スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「USB-Cテスター」を買いまくってハマってしまった俺!!

 ここしばらく、USBテスターにハマっている俺。USBテスターはUSBチェッカーとも呼ばれ、USBケーブルに通る電気を数値で表示する計測器だ。たとえばUSB-ACアダプター(電源)とスマートフォンの間につなぐと、スマートフォンに何ワットで充電中なのかがわかる。

これは「よくあるタイプ」のUSB-C対応のテスター。2000円以内で買えるものが多い。
USBテスターの左側に電源、右側にスマートフォンをつないで充電すると、何ボルト何アンペアで充電していて、何ワットで充電中なのかがわかる。

 こういうテスターがあると、まず電源とデバイスがケーブルでつながって通電していることがわかる。電気が流れていることが可視化されるので「あぁ、ちゃんと充電されているんだな」と判断できる。

 あるいは「なーんか充電が遅い?」みたいなときに、電源が問題なのか、ケーブルが問題なのか、スマートフォンなど充電される側のデバイスが問題なのかを探っていける。電源、ケーブル、デバイスをそれぞれ別のものに交換するなどしつつ、テスターの数値を見比べていくなどして、いくつか方法があると思う。

 USB-PDによる急速充電対応機器が増えた現在、こういったテスターにより「どの程度高速で充電されているか」がわかる。USB-PDで急速充電する場合、電源(USB-ACアダプターやモバイルバッテリー)もケーブルもデバイスもUSB-PD対応である必要があるが、そのときもこういったテスターを使えば「急速充電されていないっぽい」ことがわかり、その原因は電源なのかケーブルなのかデバイスなのかと目星をつけやすい。

 まあでも、そういうコトをするなら、もっと簡単なグッズもある。たとえば↓のリンクの記事内で紹介している「PD電力表示機能付き USB Type-Cケーブル」を使えば、急速充電しているかどうか、何ワットで充電中なのかがすぐわかる。

サンワサプライの「PD電力表示機能付き USB Type-Cケーブル(500-USB076)」。USB-PDで急速充電中なのか、何ワットで充電中なのかがわかるディスプレイ付きのUSB-Cケーブルだ。Amazonで1980円。
手持ちのUSB-Cケーブルの端に追加して使えるディスプレイ搭載の延長コネクター的な製品もある。左はMcdodoブランド品でAmazonにて1299円、右はSIKAI CASEブランド品でAmazonにて1299円。

 上のような製品を使えば、とりあえずは電源やケーブルや端末がちゃんとつながって、正しく充電されているっぽいことがわかる。ワット数とPD急速充電中であることなどがわかれば、まあ用途的には事足りるかもしれない。

 でもUSBテスターを使ったほうが楽しい。ちゃんと充電されているかどうか、PD急速給電中なのか、何ワットで充電されているかなどが、もちろんわかる。充電が事細かく制御されていることもわかる。

 たとえば「電流が0.9Aから1Aの間を細かく動いている」「1Aを超えないように制御しているっぽい」「と思ったら、急に2A近くまで上がった!」といったことが見えて非常に興味深い。「このケーブルを使うと絶対急速充電しないっぽいから、パチモンなんだなこのケーブルは」的なことを発見できたりもするので、USBテスターは実用的でありかつ愉快なのである。

 ただし、こういったUSBテスターやディスプレイ付きケーブルで表示される数値は、あくまでも目安として捉えたほうが無難だ。けっこう正確な数値が出ているような気がするが、詳細な計測目的には向かないと思う。

ナニカと理由つけて「また、買っ、ちっ、たっ!」みたいな?

 前出の十字型のUSBテスター、形状的にちょっと使いにくい。USB-Aはほとんど使わないので出っぱっていて邪魔。あと凸USB-Cがなーんか少々ユルい。もうかなり前に買ったテスターなので、そろそろ……かな?

 とか言いつつ、もっとカッコよくてソソる感じで、使いやすそうなのをポチる俺。割り切ってUSB-C専用のを買ったりした。

Makerfireブランド品。小型USBメモリーといったサイズ感だ。筐体は樹脂。Amazonにて1299円。
Makerfireブランド品の表示。いくつか表示パターンがあるが、なかなか見やすい。ボタン操作で画面表示を180°回転させられる。65Wまでに対応している。
DiyStudioブランド品。ケーブルが出ているので、画面の位置をある程度自由に動かせて使いやすい。筐体は樹脂。Amazonにて1399円。
DiyStudioブランド品の表示。これも表示パターンがいくつかあり、画面表示を180°回転させられる。195Wまで対応……ホントなのか?

 まあでも表示内容はどれもだいたい同じですな。1000円チョイという価格レンジのものが多いが、まあフツーにUSB-C対応テスターとして実用的だ。

 そんななか、強気の3080円の製品を発見。ルートアールの「双方向・メタル筐体・多機能表示 USB Type-C電圧・電流チェッカー (ケーブル付きモデル) [RT-TC5VABK]」という製品。メタル筐体で100W(20V/5A)対応といったあたりに惹かれて購入した。

ルートアールの[RT-TC5VABK]。細身の筐体は金属製で放熱性がよさそう。Amazonにて3080円。
ルートアールブランド品の表示。クリアで見やすい。これもボタン操作で画面表示を180°回転させられる。100Wまでの計測に対応。
付属の説明書は日本語。ほか2つの製品に付属する説明書は英語や英語/中国語で簡素。やはり日本語のわりと詳細な説明書が付属するのはありがたい。また、これは後々けっこうな差になってくるように思う。こういう機器ってしばらく使わないと操作方法忘れちゃうじゃないスか。でも日本語説明書があればすぐに使い方を理解できるだろう。まあ理解っつっても表示の変え方くらいだが。

 これら3つはフツーに実用的でありかつ小さなカラー表示がカッコイイ。のだが、しかし、老眼入ってる俺には表示がやっぱり小さすぎるのであった。表示モードによってはルーペが必要。コンパクトでイイんだけどなあ……。

画面が大きく表示が見やすいUSBテスターを……

 カッコよさより使いやすさってコトで、画面が大きいUSB-C対応テスターにも手を出した。↓こんなの。

Makerfireブランド品で「Model:N20」という製品らしい。画面サイズは1.54インチ。透明窓付き缶ケース入りで、USB-Cプラグ・アダプターが付属している。Amazonにて2298円で購入。
大きいといっても、ミント菓子程度の手のひらサイズ。
画面の大きさに比例して表示も大きく見やすい! とてもクリアだ。
表示モード各種。電圧などをグラフ表示することもできる。4つのボタンがあり、画面変更などの操作性もなかなかイイ感じ。75Wまでに対応する。※画像はAmazon販売ページより。
英語だがカラー写真入りの詳細な説明書が付属していた。

 なかなか満足度の高いUSB-C対応テスター♪ でもまあ機能性としてはほかのテスターと大きな違いはない。本体上でグラフ表示などできるのはカッコイイのだが、簡易グラフという感じなので「少しずつ電流値が上がってるんだな」的に参考にする程度の使い方になりそうだ。でも2000円少々で見やすい画面とけっこう本格的なテスター機能が使えちゃうのはナイスだと思う。

そもそも……「表示はスマートフォンで」みたいなUSB-C対応テスターとかないの?

 って思いますな。スマートフォン上にテスターの情報を表示させれば見やすいじゃな〜い♪

 そこで探してみたらすぐ見つかった。Bluetoothでスマートフォンと無線接続し、ほとんどの操作をスマートフォン上で行えるというUSB-C対応テスターだ。

 モノはAVHzYブランドの「UD18 USB C Tester, 3 in 1 Type C DC5.5 USB Tester」。Amazonでは「JPUD18」という名で、4299円で売られていたのでポチっとな。

 しかしポチっとした直後に「コレってBluetoothって、技適……通ってる?」と思った。本家サイトもAmazon商品ページにも、技適については記述なし。結局、技適未取得機器であった。

 だが使っ……いやこのテスターで実験してゆきたいッ!!! ということで総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」に届け出をして実験することにしたッ!!!

 マイナンバーカードとマイナンバーカードを読めるスマートフォンがあると(注意書き読むのと情報入力は面倒だが)すぐ届け出できたりするのであった。さておき、届け出を完了して了承された(つまり技適未取得機器を用いた実験等が認められた)ので、JPUD18をスマートフォン経由で使えるようになった。

JPUD18の同梱物一式。
手持ちのUSBテスターのなかで最大サイズ。使いにくそうな形状でもある。
画面は大きめで、表示はやや粗いものの見やすい。

 ちなみにJPUD18のマニュアルはネット上にあり、スマートフォンとテスターのBluetoothペアリング方法も説明されている。またスマートフォン用アプリ「E_Test」はAndroid用もiOS用も用意されている。そしてさっそくペアリングして使ってみたら……。

Bluetooth接続すると、スマートフォン上にJPUD18の情報が現れる。また、スマートフォン上でJPUD18の表示などを設定できるようになる。テスターをスマートフォンにつないでいるように見えるが、テスターは充電器と別のスマートフォンにUSB接続している。テスターと写真のスマートフォンはBluetooth接続中だ。
左はスマートフォン上での表示(スクリーンショット)。電圧や電流などの変化は保存されるが、そのデータは.xlsファイルとしてエクスポートできる。iPhoneからMacへAirDropを使って.xlsファイルをエクスポートし、macOS標準スプレッドシートアプリ「numbers」でグラフ化してみたのが右。エクスポートからグラフ化まで1分くらいでできてしまってアラ便利!

 素晴らしい見やすさである。JPUD18本体はそーんなに操作性がよくなく、やや嵩張る感じでもあるので、スマートに扱えるというイメージではない。だがスマートフォンから使えるとなると、これはもうヒッジョーに快適で、ほか一連のUSBテスターとはまったく別世界の快適な使用感だ。

 ただし、計測値がスマートフォン上に表示されるまでに、1?2秒のタイムラグがあるようだ。また計測開始時にスマートフォン側でいくつかの値をリセットしないと、その値にズレが生じることもあるようだ。まあでも趣味や遊びで使う範囲なら何ら問題ないように感じられる。

 ともあれ、画面上にだいたいリアルタイムで見やすい情報表示がされるのがサイコーと言えよう。なお、AVHzYからはPCに接続してPC上でテスターの各種表示等をモニター&操作できる製品がいくつも出ているようなので、そのうちぜひ試してゆきたいッ!!! あとAVHzYの読みを調べてゆきたいッ!!! アヴヘルツィーかもしれないッ!!! とか思った次第である。

 簡易的なものからけっこう高度なものまで、USBテスター関連製品はいろいろあり、どれもそーんなに高くない。充電状態のチェックやケーブルの実力テストなどを試してみたいなら、ぜひUSBテスターに手を出してみてほしいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。