入力した場合に、「kk」や「ii」が「k」や「i」に補正されてしまい、「カコイ(kakoi)になってしまうようなことが。

 そこで、ディレイ値を20msにしてみたら、ほぼ完璧な状態に。……でもUnshakyアプリのログを見ると、やっぱりチャタリング的な現象が起き続けているっぽいんスよね〜。気持ち悪っ。時間をみつけてクリーンインストールしてゆきたいッ!!!

 でもクリーンインストール後に再発したりして。そーゆーの、ア・リ・ガ・チ。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。