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ルーペ付きライト「LED Z-LIGHT」が何かと便利♪

ルーペ付きLED Z-LIGHTが何かと便利♪

 けっこー長い間探していた「ルーペ付きライト」類。対象を拡大しつつ照らしながら、細かい作業ができる照明器具ですな。イロイロとありますが、最近購入して「コレはイイな~」と思えたのが、山田照明の「Z-37L」。ルーペ付きのLED式デスクライトです。その後コレをしばらく使い続け、「これはホントにイイ♪」と気に入りまくったので、追加購入までしました。というわけで、今回はこのLEDデスクライトについてレポートしてみたいと思います。

山田照明の「Z-37L」。おなじみのZ-LIGHTですが、光源は白色LEDで、ルーペも内蔵しています。カラーはホワイトとシルバーがあります。メーカー価格は1万8800円(税別)ですが、実勢価格(税込)は1万1000円前後のようです。
直径12cmの2.25倍拡大レンズが照明部分に内蔵されていて、対象を照らしつつ拡大して見ることができます。照明をオフにすれば、もちろん単なるアーム式のルーペとして使うこともできます。

 Z-37Lについて大雑把なワタクシ的感想を言えば、とても明るい!! 白色LEDの光が自然でイイ感じ!! やっぱりZ-LIGHTは便利!! アーム式ルーペ超便利!! 対象を明るく照らしつつ拡大できてマジ快適!! てな感じです。1万円少々でこの利便が得られるということで、前述のとおり2台目も購入。現在は仕事机と作業机でそれぞれ使っています。

 もちろん難点もあります。具体的には後述しますが、多くが工夫で解消できる細かな難点です。それら難点を含んだ上でも、Z-37Lのルーペ付き汎用ライトとしてのコストパフォーマンスは非常に高いと感じております。ともあれ以降、Z-37Lについてアレコレ書いてみましょう。

デスクライトとしてフツーに実用的

 Z-37Lは典型的なZ-LIGHTです。2組のアームと3組の関節によりライト部分を自由な位置に固定できるので、必要に応じて机上全体を照らしたり、手元だけを照らしたりすることができます。また、同様のアーム機構を持つ多くのZ-LIGHTと同様に、どの位置に動かしてもライトの向きは変わりません。

Z-37Lは2組のアームと3組の関節を持つZ-LIGHTで、ライト部分を自由な位置にセットできます。なお、写真にある台座は別売のデスクベースです。Z-37Lには「クランプ Z-A9」が付属し、机の端などに固定できます。
ライト部分をどの位置にセットしても、ライト部分の向きは変わりません。ライト部分は上下および前後に首振りさせ、向きを設定できます。そうして設定した向きを保持したまま、ライト部分を自由な位置に動かせるというわけです。

 ライト部分は白色LEDで、100~30%の範囲で無段階調光が可能です。ライト部中央に2.25倍拡大レンズ(ガラスレンズ/直径12cm)があり、その周囲にLEDが並んでいます。LEDは白色ディフューザーで覆われているので、一見丸い蛍光管のような光源に見えます。

 なお、電源は付属のACアダプター(コード長1.8m)で、消費電力は8.4Wです。白熱灯で60W相当の光量だそうですが、感覚的には「100W近い明るさ!?」みたいな印象になる、かも。明るいです。

 その光を手持ちのカラーメーターで計測したところ、色温度は約5300Kで、演色性も85以上ありました。色彩に関して厳密な作業を行う場合、もう少し色温度も演色性も高いと良いように思いますが、汎用的なデスクライトとして考えると発色も自然で光量も十分あり、実用的だと思います。なお、照度や寸法については下の画像をご覧ください。

ルーペの前方周囲にLEDライトが並んでいる、というイメージです。
カラーメーター(セコニック C-700)でライトの色温度と演色性を計測してみました。一般作業用照明としては色温度も演色性も十分良好と言えそうです。
ライト部を非常に広い範囲で動かせます。デスクワークで使うには十分な光量があると思います。

 デスクライトとして使った感じとしては、明るさが十分あり、対象の発色も良好で、いろいろな位置に自由に動かせて便利、てな感じのZ-37L。それと、当たり前ではありますが、Z-LIGHTって不使用時はクルリと向こうに向けるとか、クイッと高いところへ上げるとかできて、ライトもアームも邪魔になりにくくて便利ですな。

ルーペとして役立ちまくりっ♪

 ワタクシ、最近は軽く老眼が入ってきております。で、毎日イチイチ面倒なのが、小さくて見えづらい対象を見るときです。都度、ルーペや老眼鏡を取り出して使うわけですが、地味に面倒。たび重なると「あーもーメンドクサイ~」みたいな気分に。通常は裸眼でOKなので、ルーペや老眼鏡を「イチイチ出して使う」ことが面倒&億劫なんですな。

 それを全面的に解消してくれたのが、Z-37Lです。「ん~見えない~」と思ったら、Z-37Lのライト部をクイッと引っ張って目の前へ。小さくて見えにくい対象を、グワッと拡大し、さらにビシッと照らし、鮮明に見ることができるようになりました。見終えたらライト部を元の位置に戻して、おしまい。あ~ら便利♪

見にくいものがあったら、即座にライト部(ルーペ)を引き寄せて、対象を照らしつつ拡大。用が済んだら、ライトは邪魔にならない位置にどかしておけます。

 また、前述のとおり、ライト部の向きは、ライトのセット位置に関わらずいつも一定にできます。Z-37Lのルーペ機能を多用すると、「いつもルーペが使いやすい向きになっている」という点も大きな利便につながります。

 なお、ルーペの2.25倍という拡大倍率ですが、ワタクシ的には「けっこー何でも見えちゃうレベル」みたいな印象です。たとえば、iPhoneの背面に刻印されている製造番号(!?)がバッチリ読み取れます。自分の指紋をハッキリ観察できます。錠剤の表面の数字や刻印もビシッと見えます。日常「読み取りにくいなあ」と感じられるものが、ほぼ全て「フツーに読める」ようになるという感じです。ので、紙の印刷物の文字などは、まず「拡大倍率が足りなくて読みにくい」ということはないでしょう。

 あと、「かな~り明るい照明で照らしつつ対象を拡大して見られる」のが、ヒッジョーに快適です。何でも鮮明に見えまくり♪ ルーペの外周にLEDが並んでいるということで、対象を影のない状態でハッキリと見ることができます。

 なお、ライトは電源ボタンを押し続けることで、100~30%の範囲で無段階調光できます。また、その調光状態は、次回電源を入れたときも再現されます。デスクライトとして使う場合、適切な明るさに調節しておけるとうわけですな。

 ちなみに、ワタクシはルーペ機能を使う場合、明るさはいつも最大にしています。モノを拡大して見る場合、単純に最大光量のほうが見やすいからですな。調光した状態からは、電源ボタンの二度押しで最大光量へと移行できます。ただし、そこから先ほどまでの調光状態へ戻すことはできません。調光状態を記憶&再現できる「お好み調光ボタン」とかがあったら、さらに便利ですネ。

 それと、ルーペ機能を使わない場合は、付属のカバーでルーペ上部を覆っておけます。ラバー製のカバーで、レンズに軽く吸着するため、ライト部の角度が急になっても外れたり落下したりすることはまずありません。でも、ツマミを手で引けばすぐ外せます。

ライト部上のレンズ面を覆うラバー製カバーが付属しています。ライト部が垂直に近い角度になっても外れない程度、レンズ面に軽く吸着します。突起を指でつまめばサッと外れます。

 Z-37Lのルーペ機能は、毎日何度も何度も役立ちまくっています。毎日たびたびあった「見えにくさからくる細かな鬱憤」がドッサリと解消して気分爽快です。……ただ、モノに付着した細かなホコリとか、見えなければ気にならなかった汚れなども見えまくりで、「あぁ……掃除しなきゃ」と思う回数も増えていたりして、若干複雑な心境ではあります。

細かな難点もあるけれど……

 Z-37Lには少々の難点もあります。まず個人的に期待していた「撮影用照明としての利用」ですが、カメラや撮影方法によって無問題だったり問題が出たりします。

 たとえば光源としてZ-37Lを使い、カメラとしてiPhone 6 Plusを使って撮った場合ですが、被写体や明るさによってiPhone 6 Plusのライブビュー映像にシマシマのチラつきが出たりします。またこのシマシマは撮影結果にも現れ、場合によってはけっこーハデな縞模様として写真内に写り込んでしまいます。

 手持ちのデジカメ数台でも試しましたが、ライブビューにシマシマのチラつきが出がちです(撮影状況によって出ないこともあります)。しかし撮影すると問題なく写っていることが大半です。また、iPhoneでもデジカメでも、Z-37Lの調光を暗めにしているときにこのシマシマのチラつきが出がちで、写真内にも写りがちです。

iPhone 6 Plusで撮影しました。左はZ-37Lの調光を明るさ最大に、右は明るさ最小で撮ったものです。Z-37Lの調光で明るさを落とすほど、シマシマが写りがちです。
ソニーの「α7S」で撮影した例。Z-37Lの調光は明るさ最大にしています。写真はシャッター速度優先オートで撮影しています。シャッター速度は、左から、1/2000秒、1/500秒、1/125秒です。明るさ最大だとシマシマが写り込むことはほとんどありませんでしたが、写ることもあります。
こちらもソニーの「α7S」で撮影。Z-37Lの調光は明るさ最小にしています。写真はシャッター速度優先オートで撮影しています。シャッター速度は、左から、1/2000秒、1/500秒、1/125秒。チラつきの影響が明るさのムラとして出てしまっています。条件が変わると、iPhone 6 Plusのときのようなシマシマが出たり、あるいはほとんど影響が出ないこともあります。
こちらもソニーの「α7S」で「サイレント撮影」モードで撮ったものです。このモードはカメラの機械式シャッターを使わず、電子シャッターのみで撮るという静音撮影モードです。が、LEDライトのPWM調光を撮像素子がどう捉えてしまうのか見るのにも適するので、(ある意味ちょっとイジワルですが)ご参考までに掲載してみます。シャッター速度は、左から、1/2000秒、1/500秒、1/125秒です。

 いろいろ試した結果、どうもZ-37Lは「全ての明るさでPWM調光をしている」と思われます。PWM調光は、LEDを高速で点滅させる調光方法です。シクミとしては、1秒間のうちに0.5秒を点灯、0.5秒を消灯とすれば、連続点灯の半分の明るさになるというイメージ。ただし実際は、LEDの点灯/消灯が目に感じられないほど高速で行われています。ともあれ、点灯/消灯している時間の割合を変え、調光するわけですな。LEDは応答速度が非常に速い(瞬間的に点灯/消灯する)ため、PWM調光をしても「点灯/消灯の繰り返しからくるチラつきが人の目に感じられにくい」というメリットがあります。

 でもこの超高速の点灯/消灯は、カメラの撮像素子では捉えることができ、PWM調光の点灯/消灯の頻度(周波数)とカメラ撮像素子のデータ読み出しタイミングの関係で、シマシマのチラつきとして見えたり、部分的に暗く見えたり、それが写ってしまったりします。Z-37Lの場合、調光で明るさを最大にしてもPWM調光が行われているっぽくて、明るさ最大時でも影響が出てしまうことがあります。

 ともあれ、Z-37Lは光量を最大にしておけばデジカメ撮影用光源としてまあだいたい使えますが、カメラや撮影状況~調光の度合いによっては撮影用光源として使えないこともある、といった感じです。ビデオカメラでも同様でした。また、iPhone 6 Plusをはじめとしたスマートフォン一般では、デジカメなどよりもシマシマが出がちという印象です。

 前述のように、Z-37Lは対象の周囲に影が出にくい光源です。また、実測の演色性もけっこー良好。なので、シマシマさえ出なければ「かな~りイイ感じの撮影用光源」としても使えています。

 それから、Z-37Lを使っていてちょっと感じるのは、「レンズ交換できたらイイな」ということです。Z-37Lのルーペのレンズは2.25倍拡大。通常はこれで過不足なく使えていますが、見る対象によっては「もうちょっと倍率が低いと(周辺が歪まなくて)都合がいい」「もっと倍率が高いとより細部をしっかり観察できるのに」と思うことがあります。あまり頻繁には思わないんですが、レンズ交換式で倍率を手軽に変えられたら便利かも、と思う次第です。

 あとこれは、わりと多くの人が感じるコトだと思いますが、Z-37Lのアームや関節は、若干緩めのセッティングのようです。緩めだとスムーズに動かせて快適ではありますが、発光部セット位置によってはレンズの重みなどで「セットした位置から動いてしまう」ということがあります。セット位置がしっかりと決まらずに「イラッ」としたりするわけですな。

 ただ、これは解消できます。関節部にあるアームを留めているネジを締めればOK。ネジはコインで締められますが、コインドライバーがあるとより細かな微調整ができると思います。

Z-37Lのアーム関節部には、関節の動きを調節できるネジがあります。ここをコインドライバー(もしくは硬貨)で締めれば、アームの動きを硬めにできます。硬めにすると、ライト部分の位置セットが一発でキマるようになって快適かも、です。

 若干余談ですが、じつは2台目のZ-37Lを購入したとき、ルーペのレンズを覆うラバー製のカバーが、少し変形していました。ので、レンズに吸着せず、レンズを傾けると落下してしまうことがありました。「これはちょっとヤだなあ」と思って、とりあえず「お問い合わせ」窓口にその旨を書いて送信してみました。

 すると比較的に速攻で連絡が来て、「初期不良ということで一式を新品と交換」となりました。都合の良い日時を知らせると、宅配便業者がこちらのZ-37Lを回収すると同時に、新品のZ-37Lを届けてくれました。土日を挟みましたが、5営業日内での交換となり、滞りなく問題を解消できました。山田照明はサポートも充実しているっぽいですな。

 てな感じで、細々した難点はあったものの、全体的に非常に満足できているZ-37Lです。照明器具としてもライト付きのアーム式ルーペとしても実用的。仕事で機器のシリアル番号を読み取ったり、細部の刻印を調べたり、趣味で釣り具をイジったり、細かいパーツをハンダ付けしたり、あるいは極小の時計用ネジをピンセットでつまんだり、いつも役立ちまくりです。また、かなりコストパフォーマンスが高い製品だとも思いますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。