スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「片側巻き取り式」USBケーブルが超便利! 一度使うと後戻りできなくなる!?

 最近、超好んで使っているのが「片側巻き取り式」のUSBケーブル。リール式でケーブルを引き出して使い、使用後はケーブルがリールに巻き込まれるというタイプだが、伸び縮みするケーブルはリール部分の片側だけ、という製品だ。

Owltech(オウルテック)の「katamaki(カタマキ)」という片側巻き取り式USBケーブル。写真のものはUSB-A/Lightningケーブルだが、USB-A/USB-Cケーブルもある。
このように端末に接続する側だけが伸び縮みする。

 このタイプのUSBケーブルは、使うほどに後戻りできないと感じられる。巻き取り式なのでケーブルを使用後にクルリンと巻いて片付ける必要がなくて便利。絡まることもほとんどない。必要な長さだけケーブルを引き出せるのでスマートに使える。

 さらに、両側巻き取り式のUSBケーブルより快適。両側巻き取り式USBケーブルの「あの使いにくさ」がナイのだ。

ちょっと邪道な三つ股式の、両側巻き取り式USBケーブル。
ケーブル両端を引くことで伸び、同様に両端を引くことで縮められる。

 ↑こういう両側巻き取り式USBケーブルも便利は便利。なのだが、使用上にルールがあるのだ。具体的には、ケーブルの伸縮時はケーブル両端を引く、ということ。そうしないと、リール内でケーブルが引っかかったり、リール機構が壊れちゃったりする。

 よく、ホテルとかで貸し出している両側巻き取り式USBケーブルが壊れているのは、強引にケーブルを引き出されて壊れたのだと思う。あるいはリール機構の不良かもしれないが……。

 もうひとつ、両側巻き取り式USBケーブルは使用時にリール部分がケーブルの中央付近にくる。宙ぶらりん状態だと電源側と機器側を引っ張ってしまう。立って使ったりすると、やっぱり端末がケーブルに引かれてしまって、なーんか違和感が大きい。

 片側巻き取り式USBケーブルには、こういった「両側巻き取り式USBケーブルの不便さ」がナイのである。非常に気持ち良く使えるのだ。てなわけで以降、俺が使用中の片側巻き取り式USBケーブルをいくつかご紹介してゆきたいッ!!!

いちばん使っているのはOwltechのkatamakiシリーズ

 俺の場合、最も多用している片側巻き取り式USBケーブルは、Owltech(オウルテック)の「katamaki(カタマキ)」シリーズ。多用している理由は、最初に使い始めた片側巻き取り式USBケーブルだから。「あーっコレ便利ーっ!!!」と追加購入したので何本(何台?)も所有&使用中なのだ。

Owltechの初代katamaki。USB-A/Lightningタイプ(直販価格3080円)とUSB-A/USB-Cタイプ(直販価格1980円)がある。どちらもケーブルとしての最大転送データ転送は480Mbps。最大電圧電流は、USB-A/Lightningタイプが5V/3.0A、USB-A/USB-Cタイプが5V/2.4A。ケーブル(フラットタイプ)は最長75cmまで引き出せる。

 これ、2021年11月22日からMakuakeでクラウドファンディングが開始され、その後に一般販売が始まったもよう。最近ではリニューアル商品としてよりコンパクトになったUSB-C/USB-Cタイプが発売された。

左が従来のkatamaki、右が新型のkatamaki。新型はUSB-C/USB-Cタイプということでコンパクトになった。大きさは、従来品が約71.5mm、新型が約62mm。厚さは、従来品が約17.5mm、新型が約16mm。
新型は、ケーブル格納スタイルもよりスマートになった。
ケーブル(フラットタイプ)は最長約90cmまで引き出せる。USBケーブルとしては、データ転送対応が最大480Mbpsで、USB Power Delivery(PD)に対応(最大60Wでの充電が可能)。直販では本体色ホワイトとブラックがあり、直販価格は2580円。Amazonではほかのカラーも販売されており、価格は2180円。

 使い心地は上々。とくに新型は薄くてナイス。またこのシリーズ、ほかのリール式ケーブルは引き出し時に「カチカチカチ」というラチェット音がするのに対し、ラチェット音なしで「スーッ」という静かな音。そのあたりの使い勝手までよく考えられている。

 また従来品も新型もケーブルがフラットで柔らかめ。充電しつつ機器を使ったりするときに、ケーブルが手などの動作を邪魔しないので快適だ。たとえばUSB充電式のワイヤレスマウスを充電しつつ使うときなどにとても便利。

 ……ところで、こういう片側巻き取り式USBケーブルの内部ってどうなってるのか? 両側巻き取り式USBケーブルは中央でケーブルが折り返しているというわかりやすい構造だが、片側巻き取り式USBケーブルはその構造では作れないのでは……? ということで従来品katamakiを分解してみた。

使用頻度が急低下した従来品のUSB-A/Lightningタイプ。
パカリと開いて……。
さらに開くと、ケーブルは内部の接点で電気的につながっているという構造。ケーブルの内側に巻き取り機構が存在している。

 こういう構造なので、充電中やデータ通信中は、も〜しかしたらケーブルの長さを変えると一瞬の接触不良を起こす可能性があるかも? まあそのへんはメーカーがしっかり検証しているだろうから、大丈夫とは思うが。しかしまあよくできた片側巻き取り式USBケーブルである。

固定するとさらに便利!

 片側巻き取り式USBケーブルといっても、ケーブルの出し入れ時は両手を使うことになったりする。片手でリールを持ち、もう片手でケーブルを出し入れするからだ。なお、繰り返し使える粘着テープ的なものを使い机面などにリール部を一時固定すれば、ケーブルを片手で出し入れできて便利だ。

 また、机面などに固定することを前提とした片側巻き取り式USBケーブルもある。具体的にはFeelymosブランド品で、Amazonで2000円台半ばで売られている。

Feelymosブランドの片側巻き取り式USBケーブル。リール固定用の着脱式台座が付属し、同じく付属の両面テープやネジで机面などに固定して使う。「3A急速充電&データ転送」となっている。USB-A/USB-Cタイプと、USB-C/USB-Cタイプがある。
リール部分(ケーブル本体)は台座と着脱可能なので、本体のみほかの場所で使うこともできる。ただ、Amazonのユーザーレビューでは「台座の爪が折れた」というトラブルも多いようだ。
両面テープでディスプレイ下に固定してみた。
本体が固定されているので、ケーブル使用時は片手でケーブルを引き出せる。
ケーブル長は120cmもあるので、一般的なデスクならどこでもケーブル端の端子が届く。

 使用感は、本体が大きいのがやや残念。大きさは約7.5×7.5×3cmあるので「単なるリール式ケーブルなのにヤケに大きい」みたいな感じ。携帯する気にはならない。

 ケーブルの長さが120cmと十分長く、本体から出た短いほうのケーブルまで合わせると、最長160cmのケーブル長ということになる。リールのラチェット音は「カタカタカタ」という感じで静かではないが、まあウルサいってほどでもない。

 でもこういう固定タイプの片側巻き取り式USBケーブルは非常に便利。片手でケーブルを引き出したり収納できたりという利便性がイイ。一度使うと後戻りできない系と言えよう。

モバイル向けかもしれないKashimuraブランド製品

 それからKashimuraブランドの片側巻き取り式USBケーブル。「AJ-633 USB充電&同期ケーブル 片引きリール 80cm A-C BK」という製品で、USB-A/USB-Cタイプで充電とデータ通信に対応。対応最大電圧電流は5V3A。

 ケーブルは80cmまで引き出せて、大きさは57×59×17.5mmで重さは50g。なかなかコンパクトで携帯するのにもイイ感じ。Amazonでは1369円で売られている。

わりとコンパクト。
安心感のあるケーブル収納スタイル。
ケーブルはフラットタイプで、最長80cmまで引き出せる。
USB-A端子は先端のみを出した状態で使える。USB-ACアダプターにリール部分を直接挿せる感じなので、よりスマートに使える。

 コレ、イイのは安価だけど各所に便利な工夫が施されているところ。USB-A側のケーブル長が長すぎず、また端子だけ出して使えるという機能性も好印象だ。全体的に使いやすくまとめられた製品だと思うが、USB-C/USB-Cタイプがないようで、残念。

3in1タイプも片側巻き取り式で!

 出張などに行くと、まだまだ各種USB端子が混在する俺環境。Lightningで充電する機器もあるし、USB-C端子での充電は必須。一方で古めのコンパクトデジカメはMicroUSB充電対応だったりする。なので、ちょっと邪道っぽい3in1ケーブルが俺的必携品なのだ。

こんな3in1 USBケーブルを使っていた。両側巻き取り式USBケーブルで、基本的に充電専用。

 そこで片側巻き取り式の3in1 USBケーブルに移行することに。きっと便利なハズ!

 で、買ったのがFCJ∞CAFELEブランド品。Amazonで1439円だった。

FCJ∞CAFELEブランドの片側巻き取り式3in1 USBケーブル。端子はLightning、USB-C、MicroUSBで、USB-ACアダプターにつながる端子はUSB-Aだ。
ケーブルは105cmまで引き出せる。ラチェット音は「カラカラカラ」という感じ。
出張などに持参するケーブルとして、まあまあコンパクト。

 3in1 USBケーブルが片側巻き取り式になって感じるのは予想通りで「あら便利!」ということ。もう手持ちの両側巻き取り式3in1 USBケーブルは処分するゼ! と強く思った。

 まあ両側巻き取り式でも便利は便利な3in1 USBケーブルなのだが、ケーブルの中央にリールがないことや、やっぱり片手で出し入れできるのは手軽。それにこういう3in1的なケーブルはわりと安いし。

 てな感じの俺的片側巻き取り式USBケーブルライフ。片側巻き取り式のケーブルは非常に便利なので、興味があればぜひ使ってみてほしい!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。